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【注目トピックス 日本株】アップル Research Memo(4):バランスを重視し、ROEを重要な経営指標とする

2016年3月24日 16:42

■中期的な経営戦略

アップルインターナショナル<2788>の2013年12月期から2016年12月期をカバーする4ヶ年中期経営計画は、企業のコンセプトを「ワンダフルカンパニー~全てのステークホルダーの夢をかなえる企業~」としている。重点施策は、株主価値拡大に向けた業績向上と積極的なIRの推進としている。2015年12月期の決算説明会では、久保会長兼社長が経営トップに復帰後、初めて説明に当たった。

グループ再編を果たした現在の経営方針は、売上追求から利益追求へのシフトである。コーポレートスローガンとして、“FORWARD THE FUTURE”を掲げている。継続的及び安定的な収益の確保を目的として企業経営を行うため、既存事業による収益と新規事業への投資の両面についてバランスを保ちながら収益拡大を図る『拡大均衡政策』を実施する。重視する経営指標は成長性として増収率、収益性として売上高経常利益率、効率性としてROE(自己資本当期純利益率)となる。ROEは、収益性(売上高当期純利益率)、回転性(総資産回転率)及び財務体質(財務レバレッジ:自己資本比率の逆数)を構成要素とする経営の総合指標であるため、投資家から最も注目されることになろう。

今後は、中古車輸出事業と中古車買取・販売事業が二本柱となる。中古車輸出販売の事業戦略は、東南アジア諸国に経営資源を集中し、従来まで欠落しがちであった現地ディーラー並びにユーザーの利便性を追求し、安定した収益の確保を目指す。

○日本国内の中古車買取・販売事業
少子高齢化や若者のクルマ離れなどを反映して、日本国内の中古車縮小傾向にあるため、同社は年率5~8%の着実な成長を目指す。連結子会社のアップルオートネットワークが担当する中古車買取・販売事業の2015年12月期連結売上高は、前期比18.0%増の4,648百万円となった。期末の直営店10店舗を含むアップル加盟店舗数は238店舗と前期比13店舗増加した。2016年12月期は、13店舗の増加を計画している。2017年12月期には300店舗とする目標を掲げている。全国47都道府県のうち、西日本にある9県がいまだ空白になっている。2016年12月期中にこれらを埋めて、全国制覇をする計画でいる。FC加盟店の応募がない場合は、直営店の出店も考慮する。これらの新店舗を拠点として、その近隣に新たな店舗の誘致を図る。

従来の買取・販売事業だけでなく、付帯事業の展開により事業領域の拡大を図る。オリコン日本顧客満足度ランキングによると、「車買取会社」部門で、「アップル」は2年連続No.1に輝いた。加えて、スピード成約を特徴に、損害保険の窓口、通販型保険とレンタカー事業に注力する。保険業務では、スマホ用アプリを開発し、アップルストアやグーグルプレイを利用して保険証券をスマホに保存・携帯できるようにした。レンタカー事業は、事業資金も問題があり、直営店では対応可能だが、FC店向けにリース会社を入れたスキームを推進する考えだ。

○タイの自動車市場
タイは、アジアのデトロイトと呼ばれている。完成車メーカーだけでなく自動車部品会社も数多く集積している。2015年の同国自動車生産台数は前年比1.8%増の191万3000台であった。国内販売台数が前年比9.3%減の79万9000台であったのに対し、輸出は同6.8%増の120万4000台と国内販売台数を大きく上回っており、自動車の輸出拠点となっている。

世界最大メーカーのトヨタ自動車<7203>は、グループの海外生産比率(台数ベース)を2007年3月期の39.3%から2015年3月期には51.9%へ上げた。為替リスク軽減のための生産の海外移管に加え、世界最適地生産という方針を進めたためである。

トヨタは、2002年に新興国をターゲットとした世界戦略車プロジェクトを発表した。グローバル戦略に基づき、日本で生産されていた車種を海外に移管するのではなく、アジア、中南米、アフリカなどの市場をターゲットに開発されたものを日本以外の地域で生産する。このIMVプロジェクトでは、1つの共有プラットフォームからピックアップトラック、ミニバン、SUVが作られ、さらにピックアップトラックは3つのバリュエーションに分かれる。「IMV」は、“Innovative International Multi-purpose Vehicle”の略であり、「革新的国際多目的車」を意味する。トヨタグループのアジアにおける仕向地販売台数と生産台数は、生産台数が販売台数を上回る逆転現象がみられる。

タイ発のピックアップトラックが国際戦略車となっている。トヨタの日本国内向けピックアップトラック「ハイラックス」は、2004年に6代目で終了した。7代目は、IMVプロジェクトにより新興国向けにパワーと低価格を重視したモデルが開発された。生産は、タイで開始され、その後、アルゼンチン、南アフリカと増やした。マレーシアなど他の国では、ノックダウン生産をしている。2015年に市場に投入された8代目は、前モデルに比べ安全性と耐久性を大幅に向上させた。乗り心地を左右するサスペンションの仕様は、スタンダード、高積載に対応するヘビーデューティ、乗用車並みのコンフォートと3種類を用意した。

タイの自動車市場の特徴は、商用車の需要が乗用車よりも大きいことである。2015年の販売台数の構成比は、商用車が62.6%、乗用車が37.4%であった。1トンピックアップトラックは、商用車の77.7%、全体の48.6%を占めた。タイの新車市場では、1トンピックアップトラックが主役となっている。

トヨタは、タイでの販売シェア(Lexusを含む)が2位メーカーを大きく引き離し、33.3%を取っている。トヨタに次ぐいすゞ自動車<7202>は、乗用車の販売はしていない。2015年のメーカー別シェアでは、日本企業が1位から6位まで占めた。トップ10に入った7社のシェアは8割を超え、日本メーカーがタイ市場を席巻している。

総販売台数のうち1トンピックアップトラックが占める割合は、トヨタが55.2%、いすゞが89.7%であった。販売シェアトップ10に入った米系メーカーの同比率は、Fordが77.3%、GM(Chevrolet)が74.6%といずれも高い。

1トンピックアップトラックの新興国向け中古車輸出は、日本での商品手当てが難しく、タイからの輸出が適していることになる。タイが加盟しているASEAN(東南アジア諸国連合)は、2015年末にASEAN経済共同体(ASEAN Economic Community:AEC)を発足した。域内人口は欧州連合(EU)を上回る6億2,000万人、域内総生産は2兆5000億ドルに達する。シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ブルネイの6ヶ国では、品目ベースで98%以上の域内関税が撤廃された。2018年には、自由貿易地域がCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)へ拡大する予定だ。2014年のAEC域内貿易額は6,083億ドルと、10年間で2.3倍に増えた。目下、鉄道や国際幹線道路などの輸送網に関するインフラ整備が進められている。

タイは、日本と同じ右ハンドルの国になる。AECの中で、他に右ハンドルの国は、インドネシア、シンガポール、ブルネイ、マレーシアがある。これらの国は、タイからの中古車輸出が適している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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