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【注目トピックス 日本株】3Dマトリック Research Memo(5):止血材はオーストラリア、欧州での販売が拡大

2017年10月3日 9:05

■スリー・ディー・マトリックス<7777>の業績動向

2. 止血材の開発・販売状況
2018年4月期第1四半期における止血材「PuraStat®」の売上高は66.2百万円となった。地域別で見ると、欧州向けが前年同期の6.4百万円から27.4百万円(会社計画24百万円)、アジア・オセアニア向けが同0.8百万円から37.6百万円(同15百万円)、中南米向けが同0.6百万円から1.1百万円(同1百万円)といずれも増収となった。特に、アジア・オセアニア向けは前年同期比、会社計画比ともに大きく伸長した。地域別の動向については以下のとおり。

(1) 欧州地域
a) 販売動向
欧州の売上高は主要各国の有力医療施設における販売が進んだほか、スイスや北欧での販売実績も出始め、会社計画を若干上回るペースで推移した。前第4四半期比では7百万円の減収となったが、納入時期のずれによる影響もあり、誤差の範囲内と同社では見ている。受注は毎月継続的に入っているほか、フランス、オランダを営業エリアとするPENTAXが第2四半期から販売開始予定であること、また、会社計画には織り込んでいなかったイタリアやスペインの一部公立病院で入札が8月に実施され、これら病院向けへの販売も見込まれることなどから、売上高は拡大基調が続くものと予想される。用途としては内視鏡手術に加えて、心臓血管外科領域での使用も増えてきている。

なお、欧州で進めている独占販売ライセンス契約の交渉については、候補企業3社との協議を継続している。契約締結に向けて欧州やオセアニア市場における販売・使用実績データの積み上げが求められている状況に変わりない。

b) 後出血予防材の開発状況
欧州では「PuraStat®」の適用拡大として、後出血予防材としてのCEマーキング取得を目指している。現在、英国のポーツマス病院で臨床試験(90症例)を実施中で、2017年秋頃に試験を完了し、その後に再申請を予定している。早ければ2018年春頃にもCEマーキングを取得できる可能性がある。

c) 次世代止血材の開発状況
欧州では次世代止血材の開発も進めている。動物試験を完了しており、現在は臨床試験に向けたプロトコルの策定作業を進めている段階にある。次世代止血材については欧州のパートナー企業で2017年秋頃までに治験用製造設備が整う見通しとなっており、今後、臨床試験計画届を提出し、早ければ2018年4月期中に臨床試験を開始したい考えだ。

なお、次世代止血材の開発が順調に進めば、「PuraStat®」の製品価値が相対的に低下するため、欧州での独占販売ライセンス契約交渉に影響を与えることが懸念されるが、同社では次世代止血材も含めた形での契約交渉も進めており、契約交渉において支障は生じないと考えられる。ただ、止血効果の高い次世代止血材が2~3年後に上市するのであれば、「PuraStat®」の売上げ成長スピードが当初の想定より鈍化する可能性はある。特に多くの止血材製品がある外科領域において、「PuraStat®」に置き換える必然性がどの程度あるのか不透明なためだ。ただ、次世代止血材では「PuraStat®」よりも止血効果が高く、取り扱いが簡便なこと(常温保存が可能)、コストも低いことから、現在の競合品から置き換わる可能性は一段と高まるものと思われる。一方、「PuraStat®」については後出血予防材としての市場拡大が見込まれている。このため、将来的には両製品がそれぞれの特徴を生かせる領域において成長していくものと弊社では予想している。

(2) アジア・オセアニア地域
アジア・オセアニア地域では主力市場であるオーストラリアで売上高が大きく伸長した。耳鼻咽喉科向けで癒着防止効果を持つ止血材としてKOLから高い評価を受けたこともあり、導入する医療施設が広がってきたこと、また、販売代理店であるMaquet Australia Pty Ltd(以下、Maquet)が2017年以降、腹腔鏡手術や心臓血管外科領域での営業活動も本格的に開始したことが売上増につながっている。Maquetからの受注は第2四半期に入ってからも継続的に入っているため、今後も会社計画を上回るペースでの売上増が見込まれる。オーストラリアにおける耳鼻咽喉科領域の止血材の市場規模は20~40億円と推定され、同領域だけでも今後の販売ポテンシャルは大きいと言える。

