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【注目トピックス 経済総合】【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆消えた秋のアジア外交サプライズ期待◆

2018年9月9日 9:40

〇外交シーズン入りもサプライズ期待遠のく〇
8月31日付産経新聞は、4月に中国が行った中朝国境での大規模軍事演習は中国版対北朝鮮「斬首作戦」だったのではないか、との分析が出ていると報じた。時期は4月18日~25日。金正恩委員長の初訪中(3/25~28)後、4月27日の南北首脳会談直前時に当たる。

「ゴールデンダーツ」作戦と呼ばれ、核搭載可能な戦略爆撃機を含む作戦機による侵入攻撃と地上軍の迎撃が実戦さながらに行われたと言う。迎撃には強力な電磁波装置が使われ、それを掻い潜って巡航ミサイルなどでの実物標的攻撃を展開。
場所が山岳地帯でもあり、詳細が明らかになるにつれ「作戦は北朝鮮核施設などへの一斉ピンポイント攻撃を想定している可能性が高い」との見方になっている。実戦を担う中国軍「北部戦区」は大幅に増強されていると言う。

脅しとも取れる中国の圧力が、最近の北朝鮮の態度、6月以降の米中貿易戦争に影響しているとの見方が強まっている。中国は一時2割程度(2月頃)とされた国境往来トラックを回復させ、鉄道切符が取れないまでに観光客が増えている(昨年11月の国連制裁で禁じ、5月の中朝会談後に解除した)と報じられ、経済融和策でも揺さぶりを掛けているようだ。マティス米国防長官が米韓合同軍事演習再開の可能性に言及し、ポンペイオ国務長官の訪朝が中止となった。文在寅韓国大統領が南北融和を取り返そうとしたりしている背景に、中国の硬軟合わせての攻勢があると見られる。日程は明らかでないが、中国海軍トップの沈金龍司令官が9月訪米予定にある。

北朝鮮は9日、建国70周年で閲兵式などの準備を進めている。習主席が初訪朝し、式典に臨席するかが注目されている。北朝鮮の核・ミサイルは対中国の意味合いもあったとされるので、実験再開はないと思われるが、対米批判を強める可能性がある。
北朝鮮が中国との連携を強めれば、「朝鮮半島の春」は遠退く。

一時は金正恩委員長も参加するのでは、と関心を集めたロシアの東方経済フォーラム(11~13日)に安倍首相が3年連続参加する。年金改革で揺れるプーチン大統領は、経済起爆剤として朝鮮半島への鉄道延長、ガス・パイプライン延伸、極東地域での一大電力供給送電網計画を想定しているとされるが、肝心の南北首脳が参加しないと見られるため、推進機運は盛り上がらないであろう。

この後の11月APECなどにトランプ米大統領が欠席すると、早々と発表された。米中貿易戦争を含むアジアでの大きな動きは、11月米中間選挙後以降になるとの見方につながっている。
坦々と外交日程をこなすだけになるのか、それでも想定外の展開となるのか、(主に売り方のマインドを通して)影響度を測ることになろう。

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(18/9/4号)

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