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【注目トピックス 日本株】3Dマトリック Research Memo(7):2018年4月期は期初計画を据え置き、止血材で3億円の売上げを目指す

2018年1月12日 8:17

■今後の見通し

1. 2018年4月期の業績見通し
スリー・ディー・マトリックス<7777>の2018年4月期の連結業績は期初計画を据え置き、事業収益で304~2,354百万円、営業利益で1,675百万円の損失から630百万円の利益とレンジ形式での開示となっている。レンジ幅については主に欧州での独占販売ライセンス契約締結の有無による。事業収益の内訳を見ると、止血材の売上高で前期比183.8%増の304百万円を見込んでおり、これに欧州での独占販売ライセンス契約が締結されれば2,000百万円の契約一時金収入、韓国でのCEマーキングが取得できればマイルストーン収益50百万円が計上されることになる。

欧州のライセンス契約交渉については、引き続き複数の候補企業と協議を継続している状況に変わりない。契約締結に向けては、更なる欧州での販売・使用実績データ、オセアニアでの販売・使用実績等の積み上げが必要との認識だ。また、後出血予防材のCEマーキング取得や次世代止血材の開発状況等も考慮して検討している候補企業もある。いずれにしても、消化器内視鏡領域においてKOLの間で評価が高まっている現状からすれば、いずれライセンス契約が締結される可能性が高いと弊社では見ている。

費用面では、止血材の売上増加に伴って売上原価が前期比32百万円増加するほか、研究開発費で同26~283百万円の増加を見込んでいる。研究開発費に関しては、国内の止血材及び米国の歯槽骨再建材の臨床試験費用を見込んでいるほか、欧州での次世代止血材の臨床試験及び関連費用を積み増す可能性がある。また、米国で開発を進める癒着防止材に関しても動物実験を開始しており、その費用が含まれる。一方、販管費については各費用項目を見直すことで前期比191百万円の減少を見込んでいるが、オーストラリアにおける営業体制強化や欧州での販売プロモーション費用の増加により、計画に対してはやや増加する可能性が高い。

2. 止血材の売上見通し
止血材の売上高については、前期比183.8%増の304百万円を見込んでいる。期初段階の地域別売上計画では、欧州が前期比2.3倍増の219百万円、アジア・オセアニアが同10.8倍の65百万円、中南米が同3.2倍の19百万円としていたが、前述したように欧州はやや計画を下回り、オーストラリアの好調でカバーする見通しだ。欧州についても第3四半期はPENTAX向けの初期ロット販売が見込まれること、ドイツやオーストリアでの販売増、イタリア、スペインでの公立病院向けの販売開始等が見込まれることから、四半期ベースでは第2四半期の29百万円を第3四半期は大きく上回ることが予想される。

実際、直近の月次販売状況はPENTAX分を除いても12百万円を上回るペースになっているようで、着実に「PuraStat®」を使用する医師数が増えているものと思われる。課題は英国での新たな販売代理店探しとなる。ただ、これも同国内の主要15医療施設で医師主導臨床研究が決まるなど、KOLの間での関心度が高まっていることからすると、早期に代理店契約が締結できる可能性が高いと弊社では見ている。これら15医療施設においてはまだ「PuraStat®」を導入していない施設が大半を占めると見られ、臨床研究後は有力顧客になるものと期待される。

アジア・オセアニア地域については、引き続きオーストラリアでの販売増を見込んでいる。耳鼻咽喉科向けに加えて、腹腔鏡手術領域での使用が始まっており、今後の売上増が見込まれる。韓国については2018年4月期中にCEマーキングが取得できれば、マイルストーン収益50百万円が計上されることになるが、現時点では遅れ気味となっており2019年4月期以降にずれ込む可能性が高い。仮にCEマーキングを取得できれば、初期納品分の売上げが見込まれている。

中南米地域については、ブラジルを中心に19百万円の売上高を見込んでいる。ブラジルでは約2.5百万円の受注が入っており、うち1.1百万円を第1四半期に計上、残りは第3四半期以降の納入予定となっている。そのほか、チリやメキシコ向けの販売も第3四半期以降、若干程度計上される見込みとなっている。一方、カナダについては2018年4月期中のCEマーキング取得の可能性が見えてきており、製品登録と同時に現地代理店向けに販売を開始することになりそうだ。

