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【注目トピックス 日本株】RSテクノ Research Memo(2):シリコンウェーハの再生加工から事業をスタート。日本と台湾で同事業を展開

2018年5月16日 15:12

■事業概要と成長戦略

1. 沿革と事業の概要
RS Technologies<3445>は、ラサ工業<4022>がシリコンウェーハの再生加工事業から撤退することを受け、その事業を承継すべく2010年12月に設立された。以来、ラサ工業から引き継いだ三本木工場(宮城県大崎市)と、2014年2月に稼働した台湾の台南工場の2工場体制でシリコンウェーハの再生加工事業を展開し、現在に至っている。

2017年12月期現在では、同社の事業セグメントは「ウェーハ事業」、「半導体生産設備の買取・販売」及び「その他」の3つから成っている。ウェーハ事業は前述のシリコンウェーハの再生加工事業だ。この事業の詳細は後述する。

半導体生産設備の買取・販売事業は文字どおり、中古の半導体製造装置を世界中の半導体メーカーから買い取り、今後本格的な立ち上がりを迎える中国を含むアジア企業向けに販売しようという事業で、いわゆる商社ビジネスだ。中古の製造装置の流通は、液晶パネル製造装置では一般的に行われており、将来的には半導体製造装置においても同様の動きが出てくると期待される。しかし現時点では中国の半導体産業自体が黎明期にあり、中古装置の流通はまだ立ち上がってはいない。現状は、半導体生産時に使用する消耗品や液晶モジュールなどの電子部品の取扱いが中心となっている。

その他事業には技術コンサルティングやソーラー事業(三本木工場における太陽光発電事業)からの収益が含まれている。

シリコンウェーハは半導体チップの製造に不可欠な主要材料
2. シリコンウェーハ・ビジネスの概要
同社の手掛けるシリコンウェーハの再生加工事業や今後の事業ロードマップ、同社の強みや成長ポテンシャル等をより良く理解するためには、半導体チップ製造プロセスやそこにおけるシリコンウェーハの役割、その製造方法等についての理解が不可欠だ。以下に簡単に説明する。

(1) シリコンウェーハ
“半導体(Semiconductor)”とは電気を通す導体(Conductor)と電気を通しにくい絶縁体(Insulator)の中間の性質を持つ物質である。この性質を生かして高密度に電気回路を形成した集積回路(Integrated Circuit, IC)が製造されている。PCの頭脳に当たるCPU(中央演算処理装置)や情報を記憶するためのメモリ(フラッシュメモリやDRAMなど)などは代表的なICだ。今日では、“半導体”と言えば“半導体の性質を応用した製品”、すなわちICを意味することが普通となっている。“半導体チップ”、“ICチップ”などと表現されることもある。

半導体の性質を有する物質には様々なものがあるが、現状、ICの量産において広く使われているのがシリコンだ。多結晶シリコンを溶融したものから単結晶シリコンのインゴット(塊)を引き上げ、それを円盤状に薄くスライスして使用する。この円盤状のものを「シリコンウェーハ」と呼ぶ。半導体メーカーはシリコンウェーハの上に各種半導体製造装置を用いて微細な回路を形成し、半導体チップを製造する。

シリコンウェーハには何種類かのサイズがあり、大型化する傾向にある。これは、1枚のシリコンウェーハ上にできるだけ多くの半導体チップの回路を形成する方が半導体チップ1個当たりの製造コストを引き下げることができるためだ。現状、量産ベースでは直径12インチ(300mm)のものが最大かつ主力のサイズとなっている。それより小さいものには8インチ(200mm)、6インチ(150mm)、5インチ(125mm)などがあり、今後登場が待たれるものには18インチ(450mm)がある。大型のものほど製造・加工の難易度が高く、それが技術的参入障壁となっている点がポイントだ。

(2) プライムウェーハとモニターウェーハ
上記のように、半導体製造プロセスは製造ラインにシリコンウェーハを投入するところから始まるが、投入されるシリコンウェーハがすべて半導体チップ製造に使用されるわけではない。半導体製造プロセスは極めて微細なプロセスの連続であるため、一連のプロセスの各段階で、テストや評価を繰り返しながら製造プロセスを進めていく必要がある。こうした用途のシリコンウェーハを「テストウェーハ」や「ダミーウェーハ」、「モニターウェーハ」などと呼ぶ(以下、当レポートではこれらを総称して「モニターウェーハ」の用語で統一する)。一方、実際に半導体チップに加工されるウェーハのことを一般にプライムウェーハと呼んでいる。

シリコンウェーハは円筒状のシリコン単結晶を薄い円盤状に加工したものだ。1本の単結晶から数百枚の新品のシリコンウェーハが得られる。同じ単結晶からできたウェーハであっても、その部位によって微妙に物性が異なる。1本のマグロから赤身やトロなど異なる味のものが得られることをイメージすればわかりやすいだろう。1枚1枚のウェーハはそれぞれの物質的特性に適した用途に向けて半導体製造ラインに投入されることになる。

モニターウェーハの使用量は、現状では全投入量の約20%と見られている。モニターウェーハとして新品ウェーハを投入することが基本ではあるが、半導体メーカーには、少しでも半導体製造コストを下げるため一度使用したモニターウェーハを再利用するニーズが出てくる。このニーズに応えて一度使用したモニターウェーハの表面を研磨し直して再利用できるようにすることが、現在の同社の主力事業であるシリコンウェーハの再生加工事業ということだ。

一方、今後同社が進出するプライムウェーハの生産とは新品ウェーハの生産にほかならない。ウェーハの製造工程は、シリコン単結晶を引き上げるまでの前工程と、単結晶を円盤状にスライスし、研磨や表面処理を行う後工程から成っている(この両者を行うメーカーを「一貫メーカー」と呼び、シリコンウェーハメーカーは一貫メーカーであることが基本となっている)。それぞれの工程で高い技術が要求されるが、事業としての成否は特に、前工程での生産歩留まりにかかっている。生産歩留まりという概念は、単に時間当たりの引き上げ本数を上げることにとどまらない。1本の単結晶からいかに多くのプライムウェーハに適したウェーハを得ることができるかという点がより重要だ(同じ新品ウェーハでも、プライムウェーハとモニターウェーハとでは価格が大きく異なるため)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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