また、香港やインドネシアでも少量ながら継続して販売が続いている。韓国については現在、CEマーキングの取得申請中との状況に変わりなく2018年4月期中の承認を見込んでいる。承認された段階でマイルストーン収益50百万円を獲得できることになる。

(3) 中南米地域
中南米地域(ブラジル、チリ、メキシコ等)では、現地の販売代理店と販売契約を締結し、販売活動を行っている。2018年4月期第1四半期はブラジルで計画どおり1.1百万円の売上げを計上し、第2四半期についてはチリでの受注が見込まれている。ただ、第2四半期の売上計上見込みはなく、第3四半期以降その他の国も含めて販売が進む見通しとなっている。

(4) 日本
日本では消化器内視鏡治療の領域に限定して、従来の止血法との有効性比較を行う臨床試験を開始している。2017年8月に第1例目の施術が実施されており、現在は複数の医療施設で治験が進んでいる。おおむね1年程度で臨床試験を完了し、製造販売承認申請を行う予定となっている。臨床試験の進捗状況次第であるが、早ければ2018年4月期中に製造販売承認申請を行う可能性もある。内視鏡手術領域は既に欧州で実績を積み重ねていることから、承認取得の可能性は高いと弊社では考えている。

製造販売承認申請後の審査期間は平均で約15ヶ月とされており、早ければ2019年夏、遅くとも2021年4月期の早い段階で承認される可能性がある。承認取得時には販売ライセンス契約先である扶桑薬品工業からマイルストーン収益800百万円を得られることになっているが、今回は契約の適用範囲である3領域(他は心臓血管外科、臓器出血領域)のうち1領域に限定されるため、受領額については今後の交渉で決めていくものと思われる。また、ほかの2領域については今後、PMDAとの協議を同時並行で進めていく格好となる。

(5) 北米地域
米国については止血材についてFDAとプロトコル設定に関する協議を進めているが、今回、新たに癒着防止材の開発を進めていくため、FDAとの協議を開始したことを明らかにした。既にオーストラリアで癒着防止材としての導入が進んでおり、医療現場でのニーズが強いことが確認されたこと、止血効果と癒着防止効果を併せ持つ同様の競合品がないことなどから、製造販売承認を取得できる可能性が高いと予想される。今後、臨床試験のプロトコルを策定し、2018年4月期中に臨床試験計画届の提出も見込まれる。

カナダについては現在、CEマーキングの取得申請中で、2018年4月期中の取得を見込んでいる。製品登録承認が得られれば、現地販売代理店と契約締結すると同時に製品販売を開始する予定となっている。

(6) 中国
中国では、2017年4月にCPCと中国市場における開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結しており、今後はCPCが臨床試験などの開発を進めていくことになる。現在は、CPCと製品特性等のデータ確認作業を進めている段階で、今後の開発スケジュールに関しては未定となっている。今後、中国市場で止血材が上市されれば、製品販売額の一定割合のロイヤルティ収入を複数年(5年以上)にわたり受領する契約となっている。CPCは同社のペプチド原材料の仕入先の1社で、ペプチドの研究開発分野では世界的なリーダー企業の1社として知られている。親会社であるGuizhou Xinbang Pharmaceutical Co.Ltd.(ヘルスケア分野のコングロマリット)の傘下には複数の医療施設や医薬品メーカーがあり、製品上市後はスムーズな拡販が可能と見られる。

中国の医療機器市場の年平均成長率は約22.5%、外科手術件数は約11%で拡大を続けている。現時点での止血材市場は年間で約200億円超と推定されているが、今後、医療技術の向上や手術件数の拡大に伴って止血材市場も高成長が続くことが見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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