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【注目トピックス 日本株】ヒマラヤ Research Memo(6):既存店売上高は3社ともほぼ同様のトレンド

2015年8月17日 17:06

■同業他社比較

スポーツ用品小売で同業大手のゼビオ<8281>、アルペン<3028>との直近の経営数値の比較をまとめてみた。

まず、既存店売上高の前年同月比伸び率推移をみると、3社ともほぼ同様のトレンドとなっており、消費増税の影響が一巡した2015年4月及び5月は前年同月比でプラスに転じた。ただ、6、7月は3社ともに再びマイナスに転じている。前述したように6月は土・日曜の日数が1日少なかったことに加えて、サッカーワールドカップの反動が出たものと考えられる。6月だけでみると同社のマイナス幅がやや大きくなっているが、これはクリアランスセール開始時期の違いが影響しているとみられる。4−7月でみるとほぼ同様の成長率で推移したものとみられる。

収益性について比較すると、売上原価率については3社の中でヒマラヤ<7514>が相対的に高い水準となっている。これはバイイングパワーが大手2社と比較するとまだ弱いことに加えて、PB商品の売上構成比が低い(他2社は20~30%程度)ことなどが要因として挙げられる。ただ、前述したように適時適量仕入・在庫コントロールの取り組みの効果が、2015年8月期に入って出始めており、前年同期比では3四半期連続で改善傾向となっている。ゼビオが2014年4−6月期以降、アルペンが2014年10−12月期以降、前年同期比で原価率が上昇しているが、これらは在庫処分による値下げ販売の影響が大きかったことが要因となっており、対照的な動きとなっている。同社については、今後もプロパー販売力の強化による値下げ販売の抑制やPB商品の売上比率上昇などによって、原価率の改善余地は大きいとみられる。

在庫回転率を見ると、新規出店用の在庫積み増しなどで期によってバラつきはあるものの、相対的にヒマラヤの回転率が高くなっており、在庫コントロールが適切に機能していることがうかがえる。一方、アルペンに関しては回転率がここ数期間、低水準のままで推移して、収益悪化の一因になっていたとみられるが、2015年4-6月期において大きく改善をみせている。

一方、販管費率に関しては各社ともほぼ同様のトレンドで推移している。2014年後半以降は、消費増税の影響による売上の伸び悩みにより、各社とも人件費などの店舗運営費用を中心に販管費率は上昇傾向にあったが、2015年4−6月期においては売上高の回復に伴い、販管費率も低下している。同社ではここ数年、店舗人員の適正化を進めてきたことで販管費率を抑制してきたが、店舗人員の適正化も一巡したこと、今後は「接客力」の向上に向けた教育・研修、顧客サービスの向上につながる店舗内設備に対する投資にも注力していくことから、販管費率としては現状並みの水準が続くものと予想される。なお、同社の販管費率が第1四半期(9月−11月期)のみ高くなる傾向となっているが、これは新規出店が同四半期に集中し、一時費用が増加するためである。

2011年度以降の営業利益率で見ると、ヒマラヤは3~4%の水準で安定して推移する一方で、アルペン、ゼビオの収益性が低下し、2014年度はそれぞれ3%を割り込むところまで悪化した。利益率の水準はまだ低いものの、同社の収益性向上施策が、着実に成果を上げつつあるものとして評価されよう。消費増税の影響がなくなる2015年度は大手2社も収益性が改善するとみられるが、同社も現在取り組んでいる施策によってさらに上昇が見込まれるだけに、その動向が注目される。

一方、財務状況に関しては、大手2社の自己資本比率が60%前後で推移しているのに対して、同社は30%台となっており、財務体質面ではやや開きがある。これは有利子負債依存率が20%台と大手2社(ゼビオ1%、アルペン12%)に対して高い水準となっていることが影響している。ただし、上場企業比較として自己資本比率が極端に見劣りするものではなく、有利子負債依存率の水準も事業規模の拡大とともに、若干ながら低下傾向となってきている。また、株主資本効率の観点で見れば、ROEではここ数年、大手2社が低下傾向となっているのに対して、ヒマラヤは8%前後の水準と最も高い水準を維持しており、大手2社よりも資本効率の高い経営ができているものとして評価されよう。

なお、中期経営計画における新規出店ペースは連結で13~19店舗/年で、年間の出店経費としては2,200~2,500百万円程度が見込まれるが、同程度のキャッシュは2015年8月期以降、期間損益で十分賄える見通しとなっている。このため、今後M&Aなど大きな資金需要が発生しない限り、有利子負債の水準としては現状レベル、もしくは改善が進むものと予想される。

主な株価指標を見ると、今期予想PERに関してはアルペン、ゼビオが20倍台となっているのに対して同社は10倍台前半となっており、また、東証1部上場企業平均(約18倍)に対しても下回るなど相対的に割安な水準にあると言える。

当面は、月次売上高が8月以降、どの程度回復するかが注目されるが、前述したとおり売上高が計画を下振れても、利益ベースでは総利益率の改善によって計画を達成する可能性が高く、株価に関してもなお評価余地があると思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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