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【注目トピックス 日本株】エコモット Research Memo(4):強みは「つなぐ力」「構築力」「組織力」(2)

2017年10月4日 16:04

■エコモット<3987>の事業概要

4. コンストラクション ソリューション「現場ロイド」
建設情報化施工支援ソリューション「現場ロイド」は、2009年以来、約5,000件の工事現場に設置され、工事現場の安全性向上、業務効率化、品質向上に大きく貢献している。屋外に設置した環境センサーやネットワークカメラからのデータにより、建設現場を見える化する。センサーによる常時警戒や、異常を検知してからの迅速な警報発報は、コストや精度など多くの面で人が行う作業を凌駕する。同社は、土木建築や災害の現場において、管理者や作業員がより高度で本質的な働きに集中できるよう、ワイヤレスコネクティビティ技術で現場を足元から支える。

収入形態は、工事期間の機器レンタル料とサービス利用料になる。1件当たりの平均月額利用料は約10万円で、平均3ヶ月程度利用される。同サービスはパッケージ化されていることから、建機レンタル業者等の販売店経由で提供する。保安安全用品の販売及びレンタル事業を行う(株)仙台銘板が最大の販売店であり、2017年3月期の仙台銘板への売上高依存度は、21.9%であった。

業務効率化の実現や安心安全の確立をサポートする約300種類のサービスラインナップをそろえている。サービス事例としては、遠隔クラウド計測システム、遠隔監視カメラシステム、コンクリート養生温度管理システム、ワイヤレス警報検知システムなどがある。

国土交通省は、新技術活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)を整備している。NETISは、国土交通省のイントラネット及びインターネットで運用されるデータベースシステムである。公共工事等において総合評価落札方式の場合、NETIS登録技術を提案することで加点対象となる場合がある。NETISの本格運用は2006年8月に開始され、更なる普及促進のため2014年4月に制度改正が行われた。

「現場ロイド」は、6技術がNETIS登録されており、多くの公共事業に導入されている。国交省やゼネコンなど、上位工程に対する情宣活動を行う。

NETIS登録製品の「おんどロイド」を紹介する。打設したコンクリートは打ち込み時の状態から硬化する過程で熱を発するため、すでに硬化して冷えた表面部分と、硬化中で熱を持った内部とで過度な温度差が発生すると、膨張率の違いから表面にひび割れが生じてしまう。そのため、コンクリートの品質管理のためには、温度計測が不可欠になる。「おんどロイド」は、温度の24時間計測、計測値の遠隔確認、異常の警報及びメールによる通知等を可能にする。

コンクリート養生温度管理をするために、コンクリート温度のほか、コンクリート養生仮囲い内の気温、外気の温度と3種類の温度計測を同時に行い、養生中のコンクリート温度が適切かどうかを24時間常時計測する。データは携帯電話網を使い自動収集されるため、データ回収のための移動が不要になる。

仮囲い内の気温を維持するためのヒーターにトラブルが起き、あらかじめ設定していた上限・下限温度をオーバーしたときは、システムに接続された各種警報器(パトランプ、ブザー、サイレン、電光板等)との連動により、周囲に光や音で周知され、早期対応を促す。異常通知は、登録されている担当者宛てにメールで配信される。従来システムでは、測定温度は計測器内に記録されるだけで、そばに監視員を配置する以外に異常値を即座に知る手立てがなかった。工事時間外や深夜、土日などの休工日に異常が発生した場合は、対応ができない。「おんどロイド」はそうした問題を解決し、優れたコンクリート品質を確保することに貢献する。また、養生中のコンクリート温度を計測する温度センサーは、従来方式では生コンクリートに直接埋め込まれるため、使い捨てにされていた。同社は、熱電対センサーを使用することで、繰り返し使用することを可能にし、ランニングコストを抑えた。

おんどロイド以外にも各種アナログデータの遠隔計測システムを提供しており、夏に集中豪雨が発生した九州へのサービス提供でも高い評価を得た。雨量計や水位計、現場の軟地盤の傾斜を監視するための伸縮計などアナログデータが遠隔監視された。アナログデータ計測システムの主力製品である「クラウドロガー」は、NETIS登録されている。

5. GPSソリューション「Pdrive」
GPSソリューション「Pdrive」は、モバイル通信機能を搭載した高性能ドライブレコーダーになる。ドライブレコーダー内蔵カメラが撮影した危険運転の動画がプッシュ送信され、管理者はスマートフォンやパソコンでいつでもどこでも危険運転をチェックできる。危険運転の「見える化」で、ドライバーに安全運転意識の向上を促し事故を未然に防ぐ効果が出ている。

IoTシステムである「Pdrive」は、設置が簡単で、データ管理に手間がかからず、確認もWebブラウザがあればいつでもどこでもできる。一方、既存のドライブレコーダーは自動車の計器からデータを取得するタイプが多く、設置が大変な上、データが各車両のドライブレコーダーのSDカードに残される。専用ソフトをインストールしたパソコンでなければ確認できず、リアルタイム性がない。

「Pdrive」を採用した車両50台を保有する歯科資材卸売会社の場合、年間事故件数が導入前の7件から1件に減少した。その結果、事故対応諸経費は30万円から5万円へ、年間保険料は728万円から582万円へと20%節減できた。

日本の法人車両は、約1,000万台あると言われている。デジタルタコメーターの装備が進んでいるが、ドライブレコーダーの普及率は低い。同分野においてトップのオリックス<8591>の販売台数は、約10万台に過ぎない。「Pdrive」の出荷実績は1.5万台まで伸びている。

6. 事業系統図と経営方針
IoTシステムの構築は、モノが介在する現実社会とインターネットのサイバー空間をカバーするため、各分野で優位性を持つ企業とのアライアンスが必要となる。同社は、得意とする「つなぐ力」「システム構築力」「組織力」などの領域でエッジを効かせた製品やサービスを提供することで、年率17%程度の成長が予想されている国内IoTサービス市場で成長機会を取り込む意向だ。IoTプラットフォームを自社開発しているが、クラウドインフラとしては、アマゾンのAWSやマイクロソフトのMicrosoft Azureを利用している。アマゾンからは、札幌に本店を置く企業としては初めてテクノロジーパートナーとして認定された。日本マイクロソフト(株)からは、シルバーパートナーの認定を受けた。電気通信工事分野で業界トップのコムシスホールディングス<1721>傘下の日本コムシス(株)と、パートナー関係を築いている。

7. 季節要因
同社は4つの主要なソリューションのうち、3つが下期偏重のため、上期の業績が損失となり、下期の利益で通期の黒字化を果たす季節的なパターンが見られる。モニタリングソリューションは、創業事業であるロードヒーティング遠隔監視代行サービスの提供期間が冬季の12月から3月までに限定される。コンストラクションソリューションは、公共工事現場に対するサービス提供が中心であるため、9月から11月にサービス提供及び売上高の計上がピークを迎える。また、IoTシステムの受託開発であるインテグレーションソリューションは、多くの顧客が決算直前期の納品を希望することから、第4四半期に納期が集中する傾向がある。一方、GPSソリューションの「Pdrive」は、他ソリューションほどの季節要因はない。2017年3月期下期より新たなOEM先への供給を開始したため、同期はたまたま下期偏重となった。今後の方針としては、パッケージサービスメニューを拡充することで他業界の顧客を増やし、新規市場を開拓する。今期に入って、協働先と東京、大阪でIoT関連のセミナーを開催している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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