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【注目トピックス 日本株】3Dマトリック Research Memo(5):「PuraStat®」は高成長が見込まれる状況になりつつある(1)

2018年1月12日 8:15

■スリー・ディー・マトリックス<7777>の業績動向

2. 止血材の開発・販売状況
2018年4月期第2四半期累計の止血材「PuraStat®」の売上高は前年同期比233.1%増の105.1百万円となった。地域別で見ると、欧州向けが56.6百万円(前年同期25.7百万円)、オーストラリアを中心としたアジア・オセアニア向けが46.3百万円(同3.7百万円)、中南米向けが2.2百万円(同2.2百万円)となり、特に、アジア・オセアニア向けの伸長が際立つ格好となった。会社計画の112百万円に対して7百万円下回ったが、地域別では欧州向けが第2四半期からの稼働を見込んでいたPENTAX向けの出荷が第3四半期にずれ込んだことを主因として計画を下回ったものの、オーストラリア向けが耳鼻咽喉科領域に加えて、腹腔鏡領域での利用が進んだことにより計画を上回る進捗となった。

また、四半期別で見ると第2四半期は38.9百万円と第1四半期の66.2百万円から減少したが、これはオーストラリア向けで第1四半期にまとめ発注が入った影響による。欧州向けに関しては前第4四半期の35.4百万円と比較して、当第1四半期、第2四半期ともに30百万円を下回り伸び悩む格好となった。初期ロットの出荷はあったものの、まだ代理店側で在庫を消化しきれず、継続的なオーダーにつながっていないことや、夏期休暇等による季節要因の影響も一因と考えられる。ただ、10月、11月はリピートオーダーも増え始めており、第3四半期以降は上昇トレンドに転じるものと予想される。

通期の売上見通しについては期初予想を据え置いている。地域別ではアジア・オセアニア向けが期初計画の65百万円に対して1億円を超える見通しで、逆に欧州向けは2億円を若干下回るものと予想される。地域別の動向については以下のとおり。

(1) 欧州地域
a) 販売動向
2018年4月期第2四半期累計期間における欧州の販売状況を国別で見ると、ドイツ、オーストリアでは消化器内視鏡領域での販売が順調に拡大したが、英国、北欧、スペイン向けが想定を下回った。英国では現地代理店が大手医療機器メーカーに買収されたことにより、新規の営業活動がストップしたこと(既存顧客については販売を継続)、北欧では一部代理店が他の医療機器商社と合併し、取扱商品の見直しに入っていること、スペインでは代理店の経営方針が定まらず営業活動が進んでいないことなどが要因となっている。このうち、主要市場である英国については早急に新たな代理店との契約を結ぶべく、現在交渉を進めている段階にある。規模的には従前の代理店よりも大きな会社となる見通しで、時期としては2018年の1〜2月頃までには代理店契約を結び、拡販活動を開始したい考えだ。

また、第2四半期累計の販売計画が下回った要因の1つであるPENTAX向けの初期ロット販売(数千万円規模)については、当初第2四半期の売上計上を見込んでいたが、相手先都合により第3四半期にずれ込むこととなった。PENTAXとはフランス、オランダ、ポルトガルでの販売代理店契約を締結している。時期的にはやや遅れたものの、第3四半期以降はこれら地域での販売増加が期待される。

そのほか、下期はトルコを中心とした中東地域においてCEマーキング取得による製品登録完了と同時に代理店への販売開始が見込まれているほか、イタリア、スペインでは公立病院向けでの販売増加が見込まれている。イタリア、スペインの公立病院では医療機器を納入する場合、公共入札に参加し落札する必要があった。2016年以降、入札が行われず、これら地域の公立病院では需要があるものの販売できずにいたが、2017年8月以降、地域によって入札が始まっており、イタリアでは2ヶ所、スペインでも1ヶ所の公立病院への販売が可能となった。いずれも規模が小さいため売上げに与える影響は軽微だが、2018年以降はローマやマドリッドなど主要都市でも入札が開始される可能性があり、第4四半期以降の売上増が期待される状況となっている。

b) 消化器内視鏡領域で本格普及の兆し
「PuraStat®」については消化器内視鏡領域において着実に認知度が向上し始めている。2017年10月下旬の欧州消化器病週間(UEGW 2017、バルセロナで開催)の中で、「PuraStat® Clinical Meeting 」を開催し、内視鏡領域において世界的に著名な5名のKOLから「PuraStat®」使用に関する最新のデータ報告や後出血予防に関する研究報告などを行った。同ミーティングでは欧州各国やブラジルから合計41人のKOLが出席し、「PuraStat®」の有効な使用方法など具体的な質問が出ただけでなく、既に使用している参加者からもポジティブなフィードバックが出るなど、非常に活発な議論が繰り広げられたと言う。同社のヒアリングによれば、ミーティングに参加した41人の内、約半分は既に「PuraStat®」を使用している医師ということで、残りの半分の医師についても後日、営業チームでフォローアップし、コンタクトできた医師については「PuraStat®」を使い始めたとの報告が上がっている。これらKOLのユーザーが増え始めたことで、今後は内視鏡領域の止血材として普及拡大が進む可能性が高まったと言える。

