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【注目トピックス 経済総合】パナマと台湾国交断絶、中国当局が背後で金銭誘惑

2017年6月19日 12:20

 中米のパナマは13日に、中国本土と国交を樹立し、100年以上に渡り外交関係を築いてきた台湾との断交を発表した。台湾政府も同日、「怒りと遺憾の意」を表明し、パナマとの国交を断つことを明らかにした。中国当局が、中国共産党に強硬的な姿勢を示す台湾蔡英文政権を国際的に孤立させるために、台湾と外交関係を持つ国に対して、投資・貿易利益で働きかけたとみられる。

 パナマのフアン・カルロス・バレーラ大統領は現地時間12日夜に行われたテレビ演説で、中国当局が主張する「一つの中国」考えを支持し、(中国当局との国交樹立で)今後投資や雇用を含む各方面での潜在力を掘り起こしていくと述べた。

 また、パナマのサインマロ副大統領兼外相は同日、中国外務部の王毅部長と北京で国交樹立に関する共同声明に署名した。これによって、台湾の友好国の数は20カ国まで減った。

■パナマは重要か?

 パナマは中華民国と107年の長い国交歴史を持つ国で、台湾と外交関係を結ぶすべての国の中で経済的に最も実力がある国だ。

 03年、パナマと台湾が署名した「自由貿易協定(FTA)」は台湾にとってはじめてのFTAとなる。また14年7月、両国の友好関係を安定させる目的で、馬英九前総統はフアン・カルロス・バレラ氏の大統領就任式に参列した。

 蔡英文総統は就任後初の外遊先として、16年6月にパナマを訪問し、パナマ運河拡張工事竣工式に出席した。台湾当局がパナマとの友好関係を重要視していることを示した。

 しかし、今年1月に蔡総統がホンジュラスやニカラグアなど中米諸国を訪問した際、パナマに訪れなかった。これに対して、一部のメディアや関係者が両国の外交関係に亀裂が入ったと推測した。

 パナマとの断交は台湾にとって、外交的に大きな損失となった。

■パナマと中国当局の外交関係はいつから?

 英BBC放送によると、64年にパナマでの反米運動が激化し、一部の学生が米国領パナマ運河地域でパナマ国旗を揚げようとしたため、米国当局が発砲し20人以上が死亡した事件が発生した後、当時の中国共産党最高指導者の毛沢東が、パナマ側を支持する大規模な集会を開催するよう指示した。毛がパナマへの接近を企む様子が浮かび上がった。

 68年に発足したパナマのオマル・トリホス軍事政権はまもなく、毛沢東との接触を始めた。75年、中国当局の黄華・駐国連大使はパナマ市で開催された国連会議の際、パナマ政府と会談し、中国共産党の代弁者である国営新華社通信のパナマ支社を設置することで合意した。81年、トリホス大統領が中国訪問直前、飛行機事故でなくなった。

 その後、マヌエル・ノリエガ将軍が83~89年まで政権を掌握したが、台湾との友好関係を維持していた。しかし、89年米ブッシュ政権の軍事介入によって同政権が崩壊した。

 中国当局は96年にパナマで準外交機能を持つ通商事務所を設置。16年に、同事務所は駐パナマ代表事務処に昇格し、事実上駐パナマ中国大使館となった。

■利益を優先する各国

 過去数十年間、台湾は友好関係を維持するために、パナマなど国交のある国に莫大な経済援助を行ってきた。95年2月、台湾は西アフリカのガンビアと外交関係を結ぶに3500万ドル、97年にサントメ・プリンシペに3000万ドルの資金援助を行った。また96年、台湾は中南米のコスタリカに対して、同国の道路や港建設に6500万ドルの資金を融資し。さらに同年、パナマに対してコンテナ港の建設のために7000万ドルを支援した。

 多くの海外メディアや専門家は、中国当局が蔡政権を孤立させるために、台湾の友好国に対して、台湾の出資を上回る莫大な経済援助をしているとの見方をする。パナマが台湾との断交を宣言したのも、近年、中国当局が中南米などで金をばら撒いた結果だとみられる。

 しかし、中国当局からの資本の受け取りを断った国もある。米国メディアによると、今年1月、台湾と国交を持つアフリカのブルキナファソの外相は、同国は中国当局からの500億ドルの「金銭的な誘惑」を断ったと明らかにした。また、同じくアフリカのスワジランドの政府高官とブルキナファソ政府高官は米メディアに対して、「利益のために、台湾を裏切ることはしない」と表明した。

 中国当局は目的達成のため、台湾と外交関係のない国まで、投資や経済援助で収らんしようとする。アフリカのナイジェリアのメディアによると、中国外交部の王毅部長が今年1月11日に同国訪問した際、中国当局が今後ナイジェリアに対して新たに400億ドル規模の投資を行うと発表した。それと引き換えに、ナイジェリア政府は、翌日の1月12日に首都アブジャにある台湾代表事務所を他の都市に移すことと事務所スタッフの人員削減を要請した。

 英BBC放送の報道では、パナマのバレーラ大統領が中国当局との国交樹立を発表した2日前に、中国国営企業の「嵐橋集団(ランドブリッジ・グループ」が出資したパナマ・コロン・コンテナ港(PCCP)の着工式に出席した。大統領は、今後中国当局がパナマ市地下鉄3号線などの重要プロジェクトを含めて、新たに7億5000万ドルの投資と、現地により多くの雇用機会を創出することを約束していると話した。

 また、パナマ政府は中国当局に対して、同国の観光業を活性化するため、中国国民によるパナマツアーの拡大を期待しているという。

 セネガル大統領が、05年に同国と台湾と断交した際、当時陳水扁総統宛ての書簡で「国家間には友情はない。利益あるのみ」と明言した。

■中国当局の狙い

 台湾と外交関係のある20カ国は主に中米に集中している。各国は近年、中国当局との経済連携が緊密になる一方だ。中で、中国当局による「金銭誘惑」で一部の国は実に、自ら中国当局との国交樹立を要請したが、中国当局に拒否された。

 原因は親中の馬英九前政権と関係する。08年に馬政権が設立された後、中国本土と台湾との関係が緩和された。馬前総統は中国当局に対して、「外交対立を停止しよう」と提言し、中国当局がそれに容認した。

 ウィキリークスが11年に発表したパナマの駐米国大使が出した外交電報によると、パナマ政府は09年に台湾との外交関係を断って中国当局と国交樹立を希望したが、中国当局に拒否された。理由は、改善されている本土と台湾との関係に害を与えたくないだという。

 ロイター通信が13年に掲載した評論記事では、中国当局は少なくとも中米5カ国からの国交樹立要請を断ったとの専門家の認識を示した。

 ロイターは、中国当局が拒否した背景には「馬政権への支持」があり、台湾有権者の馬政権への反感を高めたくない意図があったほか、もう一つの狙いは、将来、中国当局と台湾との間で新たな外交対立が生じた際、中米諸国に台湾との国交を一斉に断たせることで、国際社会で台湾を徹底的に孤立させることだと、分析した。

 しかし、国民党馬政権の親中政策に失望した台湾有権者の多くは16年の総統選挙で、蔡英文氏が率いる民進党への支持に転じた。蔡政権が発足した7カ月後の同年12月にサントメ・プリンシペが台湾との外交関係を断つと宣言した。

 蔡総統は13日午後談話を発表し、中国当局は一貫として「一つの中国」原則を振りかざし、中国本土と台湾との安定の現状に衝撃を与えたと非難し、中国当局の圧力と脅かしに絶対に妥協、譲歩しないと強く示した。

(翻訳編集・張哲)

記事提供:大紀元

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