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【注目トピックス 日本株】PBシステムズ Research Memo(8):主力事業では半導体関連企業へ積極展開

*12:38JST PBシステムズ Research Memo(8):主力事業では半導体関連企業へ積極展開
■ピー・ビーシステムズ<4447>の業績動向

3. 2024年9月期上期のセグメント別業績動向
2024年9月期上期のセグメント別業績は、セキュアクラウドシステム事業の売上高が前年同期比29.2%増の1,113百万円、セグメント損益が128百万円の利益(前年同期は58百万円の損失)、エモーショナルシステム事業の売上高が同15.0%減の39百万円、セグメント損益が7百万円の損失(同3百万円の利益)となった。セキュアクラウドシステム事業は大幅な増収、黒字転換となったが、前年同期は特殊要因である高難易度VDI案件対応による影響が大きかった。特殊要因のなかった前々年同期と比較してみると売上高は前々年同期比1.1%減とほぼ同水準を確保している。同水準と言っても、同社の収益構造はもともと第2四半期(1月-3月)と第4四半期(7月-9月)に業績偏重傾向があった。しかし、2022年9月期は案件前倒しに戦略的に取り組んだことで上期業績が好調だったことから、その水準と同等ということで、客観的にも事業は好調に推移しているといえよう。また、エモーショナルシステム事業については2023年9月期の通信事業者向けMetaWalkersのイベント需要が一巡したことが主な要因で、減収赤字転落となった。

セキュアクラウドシステム事業では、2024年1月に開設した東京オフィスと同年2月に開設した技術開発拠点「エンジニアハビタット」(福岡県)を拠点として、活況を迎えている半導体関連企業へ集中的にアプローチしてクラウド基盤構築案件を獲得し、これが売上に大きく寄与した。半導体関連企業案件の特長は、クラウドの中でもVDIが占める割合は大きいが、それ以外への対応も要求されることだ。例えば、2024年1月に受注した半導体メーカー向け製品を製造するロキテクノの案件では、VDIのほかネットワーク構築やVDI基盤まで広範囲にわたり対応する。さらにその業界特性から、不具合のない安定稼動やストレスフリーなシステム反応速度などが高度に要求されるほか、業務量の増加に伴いシステムに負荷がかかるリスクも考慮する必要がある。必然的にシステム構成内容は高度になり、案件規模も大きくなる。収益性の観点でも、半導体関連企業を中心にクラウド基盤に高性能な機器を要求されるケースが増えている点は追い風だ。2024年9月期上期の高付加価値製商品(粗利益率25%以上)の物販売上高は前年より倍増の367百万円(前年同期実績163百万円)となっていることがその証左であるほか、同時点での半導体や電子材料関連の売上高は約300百万円と売上に大きく貢献している。また、それら案件の営業地区別構成比は首都圏が約75%、九州近郊が約25%となっており、首都圏・九州2拠点体制での集中攻勢は奏功していると言えそうだ。

エモーショナルシステム事業については、沖縄県の与那原大綱曳資料館で360度の3Dシアターを稼動させたほか、MetaWalkersが「超体験 NHKフェス 2024 in SHIBUYA」で採用されるなど、着実に新ニーズを掘り起こし、売上に寄与した。加えて、従来需要である遊園地アトラクション用映像システム販売に加え、企業向けメタバースのストックビジネスも貢献している。ただし、全体としては2023年9月期まで好調であった通信事業者向けのイベント需要が一巡した反動減をカバーしきれなかった。2023年9月期に悲願のセグメント黒字化を達成した直後ということもあり、小幅とはいえセグメント赤字に転落したことはややネガティブな印象である。一方、ヘルスケア領域に向けてシニア世代向けの身体と脳を活性化させるシステムをブラッシュアップ中のほか、360度のフィットネスゲームの初期開発が完了しており、スポーツ科学領域でも新規案件が進行中だ。今は種まきの段階だが手応えを得ており、早ければ下期以降に成果を見込む案件もあるもよう。

なお、受注残については、セキュアクラウドシステム事業において前年同期比12.5%減の704百万円となった。理由は見込んでいた中規模案件が4月以降に延期されたためで、予定通りに進捗していれば前年同期水準の受注を達成できていたと弊社では考えている。実際、同社側も期中での受注を見込んでいるようであり、大きな懸念はないだろう。SaaS、AI、ゲームなどオンライン事業者向けには、パートナーであるクラウド/データセンター事業者との交流を活発化させることで協業を図り、クラウド構築需要を発掘したことが寄与した。エモーショナルシステム事業については前年同期比82.8%減の5百万円となった。こちらも2023年9月期の通信事業者向けMetaWalkersのイベント需要が一巡したことを受けての結果だが、受注残の内訳は、企業向けメタバースのストックビジネスによる安定受注やイベント案件受注である。両事業合計での上期末受注残高は前年同期末比15.0%減の709百万円で着地した。

今後の受注獲得、特にエモーショナルシステム事業については、新設した東京オフィスにMetaWalkersの体験スペースを設置して顧客との接触回数を増やしているほか、沖縄県の与那原大綱曳資料館での導入を契機に自治体への販売促進、ローラー営業を展開している。企業向けメタバースでは従来の観光、スポーツ科学、防災に新たに「宇宙」を加えた4分野に集中し、需要発掘に注力しており、第3四半期期間ではあるが東京都が開催する「SusHi Tech Tokyo 2024」におけるショーケースプログラムの技術パートナーとして、大林組<1802>の宇宙エレベーター建設構想をベースとした宇宙エレベーター体験の企画制作に参画するなどニーズを具体化させている。信頼関係を構築済みのセキュアクラウドシステム事業の既存顧客や同事業のセミナー起点で新たに接点を持った新規見込客に対して、クロスセルを積極展開して需要の掘り起こしに注力しており、手応えを得ているようだ。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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