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【注目トピックス 日本株】フラベッドH Research Memo(6):メディカルサービス事業の成長戦略は、営業拠点の増強と新製品投入(2)

2017年9月15日 12:05

■事業戦略

5. 介護の労力軽減と省力化に向けた商品開発と拡販
フランスベッドホールディングス<7840>は、介護施設における人手不足、将来の介護職員の必要人数の増加、在宅の老老介護などに鑑み、介護の労力軽減と省力化に向けた製品開発と拡販に努めている。

介護保険制度が開始された2000年度の給付額は3.6兆円であったが、2016年度は10兆円を超えた。厚生労働省は、2025年度の給付額が21兆円へ増加すると試算している。月額保険料(全国平均)は、2000年度の2,911円から2016年度に5,514円へ上がり、2025年には8,165円へ上昇すると想定している。一方、3年おきに見直される介護報酬料は、過去7回のうち3回が引上げ、4回が引下げであった。2014年度は消費税増税の調整のためイレギュラーな0.63%の引上げがあったが、2015年度は2.27%の引き下げとなった。今後、人口の高齢化により受給者数が増加の一途をたどる。給付額の増加を抑制するため、介護報酬料を抑えると、介護職員の離職を招き、現場の人手不足を激化させかねない。

介護職員数は、2000年度の55万人が2013年度には171万人と3.1倍になった。要介護認定者数は、2015年の約450万人から2025年には約600万人と150万人の増加が想定されている。2025年度の介護職員は253万人が必要とされ、介護人材の需給ギャップが37.7万人に拡大するおそれがある。厚生労働省の労働経済動向調査にある「労働者の過不足状況」では、2017年5月時点の医療・福祉産業の判断D.I.が45(=「不足」50−「過剰」5)であった。正社員等労働者の不足感は、運輸業・郵便業の47に次ぐ高さであり、調査産業計の35を大きく上回った。

自立・要支援・要介護の度合いなどにより、受給者の介護サービスを受ける場所が分かれる。2016年度の介護保険受給者561万人のうち、居宅受給者が388万人と全体の69.2%を占めた。他の項目の構成比は、地域密着型受給者が14.4%、施設受給者は16.4%だった。1人当たり平均介護費月額は、居宅受給者が10.5万円、地域密着型サービス受給者が16.6万円、施設受給者が33.1万円と高くなる。健康寿命を延伸して要介護度の上昇を抑え、在宅介護にとどまることが望ましい。しかし、同居人による在宅介護では、介護を理由に離職した介護離職者が年間10万人にも上り、経済的損失が大きい。世帯当たりの人員は2.38人まで減少しており、介護する方とされる方がともに75歳以上となる老老介護が、2016年に世帯数で3割を超えた。高齢化により認知症有病率が高まるため、認知症高齢者の介護が問題となる。

同社が開発した、介護施設等や在宅で介護する人たちの労力軽減と省力化につながる福祉用具は、電動で立ち上がり補助する「リフトアップチェア」(2010年発売)、介助式電動車いす「SP40」(2011年)、座いす型「リフトアップチェア 800」(2014年)、立ち上がりサポート「リフトアップチェア01」(2015年)、「電動リフトアップ車いす」(2015年)などがある。

6. 商品開発
同社グループの魅力は、長年にわたり業界トップ企業として得た、福祉用具に関するユーザーニーズや膨大な製品群を生み出した知見やノウハウに基づく独自商品の開発力である。利用者の利便性を第一に考えているため、商品開発の領域は広く、すべての商品に大きな需要が見込めるわけではない。業界における福祉用具貸与単位数の貸与種目別割合は、特殊寝台が36.8%、車いすが21.7%、手すりが15.7%、床ずれ防止用具が7.8%、歩行器が7.3%、移動リフトが4.6%、スロープが4.3%、歩行補助つえが0.8%、徘徊感知器が0.7%、体位変換器が0.3%である。

以下に、同社の創意工夫が満ちている代表的な商品を紹介する。

(1) 「フロアーベッド」
2013年発売の超低床リクライニングベッド「フロアーベッド」は、いまだに堅調な売上げを保つヒット商品になる。ベッドの高さを電動で61cm~11cmに上げ下げできる。ベッドを下げる際に、24cmの高さで一旦停止し、足が挟まるなどの事故を防ぐよう安全性に配慮している。日中は、ベッドから車いすへの移乗や介護がしやすいように高い位置で、夜間の就寝時にはベッドからの転落の心配もない低い位置でと使い分けることができる。リクライニング機能も有する。介護する方と介護される方、両方の負担を軽減する安心・安全なベッドになる。2017年3月に、病院や介護施設等に向け、移動が容易なキャスター付き新モデルを発売した。

(2) 前後安心車いす「転ばなイス」
2016年5月に発売した「転ばなイス」は、「2016日経優秀製品・サービス賞」で日経産業新聞賞・優秀賞を受賞した。複雑な技術を用いることなく、利用者の悩みだった転倒を軽減する仕組みを実現した点が評価された。利用者が車いすのブレーキをかけ忘れて、立ち上がっても、誤って足置きの上に立ち上がっても自動ブレーキがかかり、転倒を防ぐ仕組みを内蔵した。体重が軽い人(目安として35kg以上)にも対応し、利用者の対象を広めた。

