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【注目トピックス 日本株】ベネ・ワン Research Memo(4):会員制インターネットモール「ベネフィット・ステーション」を展開(2)

2017年6月15日 15:50

■事業概要

5. 各事業の内容
(1) 福利厚生サービス
ベネフィット・ワン<2412>の福利厚生サービスは、企業と従業員の双方にメリットがある。会員企業は、多種多様な福利厚生制度の構築や運用にかかる面倒な事務作業の手間も軽減することができる。複数拠点で事業を運営する企業の地域間格差や世代間格差を縮小できる。従業員が人生のあらゆるシーンで利用できる、豊富なサービスメニューをそろえている。代表的ものとしては、新社会人であれば、スーツ購入割引、飲食店割引、カラオケ割引、英会話学校割引を利用する可能性が高いだろう。婚活では、結婚相談所割引、映画館割引、結婚ならば、結婚式場割引、引越・住宅購入割引、家具購入割引などがある。もちろん、家族サービスのためのレジャー施設割引や宿泊施設割引もある。

(2) パーソナル事業
企業向け福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」を、特定の企業や団体に属していない個人でも利用できるようにした。BtoCを実現するためには、月額固定の会費を徴収する機能が必要とされるため、そのような機能を有する企業をアライアンス先としている。アライアンス先は、携帯キャリアやフィットネスクラブ、不動産仲介会社等になる。顧客への対面販売や月額課金を特徴としており、同社の会費モデルとの親和性が高い。

福利厚生サービスの企業会員は、会社の福利厚生の一環として付与されるため、所属する企業が止めなければ、利用のいかんを問わず、会員であり続ける。一方、パーソナル会員は、個々人の判断で退会ができる。そのため、月会費以上のメリットを享受するよう、利用を促進する啓蒙活動が重要になる。パーソナル会員維持のため、広範囲なサービスの中から、グルメ、エンタメ、健康、金融に特に注力することで、一般サイトとのコンテンツの差別化を図る。

パーソナル事業は、2016年4月の会員数が227万人と3年間で3.3倍に増加した。ただし、大口アライアンス先である携帯キャリアが営業方針を変更したことが主因となり、2017年4月は191万人に減少した。2018年4月に向け、既存アライアンス先の増加に加え、大型新規協業先との提携が予定されているため、上昇トレンドに戻ることを計画している。

(3) CRM事業
CRM(Customer Relationship Management)事業は、顧客満足度向上支援サービスになる。同社クライアント企業の主力商品に同社サービスを加えることで、新規顧客の獲得や優良顧客の囲い込みを支援する。多様化する顧客の価値観やサービスのランク分けをして顧客満足度を高めることが可能になる。

(4) インセンティブ事業(モチベーション向上支援サービス)
同社は、日本初のインセンティブ専用のポイントプログラムを展開している。インセンティブ・ポイントの交換アイテムは、全21カテゴリー、約20,000メニューをそろえている。年齢・性別を問わず、幅広い層のライフスタイル・趣味嗜好に対応でき、同社のスケールメリットを生かした、お得なアウトレット価格や特典が利用できる。単なる「モノ」だけでなく、ユーザーの心に残るプレミアムな体験ができるサービスも充実している。

同社と契約した企業が、インセンティブ・ポイントを営業職社員や代理店等に付与する。最近では販促インセンティブ目的のみならず、採用強化や離職率削減及び定着率の向上による採用コストの削減、優秀な人材の確保、評価機会の拡大、従業員のモチベーションアップ、営業力の底上げ、キャンペーン効果の引上げなど活用の範囲が広がっている。パート・アルバイト向けの導入メリットは、時給に代わる効果的なモチベーション向上策として、雇用期間の長期化、職場のコミュニケーションの向上などがある。

導入実績は、2017年5月時点で350社を超えており、代表的なところでは、携帯電話通信事業者や生損保、自動車販売関係、医薬品会社、外食企業などがある。携帯電話通信事業者は、販売奨励金の予算が潤沢にあるため、付与ポイントの取得も大きい。

(5) ヘルスケア事業
事業環境としては、2008年の特定健康診査及び特定保健指導の義務化から始まり、2015年度からデータヘルス計画の義務化、2015年12月からストレスチェックの義務化と続く国策が追い風となっている。厚生労働省は2015年度から、すべての健康保険組合に対し、データを活用した科学的なアプローチにより事業の実効性を高めるデータヘルス計画の作成と実施を義務付けている。データヘルスは、特定健康診査や診療報酬明細書(レセプト)などから得られるデータの分析に基づいて、効率の良い保健事業を行うことである。背景には高齢化と生活習慣病の増加がある。近年、生活習慣病が死因の約3分の1を占めると推計されている。特定健康診査は、メタボリックシンドロームに着目した健診である。特定保健指導は、その診査の結果から発症リスクが高く、生活習慣の改善による予防効果が期待できる人をサポートする。

