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【注目トピックス 日本株】ガイアックス Research Memo(3):ソーシャルサービス事業及び受託開発事業は堅調

2017年10月31日 15:14

■業績動向

1. 2016年12月期までの業績
(1) 2015年12月期までの業績
ガイアックス<3775>の2012年12月期の連結売上高は3,830百万円だったが、その後徐々に伸長し、2015年12月期には2012年12月期比36.1%増の5,214百万円となった。ソーシャルサービス事業が同18.7%増加したほか、受託開発事業が同23.6%伸びたことによる。2015年12月期に新設されたインキュベーション事業も売上高を554百万円計上、収益に貢献した。利益面では、2012年12月期及び2013年12月期に営業損失を計上したが、2014年12月期に営業利益36百万円を計上し、黒字転換した。2015年12月期においては、売上高の拡大や売上原価比率の低下もあり、営業利益は392百万円と急拡大した。

2015年12月期にセグメント変更をおこなっており、ソーシャルサービス事業に含まれていたインキュベーション事業が新設された。このセグメント変更に伴い会計処理も変更になっている。貸借対照表の固定資産内に一括計上されていた投資有価証券のうち、インキュベーション事業に対応するものだけを流動資産内の営業投資有価証券に記載区分を変更。損益計算書では、それまで投資有価証券の売却益を特別利益に計上していたが、セグメント区分の変更により、営業投資有価証券の売却額を売上高に、簿価を売上原価に計上されることになった。

(2) 2016年12月期通期決算
2016年12月期通期の決算は、売上高が前期比9.9%増の5,728百万円と増収ながら、営業損失が584百万円(前期は392百万円の営業利益)、経常損失が595百万円(同393百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が700百万円(同262百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と各損益とも大幅な損失になった。営業損失に陥ったのは、営業投資有価証券のうち回収可能性が著しく低下した株式について、価値を純資産価額に基づいて保守的に評価し将来の損失のリスクを排除するため、評価損を売上原価に計上したことによるが、人材関連費用、広告宣伝費、新規サービスの積極的な開発投資を実施したのに伴い、販管費が増加したのも営業損失を拡大させた。損失計上の主たる要因はインキュベーション事業にあるものの、ソーシャルサービス事業の利益が前期比74百万円減、全社費用が前期比71百万円増となり、ソーシャルサービス事業及び受託開発事業のセグメント利益の合計額225百万円で全社費用284百万円を賄うことができなかった。なお、インキュベーション事業損益がマーケット環境や市況動向次第で大きく変動することを理由として、同社は業績予想を開示していない。

a) ソーシャルサービス事業
ソーシャルサービス事業の売上高は前期比6.5%増の2,738百万円、営業利益は同36.6%減の129百万円と、増収ながら減益となった。期首において、売上高は2015年12月期と同水準になると見込まれていた。増収の主な要因としては、ソーシャルゲーム向けカスタマーサポートサービスを中心に既存顧客からの継続受注案件が通期貢献したことと、海外売上高が伸長したことが挙げられる。一方で、人材関連費用、市場拡大のための広告・販売促進費、リソース不足を補うための外注費等が増加したことが、減益の要因として挙げられる。

b) 受託開発事業
受託開発事業の売上高は前期比20.3%増の2,545百万円、営業利益は同10.7%増の95百万円と、増収増益となった。期首において、売上高は2015年12月期と同水準になると見込まれていた。増収の要因としては、マイナンバー等の法改正に伴う基幹システムの改修に関わる受注増が挙げられるほか、完全子会社化したアイ・オーシステムインテグレーションも2016年7月以降の増収に寄与した。

c) インキュベーション事業
インキュベーション事業の売上高は前期比1.6%減の545百万円、損失は524百万円(前期は315百万円の営業利益)と、大幅な損失となった。その最大の要因は、グループ外インキュベーションで、保有株式の一部を売却したほか、回収可能性が著しく低下した株式について、価値を純資産価額に基づいて保守的に評価し将来の損失のリスクを排除するため、12銘柄の株式の評価損344百万円を売上原価に計上したためであり、2016年12月末における営業投資有価証券は前期末比で1,542百万円減少し878百万円となった。

d) 財務状況
2016年12月期末においては、親会社株主に帰属する当期純損失700百万円の計上による利益剰余金の減少、保有するピクスタ<3416>、AppBank<6177>等の上場会社株式の売却及び株価下落によるその他有価証券評価差額金の前期末比1,001百万円減少により、純資産は同1,707百万円減少して1,623百万円となり、自己資本比率は前期末の58.4%から37.5%へ大きく低下した。

