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【注目トピックス 日本株】シノケンG Research Memo(3):不動産販売事業をコア事業に、M&Aを活用しながら周辺事業領域を拡大中(2)

2018年10月4日 16:57

■会社概要

2. 事業概要
シノケングループ<8909>の事業セグメントは不動産販売事業、不動産管理関連事業、ゼネコン事業、エネルギー事業、介護事業とその他の事業に区分して開示している。2018年12月期第2四半期累計のセグメント別構成比で見ると、売上高の72.7%、セグメント利益の67.6%を不動産販売事業で占めている。各事業の内容は以下のとおりとなる。

(1) 不動産販売事業
不動産販売事業は、子会社の(株)シノケンハーモニー及び(株)シノケンプロデュースにおいて、アパート販売及びマンション販売事業を展開している。このうちアパート販売については、対象とする販売エリアを賃貸需要の高い5大都市圏(東京圏、福岡、名古屋、関西(京阪神)、仙台)に限定しており、その中でも人口増加率の高いエリアで、かつ駅から徒歩10分圏を用地物件仕入れの対象としている。利便性が高く人口が増加しているエリアは需要も多く、入居率が高くなるためだ。また、アパートは単身者やDINKSを対象とし、間取りは1K~1LDKを標準としている。人口の減少傾向が続いているものの、同社がエリアとする都市部での単身世帯数は逆に増加傾向にあり、単身世帯向けアパートの需要も堅調に推移することが予想されるためである。

ビジネスモデルとしては、同社でアパート用地を一旦取得し、木造アパートを建築した上で、土地・建物をセットで個人投資家等に販売する。用地を取得した段階で投資家向けの営業を開始する。受注から引渡し(売上計上)までの事業期間はおおむね6~8ヶ月程度となっている。販売価格は土地・建物を合わせて5,000万円から1億円前後となる。販売価格のうち土地部分についてはほぼ仕入価格と同水準とし、アパート建築部分で利益を得るモデルとなる。このため、土地価格の高い東京エリアは販売価格が高くなるものの、利益率としては逆に低くなる。また、アパートは1棟当たりおおむね4~8戸で、一部空室が発生しても投資家は賃貸キャッシュ・フロー上、致命的な打撃を受けないため、同社ではサブリース(家賃保証)は行っていないが、希望があれば対応するケースもある。購入者は30~40代の一般的な会社員・公務員が中心で、年収も1,000万円未満の購入者が約70%を占める。また、契約件数の約30%は既存顧客の追加購入または顧客紹介によるもので、販売後のアフターサービス等に対する顧客満足度の高さがうかがえる。

一方、マンション販売では東京エリア(東京と一部、神奈川)を中心に一部、名古屋において投資用マンションの企画、開発を行っているほか、東京都心(港区、千代田区、中央区等)に限定して中古マンションのリノベーション開発も行っている。顧客は個人投資家等で1戸ごとの区分販売を行っている。平均販売価格は2~3千万円台とアパートに比べ低いため借入金額も少なくて済み、購入者の心理的負担が小さい導入商品的な位置付けとなっている。

原則、住戸のタイプはワンルームで専有面積は20~30平方メートルの単身世帯者向けデザイナーズマンションとなる。だが、条例によるワンルームマンション規制(区によって様々な規制がある)で40~50平方メートル、あるいはそれ以上の広さの住戸を開発する場合もある。未婚化、晩婚化により単身世帯やDINKS世帯が増加していることもあり、広めの住戸については投資用だけでなく実需用としての販売も行っている(販売戸数全体に占める比率は1割に満たない程度)。また、アパートと異なりマンションについては、原則サブリースにより家賃保証を行っている。マンションは、1戸のみの購入のため空室が発生すると一時的に家賃収入がなくなり、投資家にとって投資リスクが高くなるためだ。サブリース賃料は2年ごとに見直しを行っており、同社に逆ざやリスクは発生しない仕組みとなっている。

マンション販売事業においては、2015年9月にマンションの開発販売を行う(株)プロパスト<3236>と資本業務提携を行い(持分法適用関連会社、出資比率19.4%)、DINKS向けの住戸部分の販売や用地仕入れ情報の相互紹介などで協業しているほか、2014年2月に子会社化したゼネコンの(株)小川建設では、同社が開発するマンションの約70%を施工し、また、(株)プロパストが開発するマンションも施工するなどグループ会社間でのシナジーを生かして収益力を高めている。

