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【注目トピックス 日本株】アウトソシング Research Memo(7):2017年12月期上期も期初予想を上回るペースで順調に拡大

2017年10月26日 15:27

■決算動向

2. 2017年12月期上期決算の概要
アウトソーシング<2427>の2017年12月期上期の業績(IFRS)は、売上収益が前年同期比84.4%増の105,811百万円、営業利益が同50.5%増の3,562百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同135.0%増の1,529百万円と期初予想を上回る大幅な増収増益となり、売上収益、利益ともに過去最高(半期ベース)を更新した。

売上収益はすべての事業が順調に伸びた。売上収益の増収分(約484億円)の内訳は、オーガニック成長が約280億円、M&Aによる寄与が約204億円(買収後の業績向上分を含む)となっている。特に、「海外事業」が大きく拡大したのは、前期にM&Aした豪州、英国、マレーシアの各企業が期初から寄与したことや、当期にM&Aした欧州(ドイツ)企業が新たに上乗せされたことによる。一方、国内においても、「国内技術系アウトソーシング事業」が独自の人材教育カリキュラムの活用等により伸長したほか、「国内製造系アウトソーシング事業」も「2018年問題」を目前に控えて、PEOスキームが大きく伸びてきた。「国内サービス系アウトソーシング事業」も、当期にM&Aしたアメリカンエンジニアコーポレイション(以下、AEC)とのシナジー創出などにより、国内米軍基地向けの事業が順調に拡大している。

利益面でも、増収効果や顧客単価の値上げ等により大幅な増益を実現した。ただ、営業利益率が3.4%(前年同期は4.1%)に低下したのは、グループガバナンス体制の強化のための費用増のほか、一部の事業において需要拡大に向けた先行投資を行ったことが理由である。

財政状態は、資産合計が、M&Aによる影響を含め、「現金及び現金同等物」や「のれん」等の増加により前期末比28.3%増の115,942百万円に拡大した一方、「親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)」も内部留保の積み上げのほか、新株予約権の行使に伴う資本増強により同90.4%増の24,046百万円に大きく拡大したことから、「親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)」は20.7%(前期末は14.0%)に改善している。なお、のれん計上額は前期末比48.7%増の39,118百万円に増加した。

キャッシュ・フローの状況については、「営業キャッシュ・フロー」が「税引前四半期利益」の増加等により大きくプラスとなった一方、「投資キャッシュ・フロー」は引き続きM&Aの影響によりマイナスの状態(マイナス幅は縮小)が続いている。また、「財務キャッシュ・フロー」は新株予約権の行使(約105億円の資金調達)によりプラスとなったことから、それらの結果として、「現金及び現金同等物」の四半期末残高は大きく増加した。

主な事業別の業績は以下のとおりである。

「国内技術系アウトソーシング事業」は、売上収益が前年同期比23.9%増の23,315百万円、営業利益が同14.6%減の743百万円と増収減益となった。技術者不足が顕著なIT産業や土木建築産業を中心として、KENスクールを活用した未経験者を教育して配属するスキーム等により採用人数を伸ばすことができた。2017年6月末の外勤社員数は7,161人(前期末比1,095増)に増えたが、そのうち、KENスクールによる教育後配置人数が660人(通期計画1,300人)と順調であったほか、労働者派遣法の改正に伴う業界淘汰の取り込みが158人(通期計画315人)、2017年4月の新卒採用が約550人(当初計画450人)※とすべての手立てが計画どおりに進捗している。一方、利益面で減益となったのは、4月から6月までは新卒採用者がコストセンターとなることが理由(一時的な季節要因)であり、7月からは増益基調へ戻っている。

※需給に応えるため、当初計画450名を超える採用を行った。なお、前年(2016年4月)の新卒採用者実績は400名弱であった。計画及び前年を上回る新卒採用を行ったことで、当事業セグメントの上期までの営業利益は前年同期比で減益となった。

「国内製造系アウトソーシング事業」は、売上収益が前年同期比37.6%増の21,258百万円、営業利益が同66.9%減の337百万円と増収ながら特殊要因により大幅な減益となった。2つの「2018年問題」を目前に控え、期間社員から派遣社員への転換ニーズが顕在化するなかで、PEOスキームが大きく伸長し、メーカー直接雇用の期間社員から派遣社員への転籍が拡大した。2017年6月末の外勤社員数は10,293人(前期末比1,260人増)に増えたが、そのうち、PEOスキーム在籍は7,072人(前期末比1,553人増)となっており事業セグメント全体の70%弱を占めるまでになってきた。もっとも、メーカー側の調整等により、本格稼働の時期が同社の思惑よりも若干出遅れた(1月からの稼働見込みが5月にずれ込んだ)格好となったようだ。したがって、下期は上期以上の伸びが見込まれる。一方、利益面で大きく減益となったのは、当事業セグメントでホールディング機能経費を負担していることによるものである。特に、グループガバナンス体制の強化に向けた費用増が特殊要因として利益を圧迫した。なお、ホールディング機能経費を戻し入れた当事業セグメントの営業利益は1,516百万円(前年同期は約1,300百万円と推定)となり、増益を確保しているようだ。

