*15:01JST 網屋 Research Memo(1):2024年12月期第2四半期は増収増益。営業利益は過去最高を達成
■要約
網屋<4258>は、サイバーセキュリティ製品やサービスを開発・製造・販売するセキュリティの総合プロバイダである。国産メーカーとして開発したログマネジメントサービス「ALogシリーズ」、通信インフラのクラウドサービス「Network All Cloud」等を提供している。「SECURE THE SUCCESS.−自動化で、誰もが安全を享受できる社会へ−」というビジョンを掲げ、「安全・安心な情報通信基盤」の実現をミッションとし、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)促進を支援する。
1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期の業績は、売上高2,235百万円(前年同期比31.6%増)、営業利益259百万円(同23.2%増)、経常利益276百万円(同2.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益195百万円(同2.4%増)となった。大規模なセキュリティ事故の発生を背景に、防衛関連企業や自動車関連企業などから前年同期比2倍の引き合いを獲得したことで増収増益となり、営業利益は過去最高を達成した。主力製品である「ALogシリーズ」は料金体系をサブスクリプション(以下、サブスク)制へ移行し、収益構造の改革を実現した。販路の拡大も順調に進捗し、大手4社と新たに代理店契約を締結した。主要KPIであるARR(Annual Recurring Revenue)に関してはデータセキュリティ事業で960百万円(前年同期比28.0%増)、ネットワークセキュリティ事業で1,510百万円(同21.8%増)と好調に推移した。主力製品である「ALogシリーズ」のオールサブスク販売の開始により、収益体質のより一層の安定とLTVの向上が期待できると弊社では見ている。なお、同社は2023年12月期第3四半期より連結決算へ移行した。前年同期は弊社による単体と連結の単純比較によるものである。
2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期業績見通しは、売上高4,500百万円(前期比26.4%増)、営業利益419百万円(同15.2%増)、経常利益399百万円(同6.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益279百万円(同14.3%減)である。主力製品「ALogシリーズ」のクラウド版・オンプレ版の双方がサブスク制に完全移行したことで、収益構造の抜本的な改革や中長期的な売上成長率の加速が見込まれる。既存顧客についても順次サブスクモデルへの切替を計画しており、今後の業績拡大の大きなけん引役となることが期待される。2024年12月期第2四半期は、親会社株主に帰属する中間純利益195百万円と、通期予想に対して70.2%という好調な進捗を達成している。足元の需要も旺盛なことから、第3四半期以降も増収増益基調を継続し、通期予想達成の蓋然性は高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画
同社は2023年3月30日に2023年12月期から2025年12月期までの3年間を対象とした中期経営計画を発表し、業績目標として、最終年度の2025年12月期において売上高6,000百万円(2023年12月期実績は3,559百万円)、営業利益600百万円(同363百万円)を目指す方針を打ち出した。これにより対象期間中の売上高成長率(CAGR)は年率25%超と大きく成長する見込みとなる。業績目標達成に打ち立てたのが、(1) 新成長戦略のスタート、(2) 主力製品の収益モデル転換、(3) 提携/M&Aによる複合事業化の3つ骨子である。また、主力製品のサブスク化を中心としたストック売上の大幅拡大を目指しており、中期経営計画最終年度である2025年12月期のARRはデータセキュリティ事業では2022年12月期比300%、ネットワークセキュリティ事業では200%の成長を目標としている。
■Key Points
・2024年12月期第2四半期は増収増益、営業利益は過去最高を達成。主力製品である「ALogシリーズ」の料金体系をサブスク制へ移行し、収益構造の改革を実現
・2024年12月期の通期計画に対する進捗は好調、代理店網の拡大による販売加速により通期計画達成の蓋然性が高まる
・新中期経営計画では「ALog」のクラウド&サブスク化による収益構造の転換により2025年12月期までの3年間で売上高2倍を計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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