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【注目トピックス 日本株】エーバランス Research Memo(2):IT企業からスタートし、現在はグリーンエネルギー事業を主力事業として展開

2018年10月12日 15:02

■事業概要

1. 会社沿革
Abalance<3856>は2000年4月にインターネットサービスの開発・運営、並びに企業向けナレッジマネジメントソリューションの提供を目的に設立されたIT企業である。2007年9月に東証マザーズ市場に上場し、調達した資金で米国やインドの同業他社を買収し事業拡大を目指したが、2008年秋のリーマンショックによるIT投資の冷え込みにより、収益状況が大きく悪化し、2011年6月までに海外事業をすべて売却した。そして、新たな成長戦略として乗り出したのがグリーンエネルギー事業となる。近年IT技術を生かし、グリーンエネルギー向けの遠隔システムの開発販売している。また、最近はRPAの開発及び新規顧客の開拓に注力している。

2011年11月に建設機械の仕入販売やグリーンエネルギー事業を展開していたWWBを株式交換により子会社化したのを契機に、2013年2月にはWWBが国内企業と合弁で常陽パワー(株)(千葉県)を設立(出資比率30%)。また、2017年3月には太陽光発電所の分譲販売事業を主に九州エリアで展開する(株)バローズを完全子会社化した。直近では2018年4月にWWBの関連会社であるFUJISOLAR(出資比率34%)がベトナムの太陽電池メーカーであるVSUNの持分を全て取得し、子会社化している。VSUNは2015年に日本企業によって設立された新興の太陽電池メーカーだが、2017年12月期には売上高で6,115百万円、営業利益で713百万円と急成長を遂げている(0.004720円/VND)。VSUNをグループ会社化した目的は、海外でのグリーンエネルギー事業の拡大にあり、2019年6月期から持分法適用関連会社として連結業績に組み込まれる。また、将来的にはFUJISOLARを子会社化することで、連結対象子会社となる可能性もある。

なお、同社は社名を2017年3月に旧リアルコム株式会社からAbalance株式会社に変更している。社名の由来は、頭字の「A」には、「Ace」「All」「Action」の総称として「プロとして最高を目指し(Ace)顧客を含め全てのことに広く貢献するために(All)、事業活動を行い顧客と共に社会的価値を創り続けていく(Action)」という意味が込められている。また、「balance」は「調和」を意味し、事業的な相互補完を含めた同社グループの各事業の調和を最大限に図りつつ、すべてのステークホルダーが、同社グループとの間において実質的に公平に便益を享受し、有機的な調和を構築・維持できるようになることを目指すという決意を映している。また、グローバルな事業展開を目指して行く決意を含めるため、アルファベット表記としている。

M&Aによりグリーンエネルギー事業を国内外で拡大中
2.事業内容
同社の事業セグメントは、同社が展開するIT事業と、子会社で展開する建機販売事業、グリーンエネルギー事業の3セグメントで開示されている。2018年6月期のセグメント別売上構成比で見ると、IT事業が1.1%、建機販売事業が9.7%、グリーンエネルギー事業が89.2%となっており、グリーンエネルギー事業が同社の主力事業となっている。

(1)IT事業
同社で展開するIT事業では、企業の業務効率化を支援するための情報共有・ナレッジマネジメントツール「Knowledge Market」の販売や、マイクロソフトのコラボレーションソフト「Share Point」やそのオプションとなる「Nintex Workflow」(開発元:豪Nintex社)等のライセンス販売、導入支援サービスを中心に展開している。近年、IT技術を生かしグリーンエネルギー向けの遠隔監視システムの開発販売している。また、最近AI技術を駆使しRPA技術開発、新規顧客の開拓にも注力している。

(2)建機販売事業
WWBにおいて建設機械を国内及び東南アジア販売している。中古建機の仕入販売では圧倒的に競争力のある商品を取り扱っているほか、中国の世界的建機メーカーである三一重工(ブランド名:SANY)やサンワードの正規代理店として、建設機械やロジスティクス機械等の販売(新製品・中古販売及びレンタル)を行っている。顧客は国内外の建設会社や土木工事会社、物流関連会社、輸出入販売会社等となっている。近年海外で日本ゼネコン工事向けレンタルリース事業を積極的に展開している。

(3)グリーンエネルギー事業
WWB及びバローズ、(株)バローズエンジニアリングで、案件の開発・設計、ソーラーパネル及び関連商材(パワーコンディショナ、蓄電池等)の仕入販売、ソーラー発電所建設工事等を展開している。また、持分法適用関連会社として常陽パワー、東陽パワー(株)、陽上パワー(株)などがあり太陽光発電事業等を行っているほか、2019年6月期よりベトナムの太陽電池メーカーであるVSUNが加わる予定となっている。

顧客はソーラー発電所の保有・運営事業を手掛ける国内外企業や、住宅用ソーラーパネルの施工を手掛ける地域の工務店等となる。太陽電池モジュールは中国の大手メーカー3社から調達し、パワーコンディショナは国内の三菱電機<6503>や富士電機<6504>、安川電機<6506>等の大手メーカーから調達している。なお、2018年6月期末時点で同社グループ(常陽パワー等の持分法適用関連会社)が保有するソーラー発電所の能力は約10MWとなっている。また、ソーラー発電所建設の実績としては、千葉を中心とする関東エリアと九州エリアに集中している。関東エリアはWWB、九州エリアではバローズが主に開発・販売等を手掛けている。

同事業のセグメント利益率はここ数年、10~20%の間で推移している。収益変動要因としては太陽電池モジュールの価格動向が挙げられる。同社は中国メーカーから太陽電池モジュールを仕入れているため、中国での市況変動や為替レートの影響を受けることになる。ただ、ここ数年は海外メーカーの国内市場シェアが5割を超えている状況になっており、競合企業との競争も激しくなっていることから、仕入価格が仮に下がったとしてもタイムラグを置いて販売価格も下がるため、馴らしてみればさほど影響を受けないことになる。逆に、為替が急に元高円安になった場合には一時的に収益性が悪化するリスクがある。

(4)同社の強み
同社のグリーンエネルギー事業における強みは、以下の4点に纏めることができる。第1に、独立系企業であるため、迅速かつ柔軟な顧客ニーズへの対応が可能であるということ、第2に、国内外に豊富な知識・経験を有する多様な人材を擁していること、第3に、国内、中国、ASEAN地域において幅広いビジネスネットワークを構築していること、第4に、新規案件の企画から発電システムの調達、設計・工事請負、運用・保守までワンストップソリューションで提供可能なこと、が挙げられる。第5に、複合的な事業を有していることにより、リスク分散ができ、効率化した経営を図ることが可能とする。また、事業間のシナジー効果も期待するところである。特に、運用・保守については2017年4月に施行された改正FIT法でソーラー発電所運営事業者で義務化されることとなったが、今後、自社グループでソーラー発電所の保有・運営を積極展開していく同社にとっては既に運用・保守のノウハウを持っていることは強みになると考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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