(2) 不動産管理関連事業
不動産管理関連事業としては、販売したアパートやマンションの賃貸管理事業のほか、家賃等の債務保証・少額短期保険事業のほか、今後育成する不動産ファンドの組成・運営事業が含まれる。

このうち賃貸管理については、(株)シノケンファシリティーズで展開している。アパートやマンション等の賃貸住宅の入居者募集、家賃回収及びメンテナンス等、賃貸住宅経営を行っていくうえで必要となる各種業務をオーナーに代わって代行するサービスとなる。また、管理物件の売買仲介に関与した場合の売買仲介手数料も当該セグメントに計上されている。2018年12月期第2四半期末の賃貸管理戸数は30,128戸で、そのほとんどは同社グループが開発したアパート、マンションとなる。そのほか、(株)シノケンアメニティで分譲マンション管理(管理組合からの受託)やオフィスビルの管理、清掃・設備点検業務などを行っている。分譲マンション管理戸数は2018年12月期第2四半期末で5,959戸となっている。

家賃等の債務保証は(株)シノケンコミュニケーションズが1999年に開始した事業で、入居人が家賃等を滞納した場合に、入居人に代わって立て替え払いするサービスとなる。入居契約時に必ず加入する条件となっており、アパート、マンションの累積販売数に連動して増加する。2018年12月期第2四半期末の保証件数は24,446件で、賃貸管理戸数よりも少なくなっているのは、当該事業を開始する以前の入居者がまだ一定数残っていることや若干ながらも空室があるためだ。なお、延滞率は0.4%台と非常に低いため、同社にとっては安定した収益基盤となっている。

また、2013年に子会社化(出資比率50%)したジック少額短期保険(株)で、各種保険商品を同社グループが販売したアパート、マンションの入居者やオーナーに対して販売している。主力商品は入居者向けの家財保険を中心とした「生活安心総合保険」となる。同保険では、日本初の賃貸人を被保険者とする「孤立死原状回復費用保険」のほか「ストーカー対策費用保険」「ホームヘルパー費用保険」等のユニークなオプション(特約)も付いている。なかでも2014年7月に販売された「孤立死原状回復費用保険」は、独居老人の孤立死が社会問題化するなかでニーズの高い保険商品として注目されている。従来の保険では孤立死した被保険者の法定相続人しか保険金を請求できず、身寄りがない場合には賃貸住宅オーナーが原状回復のための費用を全額負担せざるを得ず、費用負担が発生していた。「孤立死原状回復費用保険」(特約)では、賃貸住宅オーナーを被保険者とすることでこうした問題をクリアしている。高齢単身者にとってもこの特約に加入することで賃貸住宅への入居が容易となるため、社会的意義の高い保険と言える。

一方、オーナー向け保険商品としては2015年9月より「賃貸経営サポート保険」の販売を開始している。「事故物件」となった場合の原状回復費用や家賃収入等の損失分を補償するサービスで、安心してアパート経営投資ができる環境を整備していることも同社の強みとなっている。さらに、少額短期保険会社としては国内初となる「民泊対応型保険」も開発、2017年5月より販売を開始している。民泊利用によって家財に生じた損害だけでなく、民泊利用者が物件オーナーまたは第三者に対して、民泊利用の際の部屋の使用・管理に起因する損害賠償責任も補償する内容となっており、今後、民泊物件が増えてくれば同保険商品も伸びていくものと期待される。

(3) ゼネコン事業
2014年2月に完全子会社化した(株)小川建設の事業となる。(株)小川建設は1909年創業の建築系の老舗ゼネコンで、関東圏を中心にマンションやオフィスビル、教育施設、病院、介護施設などの建築請負を幅広く行っている。売上高の約20%は同社グループのマンション受注で占められ、大手デベロッパーからの受注も請け負う中堅ゼネコンとなる。

(株)小川建設を買収した主目的は、マンション施工の内製化にある。東日本大震災以降、東京オリンピック開催を控え建設技能労働者不足が深刻化し、ゼネコンが受注を渋る事態等を見越して、安定したマンション供給を行うためグループ内に施工能力を確保することが狙いとなっている。ただ、コスト競争力を持たせるため約3割は外部のゼネコンに発注しており、同社側からみたマンション施工の内製化率は7割程度にとどめる方針としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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