実際、英国では国を代表する多数のKOLを巻き込んだ医師主導による臨床研究が開始されることが決まった。目的は、「PuraStat®」の適切な使用方法の共有、消化器内視鏡治療における止血目的での使用効果及び安全性に関する臨床データの収集・解析となっている。消化器内視鏡領域において「PuraStat®」の価値が認められ、本格普及に向けたルール作りを行っていく動きと見て取れる。臨床研究は、英国で消化器内視鏡治療実施病院として最大規模の実績を誇るNHSクイーンアレクサンドラ病院のP.バンダリ教授が主任研究員となり、事務局は同病院内に設置される。バンダリ教授は「PuraStat®」の可能性を当初から評価していた医師であり、今回の臨床研究には業界でも著名な教授陣を有する15施設が参加表明を行っている。臨床研究の概要については、症例数で最大250例を行い、消化器内視鏡治療における術中滲出性出血の止血効果を研究対象としている。なお、本研究終了後は、多施設無作為対照試験への移行も想定している。参加医療施設が多いことから比較的短期間で臨床研究は終了するものと予想される。

c) 後出血予防材の開発状況
欧州では「PuraStat®」の適用拡大として、後出血予防材としてのCEマーキング取得を目指している。認証機関から比較試験の追加データを求められたことから、英国のポーツマス病院で臨床試験を実施し(76症例)、2017年12月初旬に再申請を行っている。過去の臨床データ(ヒストリカルコントロール群:202例)との比較において、「PuraStat®」群の後出血率は50%以上低く、また、76症例すべてにおいてESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)実施部位への適用が容易であったこと、「PuraStat®」に起因する有害事象が認められなかったことが、UEGW 2017の会議において発表されている。

弊社では今回は追加データ取得による再申請であることから、比較的早期に審査が終了するものと考えており、2018年4月期中にもCEマーキングを認証取得できるものと見ている。後出血予防材としての認知度も向上すれば消化器内視鏡領域において「PuraStat®」の成長ポテンシャルがさらに高まることになるだけに、その動向が注目される。

d) 次世代止血材の開発状況
欧州では次世代止血材「TDM-623」の開発も進めている。臨床試験用製品がこのほど完成し、現在は製品の品質評価と臨床試験に向けたプロトコルの策定作業を進めている段階にある。早ければ2019年4月期前半にも臨床試験を開始したい考えだ。

なお、次世代止血材の開発が順調に進めば、「PuraStat®」の製品価値が相対的に低下するため、欧州での独占販売ライセンス契約交渉に影響を与えることが懸念されるが、同社では次世代止血材も含めた形での契約交渉も進めており、契約交渉において支障は生じないと考えられる。ただ、止血効果の高い次世代止血材が2~3年後に上市するのであれば、「PuraStat®」の売上成長スピードが当初の想定より鈍化する可能性はある。ただ、次世代止血材では「PuraStat®」よりも止血効果が高く、取扱いが簡便なこと(常温保存が可能)、コストも低いことから、現在、市場開拓が遅れている心臓血管外科領域や一般外科領域での市場開拓が進む可能性が高まるものと思われる。一方、「PuraStat®」については後出血予防材としての機能も含めて内視鏡領域において市場拡大が見込まれる。このため、将来的には両製品がそれぞれの特徴を生かせる領域において成長していくものと弊社では予想している。

(2) アジア・オセアニア地域
アジア・オセアニア地域では主力市場であるオーストラリアで売上高が大きく伸長している。耳鼻咽喉科向けで癒着防止効果を持つ止血材として導入する医療施設が広がっていること、また、2018年4月期からは腹腔鏡手術での止血材としての導入も進み始めたことが販売好調の要因となっている。現地販売代理店であるMaquet Australia Pty Ltd(以下、Maquet)が「PuraStat®」の機能性を評価し、積極的に営業展開していることも大きい。

今後も心臓血管外科領域での展開も含め、オーストラリアに関しては売上げが拡大する見通しとなっていることから、同社も営業人員を1人現地に常駐させサポート体制を強化している。2018年4月期の売上高はオーストラリアだけで1億円を超える見通しで、2019年4月期は2億円、2020年4月期は4〜5億円と当面は2倍増ペースで売上げが伸長する可能性が出てきている。

一方、その他のアジアについては香港で若干売上がある程度で、ほとんど目立った動きは見られていない。同社では当面、オーストラリアに人的リソースを集中して売上げを伸ばしていく方針となっている。なお、韓国については現在、CEマーキングの取得申請中だが規制当局との協議が長引いているようで、認証取得のめどは立ってない。仮に2018年4月期中に承認されれば、マイルストーン収益50百万円をライセンス契約先のDaewoongから獲得できることになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

<NB>

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