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【注目トピックス 日本株】ククレブ Research Memo(4):コンパクトサイズのCREを対象にソリューションサービスを提供(2)

*14:04JST ククレブ Research Memo(4):コンパクトサイズのCREを対象にソリューションサービスを提供(2)
■ククレブ・アドバイザーズ<276A>の会社概要

(3) 不動産テックビジネスの概要
不動産テックビジネスでは、自社開発し社内でも利用している「CCReB AI」や「CCReB CREMa」をサブスクリプションサービスとして外販している。

a) CCReB AI
「CCReB AI」は、不動産会社や資産運用会社、金融機関、建設会社、不動産調査会社等のCREに関わる幅広い企業に導入され、CRE営業を効率化するための支援ツールとして、また企業分析等にも活用されている。導入企業数は非開示だが数十社程度と見られ、契約継続率も高い水準となっている。サービス提供にあたっては、分析対象範囲や利用可能機能により複数のサービスプランを用意しており、月額利用料を収受している。同ツールを外販しても同社がフォーカスしている市場で競合することはほとんどないため、CREソリューションビジネスへのマイナス影響はないと考えている。

b) CCReB CREMa
「CCReB CREMa」はBtoB向けの不動産情報/ニーズのマッチングシステムで、工場や倉庫などの事業用不動産の売却・購入、あるいは有効活用施策を検討している企業や不動産プレイヤー及び金融機関などに向けたサービスとなる。2020年10月に成功報酬型のサービスとして運用を開始、2023年9月からは月額料金型のサブスクリプションサービスの提供を開始、また、社内専用の情報管理・マッチング機能を有する「CCReB MB(ククレブマッチングボックス)」や、営業担当者・部門ごとの案件進捗管理・営業パフォーマンス管理機能などを追加したプラン「CCReB CREMa+(ククレブクレマプラス)」を展開している。

「CCReB CREMa」はCREソリューションビジネスにおける案件獲得につなげるための生簀(いけす)の役割を果たしている。同システムに多くの不動産情報やニーズが登録されることが、受注件数の増加につながる。利用ユーザー数(アカウント数)や情報登録数はサブスクリプションサービス開始以降、順調に拡大しており、2025年2月末時点でユーザー数416アカウント(無料会員含む)、情報登録数で6,360件※となっている。なお、月平均のマッチング数は20〜30件で、成約率は10%程度と見られる。

※ 情報登録から2年経過した物件/ニーズはカウントから対象外としている。累計登録数は5万件超となっている。

参入障壁の高いコンパクトCRE市場で独自のポジショニングを確立

3. 市場規模と同社のポジショニング
同社は企業の保有する不動産のなかでも、簿価でおおむね20億円以下の工場・物流施設・研究開発施設などのコンパクトCREにフォーカスしている。同市場は、不動産に限らず経営、産業に関する知識・ノウハウが必要となるため参入障壁の高い市場であり、大手不動産会社は業務効率、採算性の観点からコンパクトサイズの資産を積極的に取り扱わず、また、中堅・中小不動産会社なども取り扱いの難しさから参入しにくい状況であることから、競合する企業の少ないブルーオーシャンマーケットとも言える。上場企業が保有する簿価20億円以下の不動産ストックだけでも約12兆円※あり、CREの有効活用に関する潜在ニーズは大きい。特に、東証が2023年よりプライム市場及びスタンダード市場に上場する企業に対して、「資本コストや株価を意識した経営の実現」を要請した結果、各企業がROEやROICの向上施策を策定するなかで遊休不動産に関する有効活用ニーズが高まったことも、同社にとっては追い風になっていると見られる。同社はこうしたニーズを不動産テックで掘り起こし、プロジェクトを成功に導くことで顧客からの信頼を獲得している。

※ 2023年に開示された全上場企業の有価証券報告書において、「主要な設備の状況」に記載された土地・建物及び構築物のうち、1件当たり帳簿価格20億円以下の不動産の合計値を同社で集計した。

不動産関連企業内での同社のポジショニングを見ると、高い収益性と財務健全性の両立が特徴となっている。不動産テックを活用した生産性の高い独自のビジネスモデルを確立することで、営業利益率は創業来30%超の水準を維持している。また、B/Sを活用した不動産投資・賃貸について一定規模以上の案件については、CREファンド組成を活用することで資金負担を軽減しており、ネットD/Eレシオ((有利子負債-現預金)÷株主資本)で1.0倍以下と適切なレバレッジ水準を維持しており、今後も1.0倍以下の水準で事業投資を進める方針となっている。なお、直接の競合ではないものの、同社が意識している企業として不動産投資プレイヤーでは霞ヶ関キャピタル<3498>、不動産テック企業ではSREホールディングス<2980>を挙げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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