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【注目トピックス 日本株】グリムス Research Memo(7):「2017中期経営計画」を発表、小売電気事業を原動力に成長を目指す

2017年9月22日 16:07

■中長期の成長戦略

1. 電力市場の動きとグリムス<3150>の成長戦略
電力市場の制度面では、2016年4月から小売の全面自由化が実現した。今後は、2019年10月に住宅用太陽光発電の固定価格買取制度(FIT:現行の自家消費分を上回る余剰電力を電力会社が固定価格で買い取る制度)の保証期間が切れはじめる。さらに、2020年には、省エネ基準適合住宅の義務化(住宅を新築する際に新しい省エネ基準に適合させること)が実施される予定である。

電力市場では、小売全面自由化を受けて新たに多くの企業が参入し、価格競争が激化しており、規模追求型と差別化追求型の2極化が進展している。今後は、FIT切れを受けて、蓄電池の重要性が増し、価格低下による大量普及が予想される。また、省エネ基準適合義務化に伴い、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス:外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅)の普及が見込まれる。

同社では、これまでエネルギーコストソリューションと小売の融合を事業戦略の基本としてきた。今後は、制度・電力市場の変化に対応して、スマートハウスプロジェクトと小売の融合や、蓄電池販売の商流の多様化にも注力する方針である。

電力市場の環境変化を消費者の視点から眺めると、これまでは価格に基づく消費が基本であったが、今後は買う、発電する、貯める、使うといった複合的な要素に基づく消費が主流になると考えられる。これに伴い、電力会社の収益機会は、従来の個々の商品の販売から、今後は多様なエネルギー関連商品やサービスからのベストミックス提案に移ると予想される。こうした市場環境・収益機会の変化を反映して、同社の市場戦略は、従来の販売価格とサービスの優位性から、今後は価格・サービスに加え、積極的なアライアンスにより企画力・提案力の優位性を追求することで、差別化を図る方針である。

このように予想される制度面や電力市場の変化に対応して、同社では持続的な成長に向けて経営方針を転換している。すなわち、従来はエネルギー商材の目利き力を活かした営業力を強みに、他社商材の販売への特化を戦略とすることで、フロー収益とストック収益を構築してきた。今後は、エネルギー商材の営業力と顧客基盤を活かした企画力を最大限に活用し、他社商材の販売と自社サービスによるバリューチェーン結合を基本戦略として、フロー収益とストック収益のベストミックスを図る方針である。

2. 新中期経営計画の定量目標
同社では2017年6月28日に「2017中期経営計画」を発表した。今後3年間は、これまで築いてきた顧客基盤を活用し、新たな事業領域としてスタートした小売電気事業を推進することで、売上と利益の増加を目指す。2020年3月期には、売上高15,100百万円(2017年3月期実績比2.12倍)、営業利益1,300百万円(同1.73倍)、経常利益1,318百万円(同1.64倍)、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円(同1.58倍)への拡大を計画する。

3. 事業別の戦略
エネルギーコストソリューション事業では、既存事業を着実に拡充していき、電力の取次の新規開拓を推進することで、リプレイス収益や電力取次手数料といったストック収益の強化を図り、収益基盤を強化する。また、既存顧客へのLED照明等のクロスセルを促進し、収益力の増強を図る。2020年3月期には売上高3,831百万円(2017年3月期実績比1.14倍)、全社費用控除前の営業利益1,003百万円(同1.11倍)を見込む。

スマートハウスプロジェクト事業においては、引き続き催事販売による住宅用太陽光発電システムの販売拡充や蓄電池のセット販売を強化するとともに、ハウスメーカー等との提携販売の推進や、VPP参画により、収益機会を拡大する。2020年3月期に売上高4,103百万円(2017年3月期実績比1.11倍)、全社費用控除前の営業利益299百万円(同1.28倍)を計画する。

中期利益計画を達成するうえでの原動力である小売電気事業は、割安な電気を供給するのはもちろんのこと、これまでエネルギーコストソリューション事業にて開拓してきた既存顧客への販売に注力することを戦略とする。電力コスト削減のコンサルティングにより実際に電力コストの削減を体感している顧客を対象とするため非常に成約率が高く、電力の小売を開始してからの成約率が約80%で推移していることからも、顧客満足度が高いことが分かる。また、一般家庭に比べて負荷率が低く電力使用量が多い事業者を対象としているため、他の小売電気事業者に対し収益性の面で差別化を図っている。そのように、顧客基盤を活用した販売を促進することで、同社グループ全体の強みを最大限生かし、売上高及び利益を拡大することを計画している。2020年3月期には売上高7,165百万円とセグメント中で最大規模になり、営業利益も537百万円に成長し、同社全体の増収増益に大きく貢献すると予想する。

同社は、小売電気事業の売上高が2018年3月期は1,670百万円、2019年3月期は4,800百万円、2020年3月期は7,165百万円へとセグメント中で最大規模への拡大を予想する。一方、営業利益段階では、2018年3月期は134百万円の損失を予想するものの、2019年3月期は247百万円の利益、2020年3月期には537百万円の利益に急増する見通しである。今後3年間は、エネルギーコストソリューション事業とスマートハウスプロジェクト事業では売上高・利益ともに緩やかな増加にとどまるのに対し、小売電気事業の急成長が同社全体の成長に大きく貢献する見通しである。

2016年4月からの電力小売全面自由化により、同社にとって電力市場は拡大すると見込まれる。同社グループは一般家庭や町工場等が対象の低圧電力市場(契約電力50kW未満)から、工場、スーパー、ビル等が対象の高圧電力市場(同50kW以上)までの全ての領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。低圧電力から高圧電力まですべてにラインアップを備えており、かつ営業力もあるのが同社グループの特徴である。

現状、同社グループは低圧需要家(電子ブレーカー)約4万2千件、高圧需要家(電力取次)約1,400件、一般家庭(太陽光発電)約1万2千件など豊富な顧客基盤を有する。また、既存顧客(低圧需要家)へ小売提案を行う際の電力会社からの乗り換え率約80%と、高い顧客満足度を実現している。さらには、住宅用太陽光発電の2019年問題(現行の自家消費分を上回る余剰電力を電力会社が買い取る制度が、制度導入から10年後の2019年10月に保証期間が切れはじめる問題)により蓄電池市場が急拡大すると見込まれるなか、同社グループは2016年には蓄電池約1千台を販売し(市場全体では約4万台)、成長分野への展開力に優れている。弊社では、同社グループの強みである「豊富な顧客基盤」、「高い顧客満足度」、「成長分野への展開力」を活かせば、会社計画を上回る業績の達成も可能と考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

<NB>

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