弐億貯男さんはトランプ関税ショックのなかでも「あまり不安を感じずに済みました」という(Getty Images)
トランプ米大統領の一挙手一投足に世界の市場関係者の注目が集まっている。各国の株式市場を混乱に陥れた「関税措置」をめぐっては、日本から赤澤亮正・経済再生担当相が訪米。日米交渉で90日間停止中の措置の見直し求めていく姿勢だ。今後も先行き不透明な状況が続くが、株式投資で億超え資産を築いた“億り人”はこの局面でどう動いたのか。そして、儲けを出せたのか。会社勤めをしながら、株式投資で元手250万円を2.8億円まで増やしたという弐億貯男さんに話を聞いた。
トランプ関税をめぐっては、4月7日の月曜日に日経平均が史上3番目の下げ幅を記録する急落があった後、日替わりで激しい上げ下げを繰り返す激動の1週間があった。弐億さんは、その1週間について「私は(関税の影響を受けにくい)内需系の割安成長株に中長期で投資するのがメインなので、トランプ関税ショックに振り回された1週間でもあまり不安を感じずに済みました」と振り返る。
わずか4か月で2倍近くになった銘柄
そのうえで弐億さんは「もう少し細かく言うと、週明け4月7日の暴落ではさすがにマイナスでしたが、その後盛り返した感じ」と補足する。
「私の保有銘柄はブログなどで公開していますが、いままでは『プレミアグループ』(東証プライム・7199/中古車のオートクレジットなど)の含み益が大きく、どちらかといえばプレミアグループ頼みの“一本足打法”でした。しかし、今回の乱高下局面では、以前から保有していた『アルファパーチェス』(東証スタンダード・7115/大企業向けの工場や建設現場などの資材の購買システム)が「逆行高」を演じ、4月11日には169円高の2139円と大幅高になって含み益はプラス798万円にもなった。私の保有銘柄のなかでプレミアグループに次ぐ柱が育ってきて、安心できる状況になっています」(弐億さん、以下「」内は同)
世界中が関税ショックによる乱高下相場に右往左往するなか、自身の保有銘柄に「次なる柱ができて安心した」と言えるのは、2003年から22年間にわたる投資歴のなせる業だろうか。ちなみに、本誌・週刊ポストの新年号で弐億さんはアルファパーチェスを注目銘柄として挙げていたが、その際の株価は1152円。わずか4か月で株価は2倍近い上昇となった。
「もちろん、これまでを振り返ると、いいことばかりじゃないですよ。一昨年から昨年にかけては大型株の国際優良銘柄が中心のプライム市場の全盛期で、私のメインの中小型の割安成長株が多いグロースやスタンダード市場は“不遇の時代”が続きました。それがはからずもトランプ・ショックによって、ようやく今年に入ってから中小型株が注目され始めた。この先は関税の影響を受けにくく、かつ日経平均の構成銘柄でもないことから相場全体の影響も受けにくい『内需系の中小型株』への資金流入がますます期待できるのではないでしょうか」