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【注目トピックス 市況・概況】為替週間見通し:中東情勢悪化を警戒してドルは上げ渋りか

2018年5月12日 15:07

【先々週・先週の概況】
■米朝首脳会談への期待でリスク回避のドル売り縮小

先々週・先週のドル・円は底堅い動きを見せており、一時110円04銭まで上昇する場面があった。米国政府は8日、イラン核合意から離脱することを決定し、イランに対して過去最大級の経済制裁を行うと表明した。制裁発動に一定の猶予期間が設けられたものの、
中東情勢悪化に対する警戒感が広がり、リスク回避のドル売りが観測された。

しかしながら、トランプ米大統領は10日、米朝首脳会談が6月12日にシンガポールで開かれることを発表したことによって地政学的リスク増大への懸念は後退し、リスク回避のドル売り・円買いは縮小した。原油価格が1バレル=70ドルを突破したことや、米長期金利は3%を挟んだ水準で高止まりを続けたことも円売り材料として意識されたようだ。

5月1−2日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが決定されたが、利上げペース加速の思惑は後退し、一時ドル売り・円買いが優勢となった。4日に発表された4月米雇用統計では平均時給の伸びが市場予想を下回ったが、失業率は3.9%に低下しており、雇用情勢の改善は続いていることが確認された。

11日のニューヨーク外為市場では4月の米輸入物価指数が予想を下回ったことを受けてドル・円は一時109円15銭まで売られた。ただ、その後発表された米5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値や同指数の1年期待インフレ率速報値が市場予想を上回ったことを意識してドル売りは一服し、109円31銭で取引を終えた。

・ドル・円の取引レンジ:108円65銭−110円04銭

【今週の見通し】
■中東情勢悪化を警戒してドルは上げ渋りか

今週のドル・円は上げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行(BOE)などによる早期利上げ観測は後退しており、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続方針を受けたドル買いが継続する可能性がある。ただ、米トランプ外交で中東地域における地政学リスク増大が懸念されており、リスク回避的なドル売り・円買いが再び広がる可能性がある。

ECBやBOEによる早期利上げ観測は後退し、豪準備銀行(中央銀行)やNZ準備銀行(中央銀行)、日本銀行は現行の政策金利・金融政策を長期間維持する見通し。対照的に、FRB当局者は景気拡大を背景に、今年は少なくともあと2回の利上げを実施できるとの自信を示している。米4月消費者物価コア指数(CPI)は市場予想を下回ったものの、2%台の上昇率を維持している。米10年債利回りは節目の3%を明確に上回った場合、ドルは110円台に再上昇する可能性がありそうだ。

一方、米トランプ政権は、イラン核合意から離脱することを決定し、同国への制裁を再開するとみられる。制裁発動に関しては一定の猶予期間を設けているものの、米国の離脱によって中東情勢が大幅に悪化する可能性は残されている。

【米・4月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の米4月小売売上高は前月比+0.4%と、3月実績の+0.6%を小幅に下回る見通し。足元では個人消費の下振れが意識されており、4月の数字が市場予想を下回る低い伸びにとどまった場合、ドル買いを弱める要因となろう。

【米・5月フィラデルフィア連銀景況調査】(17日発表予定)
17日発表の米5月フィラデルフィア連銀景況調査は21.7と4月の23.2をやや下回る見込み。市場予想を下回った場合、米国経済の拡大基調を期待したドル買いは一服する可能性がある。

予想レンジ:107円00銭−111円00銭

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