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ビジネス
Netflixはテレビを殺すか

スポーツ中継に進出する動画配信サービス アマプラはボクシング中継を掌握、Netflixは米プロレス団体WWEと10年7400億円で契約

WWEと巨大契約を結んだNetflixほか、スポーツ中継にも動画配信サービスが積極進出(写真/AFP=時事)

WWEと巨大契約を結んだNetflixほか、スポーツ中継にも動画配信サービスが積極進出(写真/AFP=時事)

 次々と話題のコンテンツを送り出しているネットフリックス(Netflix)に代表される有料の配信サービス。『極悪女王』や『地面師たち』といったドラマ作品が目立つことが多いが、スポーツ中継でもしのぎを削っている。

 なかでも猛威を振るうのがアマゾンプライムビデオだ。日本国内でもすでにテレビから動画配信に完全に移行したボクシングの世界戦は、アマゾンが一手に握っている状況だ。次世代メディア研究所の鈴木祐司代表が語る。

「1億円以上とも言われるスーパーバンタム級世界4団体統一王者・井上尚弥のファイトマネーは、無料放送の地上波の広告収入では賄えません。主催者側も、無料での国内1000万人規模の視聴を見込んだ広告収入より、国内外に向けた動画配信にしてアマゾンから巨額の放映権料を得るほうが収益につながる」(鈴木氏)

 10月13~14日、アマゾンプライムビデオが日本ボクシング史上初となる7つの世界タイトルマッチを独占ライブ配信。元WBC世界バンタム級王者の薬師寺保栄氏はその“恩恵”に与ったと話す。

「タイトル戦前に予測番組を収録しましたが、アマゾンが提示したギャラは地上波より多かった。配信ビジネスの勢いを実感しました」

 現役時代の1994年、辰吉丈一郎との世界バンタム級王座統一戦が視聴率39.4%をマークした薬師寺氏だが、動画配信の全盛には複雑な思いも抱いている。

「僕は今でも“(辰吉との)あの試合を観ていました”と声を掛けられるほど、地上波放送を通じて世の中が大騒ぎするのを体感しました。今は井上尚弥が騒がれていますが、限られた人だけが試合の配信を観ていて、30年後に人々の記憶に残っているのかは疑問です。ファイトマネーは高騰しても、幅広い世代に知られることが少ない配信には寂しさを感じます」(同前)

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