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【注目トピックス 日本株】Eストアー Research Memo(2):7年ごとに注力事業を変遷させ、収益基盤と顧客基盤を着実に強化

2018年9月13日 16:17

■事業の概要

1. 沿革と注力事業の変遷
Eストアー<4304>は1999年に設立されたのち、大まかに7年ごとにその注力事業を変遷させながら成長してきている。それまでの事業が軌道にのって収益のベースを形成する段階に入ると、その収益を使って次の新たな収益事業づくりに進出するというサイクルの繰り返しだ。詳細は後述するが、2018年の現在は3つ目のサイクルから4つ目のサイクルに切り替わり期にある。

(1) 1999年~2006年頃
同社の事業はショッピングカートサービスからスタートした。その後、サイトを開設するうえで必要なレンタルサーバーの提供を開始し、このレンタルサーバー事業が同社の創成期を支える事業となった。同社はレンタルサーバー事業を主軸にしつつ、ショッピングカートに加えてECを行ううえで必要なサービスを逐次追加し、2006年にスタートするEC総合支援のASPサービス『ショップサーブ』の素地を蓄えていった。

(2) 2006年~2012年
2006年からの7年間は、ECシステム事業、すなわち、EC総合支援のASPサービス『ショップサーブ』が収益源となった。ショップサーブは店舗のWebサイト、ドメイン、メール、決済、受注、顧客の管理などが1つになったASPサービスで、その収益モデルは顧客からASPサービスの月次利用料を徴収するもので、タイプとしてはいわゆるストック型モデルと言われるものだ。ストック収入は経営基盤を安定させるためには非常に有効だ。ショップサーブの顧客数は順調に拡大し、同社の成長と経営安定化に大きく貢献した。

ECシステム事業が軌道に乗ると、同社は並行して、顧客企業の売上高拡大を支援し、顧客から決済代行手数料などの名目で(Eストアーのショップサーブ上の店舗サイトを経由した)売上高の一定割合を徴収する収入の拡大に乗り出した。これは収入のタイプとしてはフロウ型収入と言え、同じ客からの収入ではあるが、ショップサーブの月次利用料(ストック収入)とは分けて管理している。

(3) 2012年~2018年
既存顧客(ECシステムの顧客)の売上高が順調に拡大し、内容的にもストック収入とフロウ収入の構成がバランス良く順調に伸長するなか、同社は「マーケティング事業」を次の収益の中核事業として育成すべく、その強化に乗りだした。これは、顧客の売上高増大をもたらす販促支援のノウハウを事業化したもので、ポイントは1)販促支援のノウハウや施策を“商品化”し、コンサルティングや業務運営代行に伴うフィーを得るようにしたことと、2)このサービスを既存客(ECシステム顧客)以外にも外販することにしたこと、の2つだ。

当初は、マーケティング事業の内容として、コンサルティング・業務運営代行を行う「販促事業」と、ECショッピングモール『PARK』を運営する「メディア事業」の2つがあった。販促事業こそが同社が最も注力すべき事業領域として位置付けられ、後述するマーケティングシステム事業と区別して、現在ではマーケティングサービス事業と呼称されている。一方、メディア事業についてはAmazonなど強力なライバルが存在することや一定の目的を果たしことから非注力事業と位置付けている。

(4) 2018年~
前述のマーケティング事業は販促をメインとしつつ販売のためのクリエイション(ホームページ制作等)も含めてカバーしているが、ポイントはそのサービス内容がコンサルタントやホームページ制作者等の人の手によって成されるということだ。

そこで同社は、販促のためのシステム開発に取り組み、2017年秋から『Eストアー コンペア』と『Eストアー クエリー』の2つのソフトウェアの提供を開始した(これらを総称して「バックストア群」と呼ぶこともある)。この販促システムの事業をマーケティングシステム事業と称し、同じ販促事業ではあるものの、人手によるマーケティングサービス事業と区別している。2018年からはこのマーケティングシステムの拡販を本格化し、収益拡大につなげる戦略だ。

販売と販促、システムとサービス、それぞれの組み合わせから成る4象限で事業を展開
2. 事業セグメントの変遷と現在の収益構造
前述のような事業の注力分野の変遷を反映して同社の事業セグメントや情報開示の在り方も変化してきている。

従来は事業タイプによってレンタルサーバー事業やECシステム事業で構成する「システム事業」と、顧客の売上増大をサポートする事業の「マーケティング事業」の2事業体制としていた。しかし2017年3月期からは、2つを統合して「EC事業」の単一セグメントへと変更した。同社がこうした変更に踏み切った理由は、従来の2つの事業が顧客の売上高増大を支援するという目的において同一であり、両者を区別することの意義が薄れたためだ。

事業セグメントは単一だが、事業領域は、販売と販促の2つの軸と、システム(機械・ソフト)とサービス(人的労働)の2つの軸を組み合わせた4つの象限に切り分けることができる。マーケティンングシステム事業の開始で、4象限すべてをカバーする体制が整った(中長期の成長戦略の項も参照)。

これを受けて同社は2018年3月期本決算から、事業別・収入タイプ別に、売上高の内訳を、マーケティングサービス、販売システム(さらにフロウとストックに細分)、販促システム、メディア事業に分けて開示している。レンタルサーバー事業の収益は販売システムに含まれるが事業の縮小で収益インパクトは限定的となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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