流動資産は、主に営業投資有価証券の前期末比1,542百万円減少により、同1,536百万円減少して3,897百万円となった。固定資産は、アイ・オーシステムインテグレーション買収に伴うのれん46百万円の計上等によるのれんの前期末比52百万円増加、2017年12月期におけるオフィス移転等に関わる敷金及び保証金の同73百万円増加等により、同166百万円増加して396百万円となった。流動負債は、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の前期末比177百万円増加の一方で、繰延税金負債の同529百万円減少等により、同194百万円減少して1,603百万円となった。固定負債は、主に社債及び長期借入金の前期末比526百万円増加により、同532百万円増加して1,067百万円となった。

2016年12月期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比221百万円減少の1,969百万円となった。2016年12月期のキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失585百万円計上や法人税等の支払額120百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローが624百万円の支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出110百万円、定期預金の預入による支出144百万円、敷金及び保証金差入による支出95百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローが333百万円の支出となった一方、長期借入れ及び社債の発行による収入1,108百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローが741百万円の収入となった。

2. 2017年12月期第2四半期決算
2017年12月期第2四半期(2017年1月−6月)の決算は、売上高が前年同期比33.2%増の3,239百万円と増収ながら、営業損失が406百万円(前年同期は213百万円の営業損失)、経常損失が409百万円(前年同期は219百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が457百万円(前年同期は219百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)と各損益とも損失が前年同期比で大幅に拡大した。損失計上の主たる要因はインキュベーション事業にあり、ソーシャルサービス事業及び受託開発事業はともに増収増益となり、両事業のセグメント利益の合計額222百万円は全社費用133百万円を上回っている。なお、インキュベーション事業損益がマーケット環境や市況動向次第で大きく変動することを理由として、同社は業績予想を開示していないが、ソーシャルサービス事業の通期売上高は2016年12月期と同水準、受託開発事業の通期売上高は2016年12月期比10%程度の増加、通期利益水準は受託開発事業においては、2016年12月期と同程度を見込んでいる。

(1) セグメントの状況
ソーシャルサービス事業の売上高は前年同期比21.5%増の1,623百万円、営業利益は同79.3%増の130百万円と、増収増益となった。増収の主な要因としては、引き続き既存顧客からの継続受注案件が通期貢献したことに加え、新規案件の受注、海外売上高の伸長が挙げられる。海外売上高は、ソーシャルゲーム運営企業の海外法人からのサポート受託が現時点では海外売上高の半分以上を占めるが、海外企業からの受注も徐々に拡大している。また、シェア事業を短期間で開始できるパッケージサービス「Sharing Economy Engine」を新たにリリースし、既に1社で導入されており、今後10~20社への導入を目標としている。

受託開発事業の売上高は前年同期比26.8%増の1,441百万円、営業利益は同55.3%増の91百万円と、増収増益となった。増収の要因としては、引き続きマイナンバー等の税制改正に伴う基幹システムの改修に関わる受注増が挙げられるほか、2016年7月に完全子会社化したアイ・オーシステムインテグレーションも期首からの増収に寄与した。

インキュベーション事業の売上高は210百万円(前年同期は8百万円)、営業損失は495百万円(前年同期は217百万円の営業損失)と、大幅な損失拡大となった。グループ内インキュベーション事業において、人材関連費、広告宣伝費、地代家賃、減価償却費が増加したことに加え、保有している営業投資有価証券のうち回収可能性が著しく低下した1銘柄の株式の評価損30百万円を売上原価に計上した。保有株式の一部売却もあり、2017年12月期第2四半期末における営業投資有価証券は2016年12月期末比で171百万円減少し706百万円となった。

(2) 財務状況
2017年12月期第2四半期末においては、親会社株主に帰属する四半期純損失457百万円の計上による利益剰余金の減少、その他有価証券評価差額金の前期末比90百万円減少により、純資産は同550百万円減少して1,072百万円となり、自己資本比率は前期末の37.5%から27.9%へさらに低下した。

流動資産は、現金及び預金の前期末比344百万円の減少、営業投資有価証券の前期末比171百万円減少等により、同556百万円減少して3,340百万円となった。固定資産は、主に建物及び構築物の同60百万円増加により、同60百万円増加して456百万円となった。流動負債は、賞与引当金の同131百万円の増加、支払手形及び買掛金の同51百万円増加等により、同167百万円増加して1,770百万円となった。固定負債は、主に長期借入金の同91百万円減少により、同112百万円減少して954百万円となった。

(執筆:フィスコアナリスト 廣田 重徳)

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