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【注目トピックス 日本株】アップル Research Memo(6):いすゞ自動車との資本業務提携による新たな事業の方向性(1)

2017年10月23日 15:16

■アップルインターナショナル<2788>の中長期の成長戦略

1. いすゞ自動車との資本業務提携
2017年5月に、いすゞ自動車と資本業務提携を結んだ。資本提携として、5月末の払い込みで、いすゞ自動車を割当先として新株138万株(発行済株式総数の9.97%に相当、1株当たり発行価格291円)の発行を伴う第三者割当増資を行った。業務提携としては、両社で具体的施策の策定中であるが、国内ではアップルオートネットワークが展開するフランチャイズチェーンによるいすゞ自動車製中古商用車の買取・流通の促進になる。海外では、いすゞ自動車タイ製のLCV(ピックアップトラック)事業における新興国を含めた中古車輸出の販路拡大を協働する。

いすゞ自動車は、日本において「いすゞモーターオークション会場」を千葉県の幕張会場、兵庫県の神戸会場、福岡県の九州会場の3ヶ所で運営している。同社グループのフランチャイズチェーンによるいすゞ自動車製中古商用車の買取りとオークションへの出品を期待している。

2. いすゞ自動車との海外事業
同社はタイに中古車輸出会社の設立準備を進めており、今回の資本業務提携によりいすゞ自動車タイ製中古商用車を積極的に扱う方向性が示された。

(1) 右ハンドル国
日本と同じ右ハンドル国は、英連邦の国になる。タイが参加するASEANでは、シンガポール、インドネシア、ブルネイ、マレーシアが右ハンドル国である。ASEAN自由貿易地域(ASEAN Free Trade Area:AFTA)は、2015年12月にASEAN経済共同体(ASEAN Economic Community:AEC)に高度化し、2016年から加盟国間の関税が撤廃された。加盟国は、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアであり、中でもタイは東南アジアの自動車産業のハブ拠点となっている。

OICA(国際自動車工業連合会)の世界自動車統計によると、2016年の四輪車の登録・販売台数は9,385万台で、内訳は乗用車が6,946万台、商用車が2,439万台であった。右ハンドル国は、全体の17.8%、1,674万台であった。うち商用車が330万台と19.8%を占めた。地域別では、右ハンドル国の商用車の需要は、アジア・オセアニア・中東地区に集中しており、264万台と約8割を占めた。

(2) 右ハンドル車におけるタイの重要度
2016年の生産台数を、右ハンドル国の国別で見ると、日本がトップで920万台であった。次いでインドの448万台、3番目にタイの194万台となった。ただし、商用車に限定すると、日本の133万台に、タイが113万台で続き、インドは81万台であった。トヨタ自動車は、新興国戦略車であるピックアップトラック「ハイラックス」の日本国内販売を終了していたが、2017年9月に13年ぶりにタイ製車両を輸入することで再開すると発売した。右ハンドルの商用車に関しては、タイの重要度が高い。

新興国においては、人と荷物を同時に運べるピックアップトラックの需要が大きい。タイ工業連盟によると、2016年の生産台数は194万4千台、国内販売が76万9千台、輸出が118万9千台であった。国内販売のうち商用車が48万9千台と半分以上となり、そのうちの1トンピックアップトラックだけで39万4千台と全体の実に51.3%を占めた。

(3) いすゞ自動車は、タイにおける1トンピックアップトラックの販売台数シェアがNo.1
タイが右ハンドル国ということもあり、日系メーカーが市場を席巻している。2016年のメーカー/ブランド別販売台数シェアは、トップのトヨタ自動車が31.8%、続くいすゞ自動車が18.6%、3位の本田技研工業<7267>が14.0%であった。以下、三菱自動車工業<7211>が7.2%、日産自動車<7201>が5.6%、マツダ<7261>が5.5%、フォード(米)が5.3%、スズキ<7269>が3.0%、Chevrolet(米、GM)が1.9%、日野自動車<7205>が1.7%、その他が5.4%であった。日系の合計は87.4%に達している。

1トンピックアップトラックに限定すると、2017年1月-8月累計の販売台数では、いすゞ自動車が35.1%のトップシェアを獲得した。トヨタ自動車のシェアは31.1%で、3位にはフォード(12.2%)が入った。

1トンピックアップトラックやSUVを含む商用車のメーカー/ブランド別シェアの推移を見ると、2012年ではトヨタ自動車の38.1%に対しいすゞ自動車が27.9%と大きな差を開けられていた。その後、差が縮まり、2016年時点では32.1%対29.3%と僅差になった。2017年1月-8月累計では、いすゞ自動車が31.1%とトップに立ち、トヨタ自動車(26.7%)を逆転した。

2017年1月-8月累計のメーカー/ブランド別販売台数のうち1トンピックアップトラックが占める割合は、いすゞ自動車の91.3%に対しトヨタ自動車は57.0%であった。FordとChevroletの1トンピックアップトラックへの依存度は、それぞれ93.4%と95.5%と高い。

今回の資本業務提携により、いすゞ自動車はタイ製1トンピックアップトラックの中古車がタイ国内で同社グループ企業が運営するオークション会場において取引が活発化されるだけでなく、輸出への販路が広がることを期待している。販路拡大により、中古車の価値が高まり、ひいては新車販売が促進されることになる。一方、仕入れが成功のカギとなる中古車流通において、同社グループにとって人気のタイ製いすゞ自動車が仕入れやすくなる。オークション会場事業への出品台数の増加だけでなく、同社がタイで設立準備をしている中古車輸出会社にとっても取引量拡大につながることが見込まれる。

3. ASEAN諸国への事業展開
同社は、タイにおける成功モデルを右ハンドルの周辺諸国に水平展開することを計画している。同社グループのオートオークション会場は、タイにおいて最大手となっている。オートオークションにとって、出品される車両の査定が客観的に行われることが重要になる。同社は、日本の中古車買取業務や日本からの中古車輸出、タイにおけるオークション会場の運営を通して車両査定の標準化を行ってきた。今後、タイの近隣諸国にタイで実現した成功モデルを水平展開する。ITシステムを利活用したオートオークション事業が確立されていない国では、早期の進出により同社の査定基準を業界のデファクトスタンダードとし、ITシステムをベースとしたオートオークションの運営の浸透を目指す。

現在、年内を目標にマレーシアでオートオークション事業に関連する子会社の設立を進めている。タイではオークションに出品される車両の8割以上が金融機関によるため、タナチャート銀行グループを同国におけるパートナーとした。マレーシアでは、現地の既存オートオークション会場企業と組むことを検討している。この方式では、現地でオークション会場設置のために用地買収や新たに施設建設の手間が省け、短期間の事業立上げが可能となる。また、同社の強みとする査定標準化などのオペレーションとITシステムの運用に特化できる。オークション会場に足を運ばなくて済む、ネット経由による入札機能のニーズは高い。ITシステムに関しては、タイの設備を利活用できる。このため、少ない資本と低いリスクにより、オークション手数料やシステム利用料などの安定した収益を得ることができると目論んでいる。マレーシアの展開次第で、インドやインドネシアなどの右ハンドル国への進出が検討されることになるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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