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国債は借金ではない 健全財政を金科玉条にする財務省の思惑

財務省の思惑は何か?

 物価の変動を除いた「実質賃金」はピークだった1997年に比べて15%も減った。国民を豊かにするために存在するはずの財務省が秘かに「国民貧困化」を進めている──経済評論家の三橋貴明氏は財務省が、自分たちの影響力を拡大するために国民を犠牲にし、亡国に導こうとしていると告発する。

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 国の借金1000兆円と言われる今、「将来世代にツケを回して自分たちが贅沢をするわけにはいかない」と考える読者は多いだろう。しかし、それが財務省による刷り込みだとしたらどうだろうか。

 増税、政府支出の削減は「PB(プライマリーバランス=政府の基礎的財政収支)黒字化」のお題目のもとに行われている。増税で歳入を増やし、政府支出を削減することで債務を減らそうとしている。

 ところが、評論家の島倉原氏によると、日本政府の債務残高は物価変動の影響を除いた実質値で1885年の546倍にもなっている。それでも財政破綻しないのは、この間、日本が継続的に経済成長してきたからだ。日本のPBが黒字だったのはバブル期だけであり、通常、国家債務は増え続けていくものなのである。

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