「国内管理系アウトソーシング事業」は、売上収益が前年同期比22.5%増の436百万円、営業利益が同51.6%減の48百万円と増収減益となった。国内の労働力不足や「2018年問題」による期間社員縮小の代替として、外国人技能実習生の活用ニーズが増加している。2017年6月末の管理人数は3,480人(前期末比2,002人増)に増加し、そのうち外国人技能実習生は2,693人となっている。外国人技能実習生に関する法の改正内容が不明確であったことから、一時的な停滞がみられたものの、内容が明確化したことにより、下期以降では更なる受注拡大が見込まれる。また、利益面で減益となったのは、管理受託の対象が日本人から外国人実習生へ移行したため、その立ち上げコストによるものであるが、下期には改善する見通しである。

「国内サービス系アウトソーシング事業」は、売上収益が前年同期比213.4%増の4,624百万円、営業利益が253百万円(前年同期は80百万円の損失)と増収増益(黒字転換)となった。2017年4月にM&AしたAECの寄与などにより、景気の影響を受けにくい米軍基地向け事業が順調に拡大した。特に、AECのノウハウと、同社の信用力を活かしたシナジー効果(米軍基地向け事業の入札時に必要なボンド保険の枠を同社の信用力により拡大)が業績の伸びに大きく貢献したようだ。

「国内人材紹介事業」は、売上収益が前年同期比43.1%増の848百万円、営業利益が同12.7%減の244百万円と増収減益となった。売上収益は既存顧客メーカーの増産に伴う旺盛なニーズにより伸長した。一方、利益面では、高利益率の自動車メーカーが人材紹介からPEOスキームによる派遣へ移行したことにより減益となった。もっとも、メーカーの直接雇用が減少する傾向のなかで、期待分野としては捉えていない。

「海外技術系事業」は、売上収益が前年同期比59.2%増の13,560百万円、営業利益が同58.3%増の455百万円と増収増益となった。欧州・豪州のグループ企業間におけるシナジー創出により、各国政府や地方自治体から景気の影響を受けないBPO等による各種業務の受託、公共施設での各種アウトソーシング事業が順調に拡大した。

「海外製造系及びサービス系事業」は、売上収益が前年同期比252.6%増の41,536百万円、営業利益が同630.8%増の1,635百万円と大きく拡大した。前期にM&Aした各企業が期初から寄与したことから、欧州・アジア・豪州・南米で大きく拡大した。特に、サービス系は景気の影響を受けない各国政府への人材サービスや公的業務の受託が伸長した。また、製造系についても、従来はアジアの日系メーカー向けを中心に展開してきたが、ドイツにおける欧州大手メーカー向けが新たに加わり、前期から開始したアジアでの欧米企業向け給与計算代行事業と併せて、クロス営業の強化も図っている。

3. 主な活動実績
(1) M&Aした主な企業の状況
グループ内のシナジー創出とグループガバナンスの強化によって、M&Aした主な企業の業績は順調に拡大している。特に、M&A前に各社が単独で出していた計画に対する達成率で見ると、売上高及び営業利益はすべて100%を超えており、PMI(買収後の統合プロセス)が順調であることを示している。

(2) グループガバナンス体制の強化
同社は、これまで積極的なM&Aにより事業拡大(特に、海外事業)を図ってきたが、それに伴うリスクへの対応のほか、戦略の精度及びスピードを高めることを目的として、グループガバナンス体制の強化に取り組んでいる。1)グローバルガバナンスポリシー設計、2)リスクマネジメント基盤整備、3)経理機能の更なる強化、4)情報システムセキュリティ基盤構築、5)コンプライアンスの徹底、を重点課題に掲げているが、特に、喫緊の課題として、月次決算のスピードを早め、外部及び内部環境の変化に迅速に対応できる体制の早期実現を目指している。同社は、国内経済の縮小や海外での事業機会の拡大を見据え、今後もM&Aを重要な成長戦略の軸と捉えており、今回のグループガバナンス体制の強化は、守りの側面はもちろん、さらにM&Aを推進するための攻めの側面としても評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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