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【注目トピックス 日本株】ウイルプラスH Research Memo(2):現社長が家業を買収して事業を開始。M&Aを通じて業容を拡大

2018年10月9日 15:02

■会社概要

1. 沿革
ウイルプラスホールディングス<3538>は現代表取締役社長 成瀬隆章(なるせたかあき)氏の父が1997年に福岡県北九州市に設立した株式会社さんふらわあシージェイに始まる。設立後すぐに米クライスラーのディーラーシップを得、株式会社福岡クライスラーに商号変更して、クライスラーの正規ディーラーとして事業を開始した。

成瀬氏は福岡クライスラーで新車販売や中古車販売等を経た後2004年10月に福岡クライスラーの全株式を取得して独立し、現在につながる事業をスタートさせた。翌2005年には東京都大田区に店舗を開設し東京進出を果たした。さらに2007年には大証ヘラクレスに上場していたクインランド・カーズ(株)から(株)フォーピラーズの株式を取得し子会社化した。これを機に、同年10月に株式会社ウイルプラスホールディングスを設立し、福岡クライスラーとフォーピラーズの2社を完全子会社化し傘下に収めて現在に至る持株会社体制が完成した。

それから間もない2008から2009年に同社にとって大きな転機が訪れた。現在の主力事業子会社であるチェッカーモータースの子会社化や、事業譲受によるBMW、MINIの正規ディーラー事業への進出を矢継ぎ早に行ったことだ。当時はリーマン・ショックの影響で輸入車市場が急激に落ち込んでいた。その厳しい環境のなか同社は、強固な経営体質を生かして“買い手”としてM&A市場に参入できたことで、現在に至る成長の大きな基盤を獲得することができた。この強固な経営体質は現在も同社の最大の強みとなっている。

その後2014年にボルボの正規ディーラーである帝欧オート(株)を子会社化し、現在の陣容がほぼ完成した。直近では2018年4月に、チェッカーモータースが事業譲渡によりジャガー・ランドローバー事業を開始したほか、同社自身は4社目となる事業会社ウイルプラスアインス(株)を設立(2017年11月)して、2019年1月オープン予定でポルシェの正規ディーラー事業の準備を進めている。

証券市場には、2016年3月の東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場し、2017年9月の東証2部への市場変更を経て、2018年2月に東証1部に指定変更となり、現在に至っている。

事業会社4社を擁し、東京・神奈川エリアと福岡エリアで輸入車正規ディーラーを26店舗展開
2. 事業の概要
(1) 事業会社の構成
同社の事業は輸入車販売関連事業だ。同社自身は純粋持株会社で、傘下に4つの事業会社(いずれも100%子会社)を抱え、それぞれの事業会社において輸入車の正規ディーラー事業を展開している。総店舗数は2018年6月末時点で26店舗となっている。

こうした構造になっているのは、インポーター(輸入総代理店。多くの場合はメーカーの日本法人)との契約で、1つの事業会社が他の自動車メーカーの正規ディーラー事業を営むことが禁止されることが多いためだ。チェッカーモータースの場合は、元来がフィアット、アルファロメオの正規ディーラーであったが、クライスラーとフィアットが経営統合してFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)となったこと、及び、FCAとジャガー・ランドローバー・ジャパンの両インポーターが他ブランドとの競売を認めたこと、の2つの理由から取扱ブランドが多岐にわたっている。店舗数は2018年に開設したアルファロメオ大田を含めて2018年6月末現在で14店舗を展開している。

ウイルプラスモトーレンはBMW及びMINIの正規ディーラーを展開している。2018年6月末時点では福岡県で5店舗、東京で2店舗の合計7店舗を運営している。

帝欧オートは福岡県内でボルボの正規ディーラー事業を展開していた。同社の傘下入り後の2017年5月には事業譲受でボルボ・カーズ小田原を獲得し、2018年6月末現在は福岡県で4店舗、神奈川県で1店舗の合計5店舗を展開している。

ウイルプラスアインスは2019年1月に第1号店となるポルシェセンター郡山(仮称)を福島県に開設予定で現在準備を進めている。

(2) 事業内容
各事業会社における事業の内容は、新車の仕入販売のほかに、中古車の仕入・下取と販売、整備・修理などのアフターサービスの提供、自動車保険の代理店事業などがある。こうした実情に応じて、同社は売上高の品目別内訳を開示している。

2018年6月期実績では、新車販売は12,955百万円で売上構成比は50.3%であった。50.3%という売上構成比は低いような印象も受けるが、同社が取り扱うブランドは輸入車の中でもいわゆるプレミアムブランドが多く、高価格帯のものが多いため、後述するように中古車を積極的に生かした営業を行っていることが背景にあると見られる。

中古車販売は同社のビジネスで重要な位置を占めている。同社自身が取り扱うブランドのもので、高年式低走行の認定中古車を中心に顧客(個人・法人)への販売を行っている(中古車売上として計上)。一方、下取りした他社ブランド(例えば国産車ブランド)の車両や認定中古車の基準に達しないものは、オークションなどで販売している(業販売上として計上)。その他には自動車保険(任意保険)加入の代理店手数料や新車販売に関するインセンティブなどが含まれる。同社はストック型ビジネスである保険販売に注力しており、新規任意保険付保率(新車購入者が同時に任意保険に加入する割合)は36.4%(2018年6月期実績)と、業界平均の約17%の2倍以上の水準となっている。

利益面に目を移すと、利益率という点では保険の代理店手数料やインセンティブが入るその他が最も高く、新車販売が最も低くなっている。新車販売は原価が高いことが低利益率の原因だが、一方で新車購入の顧客は店舗やブランドへのロイヤリティが高く、修理や車検等で購入店舗に持ち込むことが多い。前述の保険加入もその一例と言える。顧客を長く囲い込めるので、全体としてみれば収益性を十分確保できている。

中古車の販売は、車両販売にかかる利益だけの比較では利益率は新車のそれを上回る。しかし一方で、ネットによる全国販売が可能なため、売り切りとなってメンテナンスを含めた継続的な取引が見込めないことも多い。遠隔地の購入者は自宅近くのディーラーに持ち込むことになるためだ。

車両整備は利益率の高い部門とみられる。弊社では、車両整備の収益規模は、中長期的に右肩上がりで推移するとみている。理由の1つは言うまでもなく累計販売台数の増加だ。もう1つは、ディーラー整備がスタンダードとなる方向性にあることだ。この背景には、自動車のエレクトロニクス化が進む一方でメーカー側が診断装置やソフトを外部に出さない、いわゆる囲い込みが強化されてきていることがある。消費者側においても、自動車が日々高機能化・複雑化するなかで、安全・安心を求めて正規ディーラーで整備を受けるという意識が一段と高まってくるものと思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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