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【注目トピックス 日本株】ネットマーケ Research Memo(4):積極的な事業拡大に舵を切る3ヶ年計画を発表

2018年9月6日 15:38

■中期経営計画

ネットマーケティング<6175>は2019年6月期通期業績予想と併せて、2021年6月期までの中期経営計画を発表した。同社はこれまで中期経営計画を発表しておらず、今回の発表は、先行投資や新たな事業の試み等を伴う積極的な事業拡大に舵を切ったことの表れであり、発表された計画は、中長期的な競争力向上や会社の根源的価値の向上を図るものとなっている。

2018年6月期までは、上場後まだ間もないことから、同社は株主や市場の信頼を得るため、着実に利益を増加させることを重視してきた。マッチングサービスにおいては、ユーザーが無料会員から有料会員に移行するには一定の時間を要し、プロモーション投資の回収タイミングに期ズレが生じることがあるため、決算期単位での利益水準の維持・向上を優先していると、会員獲得ペースを上げられないというジレンマがあった。国内のマッチングサービス市場は今後もユーザーの増加による市場の成長が期待されているなか、短期的な利益を優先していたのでは会員獲得競争において後れを取るリスクが高いと考えられることから、タイムリーな経営判断であると言える。

同社は中期経営計画1年目の2019年6月期を投資フェーズ、2年目の2020年6月期を育成フェーズ、3年目の2021年6月期を拡大フェーズと位置付け、2021年6月期通期の売上高を240億円と計画しており、営業利益12億円を計上した上で、更なる新規事業への投資費用として5億円を捻出できるとしている。同社は上場後の2回の通期決算において、業績修正を伴わない範囲で、おおむね期首予想以上の収益を実現してきていることからして、中期経営計画の数値は、蓋然性の高い根拠に基づいて積み上げられた計画値だろうと推測される。

(1) メディア事業
国内オンライン恋活・婚活マッチングサービス市場の規模は、2018年から2021年までの3年間で85%の成長が見込まれているなか、同社はメディア事業の売上高を、2018年6月期の31億円から、2021年6月期には約3.6倍の113億円へ拡大させるアグレッシブな計画を立てている。市場の成長を上回るペースで売上拡大を図るということは、市場シェアを高めることを意味している。2021年6月期のセグメント利益は、2018年6月期の3倍を超える15億円を計画している。

Omiaiにおいては、2019年6月期に積極的な集客プロモーション投資を行った後、2020年6月期に投資回収として得られた収益の増分を更なる集客プロモーションに投資するという好循環を持続することによって、2021年6月期に有料会員数を10万人超へ倍増させる計画である。QooNにおいては、Omiaiの2018年6月期末と同水準の5万人の有料会員数を2020年6月期末までに獲得することで、デーティングサービスとしての地位を確立し、2021年6月期での通期黒字化を目指している。サービスごとの売上計画は明らかにされていない。

市場シェアを高められると同社が考えている1つの要因は、競合は既に相当量(金額)の広告投資を毎月続けているのに対し、同社は従来、利益水準を重視する考えから、広告出稿量を有効に消費可能な水準の半分以下に抑えていたことにある。実際に、広告出稿量を増やした2018年5月以降、会員獲得ペースが加速していることから、同社は手応えを感じている。

会員獲得ペースを加速させるための方法としては、広告出稿量の増加とともに、広告媒体や手法の多様化が挙げられる。

Omiaiの全インターネットユーザーへの開放以前はFacebook中心であった広告を、既にTwitter、アドネットワーク、アフィリエイト広告、リスティング広告へ拡げることによって会員獲得効率を向上させており、今後はYouTubeでの動画広告等の広告も想定している。さらに、現在は一般社団法人日本民間放送連盟のガイドラインにより解禁されていないマッチングサービスのテレビCMが、同社も分科会に参加している一般社団法人結婚・婚活応援プロジェクトでの議論が進むことを通じて解禁されれば、ゲームアプリのようにダウンロード数を大幅に増加させることが可能になると同社では考えている。

なお、2018年5月1日にFacebookがデーティングサービス市場への参入を発表したが、参入の時期や地域等は未だ明らかにされていない。同社ではFacebook広告の比率を低下させ、他の広告媒体・手法の比率を増やすことによって、会員獲得の効率を向上させてきていることから、仮にFacebookが国内市場に参入するとしても脅威を感じるものではないと自信を深めている。

(2) 広告事業
同社が強みを持つアフィリエイト広告市場の規模は、2018年から2021年までの3年間で54%の成長が見込まれている。また、2018年6月期に参入したソーシャル広告代理市場の規模は、2018年から2020年までの2年間で83%の成長が見込まれている。広告事業においては、ノウハウを蓄積していきながら、2020年6月期に、SNS広告事業を第2の柱として育成することで売上高100億円を突破し、2021年6月期には、アフィリエイト広告売上のみで100億円を突破するとともに、2018年6月期の1.5倍を超える127億円の売上高を計画している。セグメント利益は、2018年6月期の1.3倍を超える8億円を2021年6月期に計画している。これらにより、同社はネット総合代理店としての地位の確立を目指している。

アフィリエイト広告、SNS広告ともに成長基調にあるとはいえ、手付かずのクライアントが無数に存在するわけではないため、広告事業においてもシェアの拡大が必要となる。シェア拡大における同社の競合優位性は、アフィリエイト広告における長年の経験にあると考えられる。アフィリエイト広告は成果報酬型の広告であり、特定のメディア上で掲載される期間や表示回数によって料金が支払われる純広告よりも一層シビアな費用対効果を求められるため、売り切り型の営業ではなくコンサルティング型の継続的な営業及び運用支援が重要となる。同社はアフィリエイト広告の長年の経験によって培われた営業力が、SNS広告の販売においても生きると考えている。また、SNS広告では、アフィリエイト広告よりもクライアントの幅が広がると考えられる。インターネット広告においては、各々の得意分野に応じてエージェントを使い分けるクライアントも多く、大手エージェントに並んでクライアントを獲得することは可能とのことである。課題は、増員される営業人員の早期戦力化にあり、組織的な営業力強化を図るマネジメント力にかかっていると言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)

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