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「独身貴族」は一時的? おひとりさまの老後に待つ「お金の落とし穴」

今は自由にお金を使えると思っていても……

「生涯未婚率」が上がっている。最新の国勢調査の結果によると、50歳まで一度も結婚したことのない人の割合は男性で約23%、女性で約14%。ライフスタイルの多様化が進む中で、シングルライフを送る人も増えてきたのだ。「独身貴族は羨ましいよな」──稼いだお金を趣味や娯楽に使えることから、そう言われることもある独身生活。だが、悠々自適の生活には、落とし穴もある。ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏が対策を解説する。

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 日本は「ソロ社会」が到来しています。2040年には単身者世帯が4割になるという推計もあり、今後ますます「シングル」が増えていくとみられています。世の中も「おひとりさま」に対応したサービスが充実して、旅行や食事などを1人で楽しめるようになってきました。コンビニやスーパーでも、一人分の総菜などが増えており、シングルライフが送りやすい社会になってきています。

 ただし、お金の面では注意が必要です。30~40代で、同じくらいの年齢の人たちと食事した時には、「自分のためにお金を使えていいなあ。俺なんか家族を養うのに精一杯だよ」なんて言われることもあるでしょう。ですが、そんな「独身貴族」は一時的なもので、その時期に無計画な暮らしをしていると、将来「独身貧乏」になる恐れがあります。

親の介護、考えていますか?

 50代前後で直面する人が多いのが、親の介護です。厚生労働省・総務省のデータを元にまとめた生命保険文化センターの調査によれば、要支援・要介護認定を受けた人の割合は、80~84歳で28.2%、85歳以上では60.0%となっています。80代の両親が健在であればどちらか1人は生活にフォローが必要となるといえます。

 また、同センターの調査によれば、介護の平均期間は5年弱、費用は一時的な費用として平均80万円、月額で平均7.9万円がかかっているようです。どの程度の介護が必要か、どんな介護サービスを受けるかによって異なりますが、月額10万円以上かかっている人も約3割にのぼります。

 親の介護は独身者に限った問題ではありませんが、手分けできるパートナーがいない上に貯金もなければ、「いざというときに親を援助しようとしてもできない」「介護サービスでお金がかからないよう自ら介護する=仕事を辞めて自分の生活が苦しくなる」という袋小路にはまることになりかねません。特に離れて暮らしている場合、どうフォローするか、親と相談した上で準備しておいたほうがよいでしょう。

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