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【注目トピックス 日本株】アクセル Research Memo(4):組み込み機器用グラフィックLSIは次世代品サンプルが完成

2015年12月4日 18:10

■今後の見通し

(1) 2016年3月期見通し

アクセル<6730>の2016年3月期の通期業績見通しは、売上高が前期比0.7%減の11,000百万円、営業利益が同85.4%減の240百万円、経常利益が同85.5%減の240百万円、当期純利益が同85.2%減の165百万円と期初計画を据え置いている。

主力の遊技機器向けグラフィックスLSIは、通期販売計画123万個に対し第2四半期累計で76万個の販売と順調な進捗となっているが、下期の市場動向は前述の駆け込み需要の反動も懸念されるため通期の販売見通しは変更していない。通期販売計画との差分でみると下期の販売は47万個まで落ち込む計画となっている。遊技機器向けグラフィックスLSIの9月末の受注残は約31万個、受注から販売までのリードタイムは平均3.5ヶ月であることから、第3四半期に16万個程度の受注を獲得できれば通期の販売計画は達成可能とみられる。一方、足元では受注高の低調さが懸念材料として挙げられる。四半期ベースでの全社受注高の推移をみると、当第2四半期は1,330百万円と前四半期比で5割以上の減少となっている。同社も下期の市場環境には不透明さが残るとしているが、今後の受注状況の推移には注視が必要だろう。

同社の市場規模の目安となる遊技機器の販売台数は業界団体による自主規制導入の影響によって、前期比40万台減少の270万台を前提としており、第2四半期まではほぼ想定通りの動きとなっている。こうしたなかでグラフィックスLSIの販売数量は前期比微減の123万個に留まる見通しだが、これはAG5の本格量産化によって、リユース品の比率が前期の32%から25%まで低下するとみているためだ。実際、グラフィックスLSI販売数量のうち、AG5の構成比率は期初計画で35%と想定していたが、第2四半期累計で約50%まで上昇しており、需要の強さがうかがえる。通期でも50%前後の水準となる可能性が高い(前期は約10%)。このため、グラフィックスLSIの売上高は数量が計画通りであれば、平均単価の上昇もあって、前期比で若干の増収が見込まれる。

また、その他の遊技機器向けLSIの売上高については、第2四半期累計では前年同期を下回ったが、特定顧客向けであるメモリモジュールの販売が下期に増加する見込みとしており、通期では前期並みの水準となる見通しだ。

組み込み機器用グラフィックスLSIに関しては、前期並みの売上水準となる見通しだが、当期は次世代品となる「AG903」のサンプル品が完成したことがトピックスとして注目される。医療機器や建設機器、券売機のモニタ用、あるいはデジタルサイネージ用として既存顧客の置き換え需要に加えて、新規顧客の開拓を進めていくことで、安定収益の確保に加え更なる収益の上積みを目指している。「AG903」の特徴はグラフィックスエンジンにCPU、大容量VRAMを統合したシステムLSIとなり、実装面積の削減だけでなく顧客のシステムコスト低減に大きく寄与することが挙げられる。本格量産は2018年3月期以降を予定している。

(2)中期経営目標について

同社は中期経営目標として、2019年3月期に売上高18,000百万円、ROE15%を設定している。大規模な資本政策が実施されなければ、営業利益の水準で3,000百万円程度が必要となる見通しだ。前提となる遊技機器の市場環境は厳しさが続くものと想定され、2018年3月期までは売上高、売上総利益ともに伸び悩むものの、2019年3月期以降に拡大していく見通しとなっている。2019年3月期に業績が伸びる要因としては、グラフィックスLSIのシェア拡大と周辺LSIも含めたシステム展開により、遊技機器1台当たりの売上高の拡大が進むことが挙げられる。

グラフィックスLSIは、次世代品となる「AG6」の本格量産が2019年3月期からとなるが、同製品は最先端プロセス技術を用いて開発中であり、競合品と比較して高いパフォーマンスとなることが予想され、シェア拡大につながることが期待される。

また、従来はグラフィックスLSI単品での販売のみであったが、今後は他の電子部品も含めてシステム製品として販売していくことにも注力していく。顧客側にとってもシステム製品として調達したほうがコスト低減メリットを享受できる。このため、一部の顧客において来期以降徐々に切り替えが進んでいくことが予想される。

その他、現在特定顧客にとどまっているメモリモジュールの採用社数の増加が見込まれるほか、演出周辺LSIも複数の品種で開発プロジェクトが進行中で、2019年3月期頃の本格量産を目指している。前述したように、遊技機器は射幸性を抑制する方向にあり、従来以上に演出性を高めた機器の開発ニーズが高まると予想される。従来は主にグラフィックスLSIの高機能化・高性能化などによってこうしたニーズを満たしてきたが、今後はその他の演出周辺LSIの市場も拡大していくものとみており、こうした需要を取り込んでいく方針だ。

同社の推計によれば、遊技機器向けグラフィックスLSI、メモリモジュール、LEDドライバなどの市場規模は約500億円程度とみられる。同社の売上高が前期実績で100億円強であったことからすれば、これら領域でのシェアを拡大していくことで、成長余地は十分あると言えよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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