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【注目トピックス 日本株】TDCソフト Research Memo(6):2024年3月期は増収増益で、上方修正計画を上回る進捗(2)

*15:06JST TDCソフト Research Memo(6):2024年3月期は増収増益で、上方修正計画を上回る進捗(2)
■TDCソフト<4687>の業績動向

(4) プラットフォームソリューション分野
2024年3月期は、銀行向けクラウド関連のインフラ構築案件が順調に推移し、売上高は前期比14.1%増の4,675百万円だった。

4. 主要施策の状況
同社グループは「次世代型システムインテグレーター」を目指し、市場の潜在ニーズを捉え、デジタル技術の新たな潮流に対応した次世代型SI事業へと進化することをビジョンに掲げ、2022年3月期から中期経営計画「Shift to the Smart SI」を推進してきた。2023年3月期からは中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」(FY2022~FY2024)をスタートし、現在、その中期経営計画に基づいた経営を推進中だ。

主要戦略である「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」に、Plusとして「事業領域の拡大」を掲げる。「高付加価値SIサービスの追求」においては、事業の拡大、高収益化を推進するうえで鍵となる、アジャイル開発事業とセキュリティ関連事業を重点戦略分野としている。顧客の潜在ニーズを捉え、アジャイル、セキュリティ等の最新の要素技術等を活用することで、高付加価値サービスの提供と時間や手間などを含めたユーザコストの低減を両立したインテグレーションサービス次世代型SI事業が順調に拡大しており、これに加えてコスト削減の取り組みが寄与して収益性も向上した。同社の計画では、次世代型SI事業の売上高を全体の2割程度にキープしながら、同事業を軸にして売上を効率よく確保できる周辺事業を受注し、事業領域を拡大することを目指すとしている。次世代型SI事業の2024年3月期の売上高は10,137百万円であり、全体の売上高に占める割合は前期比1.0ポイント上昇の25.5%と、確実に成長を続けている。

「SIモデル変革の推進」においては、高生産性と高品質を両立するSIプロセスの整備を、イノベーション的アプローチで実現することを目指している。顧客へのサービス品質水準を向上させるために、ハイスキル人材を多くのプロジェクトでシェアリングする等の活動を実施した。また、プロジェクトのトラブルを撲滅するために開発を進めてきた社内の新システム「PROJECT IQ(プロジェクトアイキュー)」を2023年10月にリリースした。同システムは、担当者の経験などに依存していた人的観点でのプロジェクトレビューや受注判定を、技術的観点で定量的にパフォーマンスを可視化する。プロジェクトパフォーマンス評価機能、要員スキルアセスメント登録・検索機能を実装しており、標準化された品質の担保や全社横断的な情報検索が可能となる。同システムは逐次アップデートする予定であり、今後はマネジメントや業務の観点、メンバーの稼働状況、コスト、品質、スケジュールなどの評価要素を取り込む方針だ。

次世代型SI事業を支えるワークプレイス戦略として「Smart Work」構想を掲げ、高い生産性を発揮し続けるため、2023年10月に本社機能の移転を完了した。「Re:Place」をコンセプトとした新オフィスは壁を最小限にし、ガラス窓を多くすることで、防音性を保ちながらオープンな空間を作り上げることに成功した。ガラス戸張りの研修室や社員執務用のフリースペース、ファミレス席や個室ブースなど、社員同士の交流や作業の利便性に配慮した機能的な作業空間にもなっている。同社によれば社員の反応は良好で、従業員エンゲージメントの向上にも効果を発揮しているとのことだ。

「事業領域の拡大」は、投資フェーズと位置付けられている。既存のSI事業領域を軸に新たなビジネスモデルに必要なケイパビリティ(組織として持つ、他社より優位な強み)を獲得し、新たな領域へ事業を拡大するため、セールス&マーケティング本部にプロダクトセールス部、マーケティング・プロモーション部を新設。さらにビジネスイノベーション本部にもサービス企画部、R&D推進部、コンサルティング部を立ち上げた。これらにより、「SI事業」において、次世代型SI事業の拡大、維持・保守領域などマネージドサービスやアウトソーシングサービスによるビジネスボリュームの拡大を図る。次世代型SI事業の拡大に向けては2024年3月期において、新技術の習得や新サービス開発に向けての研究開発や開発資産増強のための投資を行った。2025年3月期以降も継続的に行う予定だ。「コンサルティング事業」においては、ナレッジの蓄積やメソッド化による新規事業開拓や、既存のDX/ITコンサルや「SAFe(R)」コンサルのさらなる拡大を目指す。このほか、技術教育サービスにも注力しており、2023年5月には同社が提供する「SAFe(R)」認定トレーニングの国内累計受講者が1,000名を突破し、国内開催実績数、受講者数ともに国内最多となった。

同社はコンサルタントの養成に2つの側面から対応する計画である。1つは製品に関するコンサルタントで、「SAFe(R)」のような製品に関するコンサルタント資格を取得したうえで営業実務を経験させ、技術力のある営業人材を育成する。もう1つはITコンサルタントで、同社が強みを持つ各分野におけるスキルやノウハウをアセット化し、これを武器に顧客の潜在ニーズを捉えて深掘りし、開発案件受注につなげる人材の育成である。これらスキルやノウハウのフレームワーク作りを急ぎ、人材の育成に役立てる考えである。「サービス販売事業」では、蓄積ナレッジを活用した新たな自社製品の販売事業の拡大に加え、マーケティング機能を強化してユーザーニーズやシーズ(生産者視点での商品やサービス開発)を捉えた製品やサービスの販売を行う。

上述の施策を実現するためには、技術とともに人材リソースの確保が必須であり、将来に向けた積極的な投資を推進している。新規事業や高付加価値サービスのさらなる拡大を狙い、要素技術への投資を継続して拡大しており、アジャイル・セキュリティ・UXD・クラウドネイティブ・データアナリティクスプラットフォームのほか、2023年3月期より新たにフロントエンドフレームワークやオートメーション・マネージドサービスへの投資も行っている。人材への投資については、2024年度に新入社員を採用するなど積極的な人材確保施策を推進している。同社は新卒採用者の早期育成に強みを持っているが、今後は人的リソースの確保を目的としてパートナーとの連携強化やM&Aも活用する方針である。今後の業績において、人件費の増加はやや重しとなる可能性があるものの、企業のモダナイゼーションが活発化すると見られるなか、IT投資の増加を見据えた将来への成長投資と、弊社では前向きに評価したい。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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