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【注目トピックス 日本株】ダイコク電 Research Memo(1):厳しい市場環境が続くなかで増益を実現、収益構造の確立を目指す

2017年7月20日 15:33

■要約

ダイコク電機<6430>は、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売のほか、パチンコ遊技機の表示・制御ユニット及びパチスロ遊技機の開発・製造・販売等を2本柱としている。主力のホールコンピュータ分野では、デファクトスタンダードとなっている管理手法の提供等により、業界No.1の市場シェア約35%を握る。また、パチンコホールの経営を支援する業界随一の会員制情報提供サービス「DK-SIS」では、会員ホール数3,709店(2017年3月末現在)とのネットワークを形成し、同社の事業基盤を支えている。自社開発パチスロ遊技機の製造・販売にも本格参入した。

同社は、年々縮小傾向にあるパチンコ市場等を踏まえ、次世代ホールコンピュータの開発、ストック型収益モデルへの転換、自社開発パチスロ遊技機の拡大など、中長期を見据えた事業改革を推進しており、これまで一定の成果を挙げてきた。特に、積極的に取り組んできた次世代ホールコンピュータ(周辺機器を含む)の開発が最終段階を迎えている。クラウドサーバーを駆使したビッグデータ対応による高度な分析機能を備えており、他社の追随を許さない圧倒的な優位性を確立することで市場シェアの拡大を目指す方針である。ただ、足元の業績は、2015年の自主規制の影響に加えて、2016年には「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の回収・撤去の問題(以下、「回収・撤去」)が具体的に動き出したことから厳しい状況が続いている。

2017年3月期の業績は、売上高が前期比13.4%減の40,714百万円、営業利益が1,048百万円(前期は894百万円の損失)と減収ながら大幅な増益を実現した。「回収・撤去」の影響など厳しい市場環境が続く中で、売上高は情報システム事業及び制御システム事業ともに低調に推移した。特に、情報システム事業はパチンコホールの新規出店の減少や周辺機器入替への投資意欲の冷え込みなどにより大きく落ち込んだ。また、制御システム事業も、遊技機メーカーの販売スケジュールの見直しなどの影響により計画を大きく下回る結果となった。一方、利益面では、新製品の販売が好調であったことや研究開発費の一巡により大幅な増益を実現した。

2018年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比4.2%減の39,000百万円、営業利益を同24.0%増の1,300百万円と、引き続き減収ながら大幅な増益を見込んでいる。売上高は、情報システム事業が新製品の販売開始等により伸長するものの、制御システム事業の縮小が減収要因となっている。ただ、利益面では、研究開発費の減少や制御システム事業の損益改善などにより営業増益を確保する見通しである。

同社は2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Next50第一章」を推進している。中計2年目となる2018年3月期は、激変する環境変化へ対応するため、社長交代を含む新体制へ移行するとともに、収益構造の強化に向けた組織変更を行った。ただ、計数目標や大きな方向性に変更はない。次世代製品群によるシェア拡大のほか、データ分析力や企画開発力を活かした新たな価値の創出により、成長力及び収益力の向上を実現する方針である。弊社でも、次世代ホールコンピュータについては、新たな業界の課題となった「依存症(のめり込み)対策」への対応や市場環境の動向を見極めながら市場投入のタイミングを探る展開となりそうであるが、それに先立って順次リリース予定の周辺機器が、既存店向け入替需要を取り込みながら業績貢献するものとみており、安定収益の柱となってきたMGサービスの拡大を含め、市場環境に影響を受けない収益構造を確立してきたところは評価すべきポイントである。当面については、市場環境に不透明感が残るものの、中長期的な視点から圧倒的なポジショニングを活かした同社自身の成長期待に加えて、業界全体の活性化に向けた取り組みに注目したい。

■Key Points
・厳しい市場環境の中で、2017年3月期は減収ながら大幅な増益を実現
・新製品が既存店向けに好調であったことや研究開発費の一巡が収益性の向上に寄与
・2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Next50第一章」を推進
・次世代製品群による市場シェアの向上のほか、市場環境に影響を受けない収益構造の確立を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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