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【注目トピックス 日本株】澁澤倉庫 Research Memo(13):国内物流、海外物流、不動産事業とも積極経営・積極投資へ

2017年8月9日 16:25

■澁澤倉庫<9304>の中期経営計画

2. 中期経営計画のセグメント別動向
国内で6,000百万円の増収、海外で3,000百万円の増収を狙う。重点施策は国内の消費財物流と海外物流の拡大、不動産事業の資産価値向上である。

(1) 国内物流
消費財物流で2020年3月期営業収入25,000百万円(2017年3月期205億円)と2017年3月期比4,500百万円の上乗せを目指す。このため、引き続き首都圏・関西圏都市部の内陸拠点で新設・拡充を進める予定である。飲料や日用品の伸びにより前年開設の倉庫は既にフル稼働しており、新たな拠点は関東では埼玉南部(飲料・雑貨)、三郷・松戸・新船橋の既存3拠点のエリア(輸入雑貨)、千葉北倉庫の近隣(飲料)、関西では西宮(ペットフード)と神戸近隣(輸入雑貨)などが計画されている。

こうした拠点新設・拡充は、取扱量の増加だけでなく、エリア集中によって拠点間の連携が強化される効果もある(ドミナント効果)。例えば、人材や作業者の労務管理や過不足調整、季節性の強い飲料の在庫調整、WMS/TMSや長距離/地場、共同配送など陸上運送での連携強化などである。したがって、今後、消費財取扱いにおいて競争力が一段と強化されることが予想される。

今中期経営計画の先を見据え、高付加価値化やドメイン拡大を背景に新サービスも開始する。EC向け在庫・受発注管理やサイトの作成、薬事管理など顧客管理業務の代行による業域の拡大、イベント設営、内装工事・レイアウト作成、非営利機関へのサービス提供など既存サービス機能の展開拡張、TMS動態管理サービスの外販、受発注・輸出入管理システムの提供、物流情報の加工などシステム機能・情報処理サービスの提供——などである。

(2) 海外物流
既存海外拠点も業域拡大などによって競争力を強化、生産基地から消費市場へと変貌するアジアでの中長期成長に向けた事業基盤の強化を目指す。

中国では、フォワーディングから2014年にライセンスを取得した同国内輸送業務を拡充する方針。現在トラック5台を擁し利益率も想定以上に高いもようである。香港や広州との連携を強化し華南部での業容も拡大する。ベトナムでは、7万平方メートルの倉庫を有するVinafcoに2014年に出資(現在持分45%)、7月には執行役員を1名常駐させコラボレーションを強化、非日系客も取り込んでVinafco拠点を活用して内陸物流を拡大する方針。フィリピンでは、マニラの駐在員事務所を現地法人化、主力客の工場増設に対応するとともに、国内物流の取り組みもスタートさせる考えだ。

(3) 不動産事業
計画的な保守・修繕、省エネなど環境対策、ハード・ソフト両面での機能向上、ビルマネジメントサービスの高品質化によってテナント満足度を上昇させ、保有資産の価値向上と高水準稼働率の維持を目指す。

(4) 経営基盤
財務体質、コンプライアンス・CSR、リスク管理、コーポレートガバナンス、人材など経営基盤の強化によって、公正性・透明性・機動性の高い経営の実現を目指す。

(5) 投資
今中期経営計画期間中の総投資額を最大200億円に設定している。倉庫投資など計画が見えているものだけで100億円ある。それ以上の部分については、新たな案件・物件があれば対応できるように準備しておこうというのである。新たな案件・物件とは、新倉庫建設や海外を含めたM&A、不動産事業向け物件獲得などが想定される。

調達については、見えている10,000百万円についてはキャッシュフローでカバー可能と思われる。それ以上の部分については新たな借入が必要となるだろう。ただし、借入条件が改善していること、財務体質や収益性が改善していることから、リスクの高い投資とはならないと考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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