ヘルスケア事業は、健診サービスから特定保健指導、データヘルス計画支援等、健康関連のサービスをワンストップで提供している。

2015年12月に義務化されたストレスチェックでは、精神的疾患と生活習慣病が別々の問題ではなく関連していることが明らかになってきているため、同社では健診データとストレスチェックを掛け合わせたチェックプログラムを提供する。また、企業や健保で行われる健康増進の取り組みに対し、インセンティブを起点とした健康づくりのプログラムも提供。政府は、健康ポイント(個人に対するヘルスケアポイント付与)について充実させる方向性を示している。

ヘルスケア事業は、業務効率改善の効果もあり、2017年3月期は売上高が前期比17.0%増の4,979百万円となり、営業利益は2016年3月期期の33百万円の損失から292百万円の利益に転じた。オペレーションの改善により納品も進み、利益の伴った成長モデルに体質改善ができた。2018年3月期は、売上高、営業利益とも5割増を見込む。大型複数年契約を受注した。顧客先は、前期比506社増の1,100社に達し、健診・保健指導ともトップシェアとなる見通しだ。健診のWeb予約化や保健指導のICT面談などを導入し、オペレーションの効率化を継続する。ストレスチェックの顧客が急増している。また、健康ポイントの目標を150社として、福利厚生、インセンティブとのクロスセル強化でトップシェアを目指す。

(6) BTM事業
BTM(Business Travel Management)の利用は、出張にかかる直接経費の削減だけでなく、間接コストの削減やコンプライアンス強化につながる。同社のキャッシュレスで一括管理を可能とする「出張ステーション」は、3つの導入メリットがある。それらは、法人契約の特別割引料金を利用して旅費・宿泊費を削減できる「直接経費の削減」、Web手配(24時間可能)・個人の立替不要・会社一括精算により業務を大幅に削減する「間接経費の削減」、出張データを一元管理・可視化できるため、空出張などの不正を防止する「コンプライアンス強化」である。

同事業は現時点での収益は小規模なものの、経営者のコンプライアンス意識の高まりとともに需要が急拡大しており、商品力と営業力を強化している。国内ではマージン率の高い出張専用宿泊施設との直接提携を強化することで取扱いを伸ばし、収益性を高める。次は、これまで手掛けていなかった海外も、航空券・宿泊の手配体制を整える。

(7) ペイロール事業
BPO事業強化の一環として、2015年8月に給与計算業務のアウトソーシングサービスを行う新会社(株)ベネフィットワン・ペイロールを設立した。同子会社は、パソナグループ各社とベネフィットワングループ各社の給与計算と勤怠管理業務を担うシェアードサービス機能を持つ。このペイロール機能を外販し、中堅・中小企業73万社をメインターゲットとしている。

(8) 海外事業
海外での事業展開は、2012年に中国と米国に独資の子会社を設立したことから始まった。同社は、日本発のビジネスモデルのグローバル展開を進めている。主に、インセンティブ事業を行っている。2013年には、アジア地域の事業を統括する合弁会社をシンガポールに設けた。同子会社を介して、2014年にタイ、台湾、インドネシアにも進出した。また、2015年1月には、欧州初となる100%子会社をドイツに設立した。海外事業は、2015年3月期から連結決算に組み入れられはじめた。

2017年3月期に、株式を追加取得したシンガポールのREWARDZ PRIVATE LIMITED(以下、REWARDZ)を連結対象に含めた。同子会社は、2016年11月にシンガポールとマレーシアにおいて「HR Vendors of the Year 2016」を受賞した。企業従業員の報奨制度にかかるアプリサービスや報酬・福利厚生サービスが評価された。同子会社は、福利厚生、ポイント、ヘルスケアを一体化して提供する先進性を有している。同社は、国内事業でも同方式を展開していく。なお、ベネフィット・ワングループは今後REWARDZ社のインド開発拠点を積極的に活用していく方針だ。アジア地区は、同子会社を核に、サービスメニューをポイントだけでなく、福利厚生やヘルスケアへと拡大する。海外事業は、先行投資フェーズに当たり今期も赤字の予想であるが、グループ全体のパフォーマンスに貢献している。ストック型のビジネスであるため、一度損益分岐を越えれば安定した収益貢献が見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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