(3) 「見守りケアシステムM-2」
2017年5月に発売した「見守りケアシステムM-2」は、ベッドが療養者の状態と安全を見守り、看護負担を軽減する病院施設向けの特殊寝台になる。センサーがベッド利用者の体動や動作を検知し、ナースステーションに通知する機能を有す。「動き出し」「起き上がり」「端座位」「離床」「離床管理」の5つの通知モードから選んで設定でき、ベッドからの転倒、転落の危険性を軽減するほか、認知症の人の徘徊による事故等の予防につなげられる。また、身体を動かすことが困難な療養者の体重を毎日測ることができる「体重測定機能」や、介助時や食事の際にセンサー機能を一時停止しても再度検知を開始する「自動見守り再開機能」を標準搭載している。

(4) 「自動寝返り支援ベッド」
2017年5月に施設向けを発売し、年内に在宅向けレンタルの開始を予定している期待の新製品になる。他社に先駆けて商品化した「自動寝返り支援ベッド」は、身体を動かすことが困難な人の寝返りを支援する自動運転の寝返りサポート機能により、家族や介護従事者を始めとする介護者の負担を軽減する。寝たきりの人の床ずれ防止のため、介助者は昼夜を問わず2時間おきに体位変換をサポートする必要がある。度重なる体位変換作業は、介助者の身体的な負担が大きく、腰痛の原因となる。夜間の2時間おきの作業は大きな負担であり、介護職員の離職の原因となっている。新製品の登場は、介護従事者だけでなく、介護施設運営者にとっても朗報となる。これまで体位変換時に起こされてしまった療養者も、恩恵を受ける。

同社は、以前にも電動の寝返り支援ベッドを商品化していた。今回の新製品では、マイコンを搭載することで自動運転を可能にした。自動運転の寝返りサポート機能は、見やすい液晶表示のコントローラーで角度や時間、速度などを細かく設定でき、タイマー機能もある。操作しやすい手元スイッチによる手動運転も可能だ。背上げ角度は最大72度、脚上げ角度は24度まで上がり、ベッドの高さは最大32cmまで下がるので車いすへの移乗にも便利だ。洗髪やシーツ交換などでは、必要に応じてヘッドボードとフットボードが簡単に脱着できるように設計されている。

病院施設が導入しやすいように、特別なリース・スキームも用意している。1台からリース契約が可能で、導入しようする施設の投資負担が抑制される。介助者の負担が大きく軽減されるため、介護レンタルが可能になれば、需要は居宅にも広がることが期待できる。

最新の技術を用いて、かつて評価の高かった商品をリバイバルした。使い勝手が数段良くなっており、人手不足の時代に技術によって課題解決する典型的な例と言える。少子高齢化が、世界で類を見ないスピード進む日本は、課題解決先進国を目指している。同社は、世界的な高齢社会の広がりを好機と捉え、世界標準になり得る商品やサービスの開発を目指している。

2016年にドイツで開催された、ヨーロッパ最大の福祉・介護機器展「ドイツREHACARE」に単一日本企業として出展した。日本の介護のホスピタリティに対して一定の評価を獲得した。今年の10月に、2年連続して同見本市に出展することを予定している。「豊かさとやさしさのある」高齢社会の実現に貢献していくとともに、日本に続いて高齢化率の高いヨーロッパ諸国や、高齢化が急速に進むアジア諸国などにも通用する世界標準化となる商品開発を目指している。

(5) マットレスの新製品
同社グループは、マットレスの開発・製造に優れた実績を持つ。

a) 豪華寝台列車「TRAIN SUITE四季島」の全室に採用
JR東日本<9020>の豪華寝台列車「TRAIN SUITE四季島」の全客室に、同社のマットレスが採用された。2017年5月から運行を開始した豪華寝台列車の旅費は74万~95万円だが、すぐに2018年3月分まで完売した。同社の商品は、高密度連続スプリングに、東洋紡<3101>と共同開発した今までにないポリエステル中空三次元構造体の「ブレスエアー エクストラ®」を使用した進化系マットレスになる。高密度スプリングのマットレスは、通気性が高く、体圧分布に優れていて寝姿勢をしっかりと面で支え、快適な睡眠に導く。「ブレスエアー エクストラ®」は、高い通気性と、耐久性、信頼の抗菌防臭を兼ね備えている。

b) 「PRO・WALL(プロ・ウォール)」シリーズ
2017年6月に発売した「PRO・WALL」は、マットレスの全周にウレタンの原料となる発泡液を流し込み、スプリングと一体加工することによりマットレスの端の沈み込みを軽減した。使い勝手としては、1)マットレスの有効面積が大幅に広がるため、広々と寝られる、2)2台並べて使用しても沈み込みや隙間を軽減し、1台のマットレスのような寝心地を実現する、3)マットレスの端に強度があるため、ベッドからの立ち上がりが楽になる。

c) eコマース向け商品
近日中の発売を予定しているeコマース対応の製品は、配送しやすく、お手頃価格をコンセプトとした。折りたたみ仕様のスプリングマットレスは、押入れ収納を可能にした。また感触の異なる素材のノンスプリングマットレスを新たに開発している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

<TN>

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