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【注目トピックス 経済総合】【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆不安心理の落ち着き睨む◆

2018年10月14日 10:05

〇不安心理連鎖、落ち着き手掛かりを探す〇
世界株安連鎖が止まらない。何処まで下げれば、と言うより連鎖的に広がっている不安心理の落ち着きが、まず必要と思われる。指標的に見れば、NYダウ(-2.13%)より下落率の小さかったナスダック(-1.25%)、NT倍率(日経平均/TOPIX)縮小の傾向(11日13.27倍、3日の13.37倍から低下)が窺えるTOPIXの動きと考えられる。

不安心理連鎖の事例として二つ挙げられる。一つはソフトバンク株の急落。昨日終値9535円は9/28高値11500円に対し17.1%下落。日経平均(10/2高値)下落率7.6%の倍以上となっている。上昇が急だった反動もあろうが、サウジ情勢への懸念が背景と思われる。サウジの反体制派記者の行方不明問題が発生。先のアラムコ上場見送りと合わせ、孫会長のパートナーであるアルワリード皇太子の立場が微妙になっているリスクがある。原油相場の急落も、単に世界経済減速=需要後退懸念だけでなく、中東情勢の不透明感を嫌っている公算があろう。

もう一つは、ブレグジット交渉合意の可能性。15日にも大枠合意の観測と株価暴落が重なった。今までは交渉難航を嫌う展開だったが、改めて「合意」となれば、様子見だったロンドン・シティーから金融機関の大量流出が始まる可能性がある。つまり、市場は合意内容に懐疑的で、市場維持よりブレグジットそのものを優先することに懐疑的になっている可能性が考えられる。先に欧州株が軟調になっていた要因の一つと思われる。強気相場が持続しておれば、霧が晴れることを歓迎したかも知れない。来週の焦点の一つとなろう。
市場は単に米中貿易戦争激化を懸念するより、実際の戦争リスクまでも懸念している可能性がある。一時的な南シナ海などでの軍事衝突は避けられないとの識者の意見が出ており、中国の姿勢転換には突発事例による危機の高まりが必要との見方(キューバ危機やフォークランド紛争の事例)だ。

10日、米上院国土安全保障委員会でFBI長官等は「中国が米世論操作狙い前例のない活動を行い、最大の脅威」と証言、米司法省は航空宇宙産業を標的とする中国人産業スパイを逮捕(4月にベルギーで拘束され9月に身柄引き渡し)を発表。ブルームバーグは米通信大手のネットワークでハッキング用チップを発見と続報を打った。11日には米議会超党派で作る「中国に関する議会・行政府委員会」が中国のウイグル弾圧政策を痛烈に批判、中国は強制収容・再教育施設を合法化する改正条例案を可決する応酬があった。香港では英FT紙の記者が就労ビザ更新を拒否され、退去を迫られている。矢継ぎ早の攻防は緊張関係を一気に高めている。

11月G20で米中首脳会談も、との観測が流れたが市場は懐疑的。一時的反発に止まった。再来週末に予定されている安倍首相訪中では習近平主席との会談が予定されている様だが、是正のキッカケになるかどうか。日本が万が一、中国迎合的姿勢に終始すれば、米国からの批判が出てくる公算もある。中国の軟化を呼び込めば、逆に日本評価が高まることも考えられる。それまでの駆け引きを含め、分岐点になるかどうか注目される。

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(18/10/12号)

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