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【注目トピックス 日本株】エムアップ Research Memo(2):「音楽」「エンタメ」など各種コンテンツの提供を主力事業とする

2017年9月20日 15:13

■会社概要

1. 事業内容
エムアップ<3661>は、携帯コンテンツ配信事業を主力としており、人気アーティスト等のファンクラブサイトの運営を軸に、キャラクター・アニメ等のエンタメ系コンテンツやメロディコール等の音楽コンテンツの配信などを展開している。また、PCコンテンツ配信事業やeコマース事業も手掛ける。同社の価値提供は、利用者を携帯電話やスマートフォン、PCの各媒体を通じて、コンテンツホルダー(アーティスト、音楽事務所、レコード会社、キャラクター会社等)と有機的に結び付け、ファンというロイヤリティの高い会員基盤を拡大するとともに、コンサートチケットの先行予約販売や楽曲提供を始め、デジタルコンテンツ(CD及びDVD、ブルーレイ等)やグッズまで幅広い商品やサービスを提供するところにある。

また、最近では各子会社の設立により、新しい技術(VRやARなど)を活かしたコンテンツ制作など新事業への展開にも積極的である。

なお、各事業の概要は以下の通りである。

(1)携帯コンテンツ配信事業
フィーチャーフォン及びスマートフォン向けの有料コンテンツの提供を行っており、提供するコンテンツやサービスに応じて、「音楽」、「エンターテインメント」、及び「ファンクラブサイト」の3つに大別される。

「音楽」では、着うたやメロディコール等を提供しているが、過去のブームが一巡したことで縮小傾向をたどっている。

「エンターテインメント」は、しゃべってコンシェル(しゃべってキャラ)※1やきせかえ、スタンプ、デコメールなど、人気キャラクターやタレント等をテーマにしたコンテンツを多数配信している。加えて、キャリアが展開する月額使い放題サービス向けにも積極的にコンテンツを提供しており、「ゆるキャラ®グランプリforスゴ得」※2や、「マチ★キャラとり放題forスゴ得」※3などが主力となっている。また、企画力及びコンテンツ制作力を活かし、カジュアルゲームやツール系などネイティブアプリの開発や運営も手掛けている。

※1 しゃべってキャラ(しゃべってコンシェル)は、NTTドコモが提供するスマートフォン向け音声サービスのこと。スマートフォン上に表示されるキャラクターに、やりたいことや調べたいことを話しかけることによって、端末がその言葉の意図を読み取り、情報やサービス、端末機能の中から最適な回答を画面に表示するサービスである。
※2 「ゆるキャラ®グランプリ」は、全国のご当地キャラクターに代表される「ゆるキャラ」について、人気投票により、日本一を決定する毎年恒例の祭典であり、同社が運営管理等を行っている。なお、「ゆるキャラ」は、(有)みうらじゅん事務所の登録商標となっている。
※3 マチキャラは、一般ユーザーがスマートフォン等の待受画面、メニュー画面などに設定した2Dや3Dで描かれたアニメーションキャラクターを表示させるサービス。「マチキャラ」は、NTTドコモの登録商標となっている。

「ファンクラブサイト」はアーティスト及びアイドルを始め、俳優及びタレント、スポーツ選手などの最新情報や独占コンテンツを配信する公式ファンクラブサイトを運営している。会員限定のコンテンツや楽曲配信、グッズ販売等も行っている。

携帯コンテンツ配信事業における月額課金会員の内訳は、「音楽」が約7%、「エンターテインメント」が約18%、「ファンクラブサイト」が約75%となっており、収益貢献度も会員数に比例していると考えられる。

(2)PCコンテンツ配信事業
PC端末向けの有料コンテンツの提供を行っている。「ファンクラブサイト」の運営が中心であり、スマートフォンの普及などに伴って縮小傾向にはあるものの、根強い需要によって支えられている。また、アーティストやタレントなど、コンテンツホルダーのオフィシャルサイトの受託制作も行っている。

(3)eコマース事業
PCや携帯電話端末の利用者に対し、インターネットを通じてCDやDVD等の音楽映像商品と、それに関連するアーティストグッズを中心に販売を行う。ファンクラブサイトを運営するアーティスト等の商品の直販と、大手レコード会社との提携によるレコード会社の公式販売サイトの運用管理のほか、アパレル商品等の販売も行っている。なお、アーティスト関連商品については、その時々の活動状況(新譜のリリースやイベント開催など)に業績が大きく影響を受ける特性がある。また、在庫リスクの軽減を図るため、買取販売から委託販売へ販売方法の切り替えを進めている。

事業別の構成比では、携帯コンテンツ配信事業が、売上高の80.2%、営業利益(本部勘定調整前)のほとんどを占めている(2017年3月期実績)。

有料コンテンツは、同社のキャリア公式サイトを通じて、利用者(課金会員)に提供され、その利用料(月額定額課金)が同社の収益源となっている。したがって、会員数の拡大が業績の伸びをけん引する収益モデルとなっている。また、会員からの収益は、同社とコンテンツホルダー、システム業者との間で分配(レベニューシェア)する仕組みとなっている※。一方、キャリアが展開する月額使い放題サービス向けの提供サイトは、アクセス数に応じてキャリアから収益分配が行われている。

※同社は、システム開発費用が発生するサイトを開設する場合は、サイト開設以後の課金収益の中から、あらかじめ定めた料率で、システム業者に分配する方式を採用している。開設時点における開発費を抑制するとともに、システム業者からの最大限の技術の提供を受けるところに狙いがある。

2. 沿革
同社は、代表取締役社長の美藤宏一郎氏によって、携帯電話端末及びPC端末向けの有料コンテンツの提供及び通信販売を行うことを目的として、2004年12月に設立(本社は渋谷区)された。

携帯電話の普及やIT環境の進展に伴って携帯コンテンツ市場が拡大する中、着うたを中心に同社の業績も順調に推移した。特に、キャリアの新サービス提供が同社の業績に大きく影響した。2006年10月には、自社がコンテンツプロバイダーとなるキャリア公式サイトとして、メロディコールを提供する「アーティスト公式コール」を開設。また、2007年2月には、アーティストやタレントに関連するファッションを中心に取り扱うセレクトショップ「ROYAL Roc」をキャリア公式サイトとして開設し、eコマース事業を開始した。さらに、2007年7月には、「アーティスト公式デコメ」キャリア公式サイトを開設し、音楽以外のコンテンツ分野にも進出した。

同社にとって、大きな転機となったのは、2008年9月に、「GLAY MOBILE」をキャリア公式サイトとして開設し、ファンクラブサイトの運営を開始したことである。芸能界に精通した同社の特徴が活かせる分野であるとともに、ロイヤリティの高いファン層を有料会員として囲い込むことで、技術や市場動向に影響を受けづらい安定的な事業基盤を確立することができた。特に、ファンクラブサイトからCD、DVD、アーティストグッズの直販サイトに誘導することで、eコマース事業とのシナジー効果を発揮できたことが同社の成長をけん引することになった。

2012年3月に東証マザーズに上場。2012年5月には、アドウェイズ<2489>より、韓流サイトなどを運営していた(株)アドウェイズ・エンタテインメントの全株式を取得して子会社化(2013年5月に吸収合併)。2013年9月に東証1部に市場変更となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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