3. その他パイプラインについて
(1) 歯槽骨再建材
歯槽骨再建材の開発状況については、米ハーバード大学附属病院において実施している2nd Pilot Studyにおいて、 2017年4月までに全12症例に対して投与を完了している。全症例で歯槽骨が再建され、インプラントを埋植後6ヶ月間の観察期間においてもインプラントが安定であることが確認されている。また、対象部位における新生骨の割合も、他家骨を充填した場合と比較して約2倍の水準に達するなど、機能面でも優れているデータが確認されている。

2017年12月までにすべての経過観察が終了したようで、現在はハーバード大学附属病院にて最終レポートをまとめている段階にある。同社は最終レポートの結果を見て、製造販売承認申請を行うか追加試験を行うかをFDAと協議したうえで判断していく方針で、時期としては2018年4月までに結論を出す考えだ。現時点では、症例数を増やして追加試験を行う可能性が高いと弊社では見ている。元々の症例数が少ないことや、統計的有意差検定を実施していないためだ。ただ、規模の大きい追加試験を単独で行うことは資金面で難しいため、次のステップに移行する段階で歯科領域の大手医療機器メーカーにライセンスアウトすることを想定している。仮に、ライセンス契約が決まれば550百万円程度の契約一時金を同社では想定している。

(2) DDS材料
国立がん研究センターとの共同プロジェクト「RPN2※標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」における医師主導型の第1相臨床試験を実施している。同臨床試験は「がん幹細胞」に特異的に発現するPRN2遺伝子をターゲットとし、その発現を抑制する核酸(PRN2siRNA)と同社が開発した界面活性剤ペプチド「A6K」をキャリアとするDDSを組み合わせた製剤の安全性評価を行うもの。症例数は30症例を目標に、経過観察を含めて2018年1月頃までかけて臨床試験を行う予定となっている。

※PRN2…がんの転移・浸潤・薬剤耐性を担うターゲット遺伝子。siRNAは分解性が高いといった特性があり、ターゲットのがん細胞に届くまでに体内で分解されるといった課題があったが、A6Kとの複合体にすることで分解が抑制される効果があり、がん細胞に確実にPRN2siRNAが送り届けられることになる。既に、イヌの自然発症乳腺腫瘍症例において、核酸医薬としての有効性が確認されており、ここ最近は製薬企業からの問い合わせも増加するなど注目度が高まっている。

siRNA単独では安定性が低く腫瘍部に届くまでに分解されてしまうことが課題であったが、「A6K」との複合体にすることで安定性が高まり、分解が抑制されることが動物実験により明らかとなっている。イヌの実験では、乳がん腫瘍の縮小効果も確認されており、業界での注目度も高まっている。第1相臨床試験の結果が良好であれば企業主導型治験への移行及び大手製薬企業へのライセンスアウトの可能性もあり、その結果が注目される。

また、2017年7月には国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(以下、AMED)による2017年度「革新的医療技術創出拠点プロジェクト」関連シーズ「橋渡し研究戦略的推進プログラム」に、広島大学医歯薬保険学研究科との共同プロジェクト「がん幹細胞及び抗がん剤耐性がん細胞に作用する革新的抗腫瘍核酸医薬の開発」が採択されたことを発表している。同プロジェクトは、悪性胸膜中皮腫※を対象疾患としたマイクロRNAによる新しい核酸医薬の研究開発を行うもので、同社はマイクロRNAをがん細胞に効率的に送達するためのDDS用材料として「A6K」を提供する。今後3年間で前臨床試験を実施し共同研究開発を行っていくほか、共同特許の出願も予定している。なお、今回の採択による助成金は主に広島大学が受領するため、同社の業績への影響は軽微となっている。

※肺を覆う胸膜の表面に発生するがん。アスベストが発症原因の多くを占めている。現在の治療法は手術を抗がん剤の併用だが、再発も多く診断5年後の死亡率は90%を超える。年間死亡者数は2015年で1,500名超、今後2035年をピークに2〜3倍の発症が予測されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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