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【注目トピックス 日本株】中電工 Research Memo(3):中国電力への売上高依存度は3割弱だが、安定収益源に

2016年2月4日 16:05

■会社概要

(1)事業概要

中電工<1941>は、中国5県を主たるエリアとし、電力会社からの安定した工事高に、一般民間向け工事量を増加させ、全体の業績を拡大している。

○地域別売上高
2015年3月期における地域別売上高構成比(個別)は、中国地方が92.4%、その他が7.6%であった。本社を構える広島県のウェイトが最も高く、31.3%を占めた。続いて、岡山県が22.8%、山口県21.4%、島根県10.6%、鳥取県が6.3%。中国地方以外では、東京本部が4.3%、大阪本部が2.0%、九州支社が1.3%となった。

同社の事業体制は、中国地方に本店(広島市)、広島統括支社、広島中部支社、広島東部支社、岡山統括支社、倉敷支社、山口統括支社、山口東部支社、島根統括支社、鳥取統括支社と手厚い陣容を敷いている。また、広島に電力建設所を岡山、山口、島根、鳥取に電力センターを配置している。営業所及び出張所・支所を含めると、中国地域の事業所数は108ヶ所になる。日本の電力会社は、高品質の電力供給体制を確立しており、停電時間などは世界に比べて極めて短い。電気工事会社も、現場に近いところに拠点を設け、万全のバックアップ体制を整えている。中国5県以外の事業エリアは、東京と大阪に本部を設け、九州と四国に支社を置いている。全事業所数は、2015年7月現在、119ヶ所を数える。

○得意先別完工高
中国電力への売上高依存度は、ここ数年25~30%で推移している。2012年3月期から2015年3月期までの3ヶ年では、完工高(個別ベース)の電力向けが18.7%増加し、官公庁向けが3.2%減少したものの、一般民間向けが57.7%増加した。一般民間向け完工高が、電力向けの伸び率を上回ったことから、一般民間向けの構成比は49.7%から58.6%へ上昇した。

電力会社の設備投資の項目は、大きく電源、電力輸送、その他の3つに分かれる。電力輸送は、送電、変電、配電をカバーする。中国電力の電力輸送に関する設備投資額は、1999年度の991億円から、2005年度に限界ギリギリの302億円まで削られた。2014年度には423億円まで回復した。電柱などに経年劣化がみられ、維持更新の投資が不可欠であることから、安定した需要が見込め、同社業績の下支えとなろう。

○工事別売上高
電力会社からの受注は比較的安定しているものの、大きな割合を占める屋内電気工事と空調・管工事は景気の波の影響を受ける。両工事の受注高(個別)は、2008年3月期の90,326百万円から2010年3月期に59,371百万円へ34.3%減少した。ただし、2015年3月期には101,597百万円と世界金融危機の前の水準を超えるまでになった。

2008年9月のリーマンショックに端を発した世界金融危機は、日本にも影響が波及し、実質経済成長率が2007年の2.2%から2008年はマイナス1.0%、2009年がマイナス5.5%へ落ち込んだ。金融市場における信用収縮に対応するため、民間企業は資金繰りを最優先して、設備投資を絞った。さらに、2011年春に東日本大震災が発生し、その後の日本企業は円高、高い法人税率、貿易自由化への対応の遅れ、労働規制、環境規制の強化、電力不足と六重苦に陥った。輸出産業は、為替変動の収益への影響を抑制するため、地産地消の動きが強まり、生産拠点を国内から海外へ移管することが加速化した。デフレ経済は、投資意欲を減退させた。

2012年12月に誕生した安倍晋三内閣の経済政策、アベノミクスは「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」の3本の矢を打ち出した。日銀による「異次元の金融緩和策」もあり、為替は円安に転じ、株式や不動産価格が上昇したことから民間企業の投資意欲を刺激した。さらに、地球温暖化の防止、エネルギー自給率の向上を目的に、再生可能エネルギーの普及を促進する政策がメガソーラーなどの太陽光発電システムの需要を拡大するなどビジネス機会を創出した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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