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【注目トピックス 日本株】ウイルプラスH Research Memo(5):新エリア・新ブランドの獲得、既存ブランドの拡大に向けてM&Aを積極活用

2018年10月9日 15:05

■中長期の成長戦略

4. M&A戦略
ウイルプラスホールディングス<3538>が業容拡大の過程でM&Aを最大限活用してきたことや、M&A戦略を実現可能な強い収益力を如何にして獲得しているかについては前述のとおりだ。

同社は今後も、1)新たなエリアへの進出や、2)新たなブランドの獲得(マルチブランド戦略の推進)、3)既存ブランドのシェア拡大、に向けてM&Aを積極的に活用していく方針だ。

M&Aで最も重要なのは案件のソーシング(調達)だ。大別すれば金融機関(証券会社含む)、インポーター、直接紹介(同社自身の接触及び他社オーナーからの接触)の3つの入り口があり、常に複数の案件が机上に乗っている状況にある。その中で同社の基準に沿ったものについてデューデリジェンス(精査)を行い、交渉を経て成立という流れとなる。

ここでのポイントは、投資回収期間などの数値基準もさることながら、同社のマルチブランド戦略やドミナント戦略の観点からの評価が最重要項目であるということだ。単独での収益性が高くても、ブランド戦略的、地理的に“飛び地”のような案件には手を出さないという独自ルールを徹底している。

ポルシェ事業への進出を第1弾に、今後の東北エリアでの展開に注目
5. ポルシェ事業への進出
同社は4社目の事業会社として2017年11月にウイルプラスアインスを設立した。これはポルシェの正規ディーラー事業のための会社で、2019年1月に福島県郡山市にポルシェセンター(PC)郡山(仮称)を開店予定で準備を進めている。

ポルシェは日本でのブランドイメージも高く、同社のマルチブランド戦略に照らしても新規取扱ブランドとしても、最良の選択の1つだと弊社ではみている。解釈が難しいのは福島県郡山市という立地だ。同社にとってドミナント戦略は極めて重要な要素を占めており、これまで極めて堅実に、かつ、理詰めで経営を行ってきた同社が、ポルシェのブランド欲しさに“飛び地”に手を出したとは考えにくい。そうだとするとPC郡山の出店で本質的な意味は、「ポルシェ」にあるのではなく「東北エリア初」という部分にあると解釈すべきだろう。すなわち、PC郡山に続く2店舗目、3店舗目が控えているということだ。

東北6県すべてにポルシェ正規ディーラーが展開する状況も想像しにくく、2店舗目以降はまた別ブランドになり、そこではM&A戦略によって一気に複数店舗が出てくる可能性があると弊社では推測している。今後の展開を見守りたい。

リーマン・ショックの2009年を底に、2017年まで年平均8.4%の高成長を示す
6. 輸入車市場の動向
国内の自動車市場は横ばい、もしくは減少傾向が続いている。2017年(暦年ベース、以下同じ)の乗用車(普通車、小型車、軽自動車の合計で、輸入車も含む)登録台数は438.6万台で、1993年から4.5%増(24年間の年平均成長率は0.2%増、以下同じ)にとどまっている。

輸入車との競合の現実を考えて、普通車と小型車の合計(輸入車も含む)の登録台数の推移を見ると、2017年は294.3万台で、1993年から14.1%減少(年平均0.6%減少)している。同期間に軽自動車の登録台数は86.9%増(年平均2.6%の増)しており、日本市場の軽自動車シフトがよくわかる。

一方、輸入車(外国メーカーの輸入車)は2017年の登録台数は30.6万台で、1996年のピーク32.4万台に対して94%の水準にある。また直近のボトムである2009年の16.1万台を起点にすると、過去8年の年平均成長率は8.4%となり、国内メーカーの販売台数の推移と好対照を成している。

少子高齢化や消費スタイル、嗜好の変化によって国内自動車市場の縮小基調が続くなか、いまだに残る“クルマ好き”の消費者に対してより高い訴求力を有するのは国産車よりも輸入車だ、という状況がこうした違いにつながっていると弊社では推測している。こうした消費者側の価値観やメーカーのブランドイメージなどは短期間に変化するとは考えにくく、現状のトレンドは当面継続するものと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

<MH>

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