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【注目トピックス 日本株】テラ Research Memo(6):細胞医療事業や医療支援事業の黒字化によって、収益改善を目指す

2016年3月24日 16:33

■今後の見通し

(1) 2016年12月期見通し

テラ<2191>の2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比7.5%増の2,052百万円、営業損失が316百万円(前期は601百万円の損失)、経常損失が328百万円(同623百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が349百万円(同990百万円の損失)と収益改善を見込んでいる。

今期はまず、コスト削減に取り組み収益体質の改善を図ることに注力していく方針だ。研究開発費や広告宣伝費の選別を行うほか、家賃等の固定費を削減することで前期比200百万円程度のコスト削減を見込んでいる。また、売上面では樹状細胞ワクチン療法の症例数拡大に向けた取り組みを推進することで、細胞医療事業の増収を計画している。医薬品事業に関しては開発費等が増加することから損失額は拡大するものの、細胞医療事業や医療支援事業の黒字化によって、全体での収益改善を目指していく。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。

○細胞医療事業
細胞医療事業では契約医療機関数の拡大や、契約医療機関における先進医療申請並びに海外患者受け入れ数拡大のための支援を強化することで症例数を増加基調に戻し、期間業績での黒字化を見込んでいる。

契約医療機関に関しては2016年2月に金沢医科大学と提携契約を、メディポリス東京クリニックと連携契約をそれぞれ締結し、2月末現在で契約医療機関数は39ヶ所となっている。このうち、金沢医科大学は「地域がん診療連携拠点病院」として国から指定されているほか、2015年4月には「再生医療センター」を開設し、再生医療における新たな北陸の拠点としての役割を担っている医療機関でもあることから、今後の樹状細胞ワクチン療法の症例数増加だけでなく、同社の樹状細胞ワクチン療法の信用力向上につながるものとして期待される。一方、メディポリス東京クリニックは、がん最先端治療の1つである「陽子線治療」を行うメディポリス国際陽子線治療センターの関連クリニックで、今後来訪患者は「陽子線治療」のセカンドオピニオンだけでなく、樹状細胞ワクチン療法を含む「統合医療」を受けることができるクリニックとなる。今後、契約医療機関を拡大していくに当たって、同社では自社の営業リソースが限られるなかで、他社との連携を進めながら効率的に契約件数を拡大していくことを検討している。

また、自社技術の競争力強化につながる新技術の検討・導入も、機会があれば進めていく方針だ。新技術の導入とは、従来技術の改変や進化につながる可能性のある新たながん抗原の取得や、樹状細胞ワクチンの品質や生産性向上につながる新たな製造技術などが想定される。

○医療支援事業
医療支援事業の業績は、売上高で前期比横ばいと保守的に見ているものの、利益面では若干の黒字を見込んでいる。子会社別で見ると、バイオメディカ・ソリューションは細胞培養関連装置の販売だけでなく、保守サポート収入の増加が見込まれることから増収増益となる見通し。また、イメージングCRO事業を行うタイタンは前期に収益体質の改善に向けた固定費の削減を実施していること、並びに受注も順調に伸びていることから今期は売上高で10%増収、利益も黒字転化を見込んでいる。オールジーンについても企業や研究所からの遺伝子解析サービスの受託が順調に伸びているほか、腸内フローラ検査サービスも企業向け並びに医療機関向けに増加するなど、売上高は順調に増加しており、利益面でも黒字化を目指していく。一方、テラ少額短期保険については、前述したとおり契約数は順調に伸びているが責任準備金の引当も増加するため、今期も若干の損益改善が見込まれるものの赤字が続く見通しとなっている。

○医薬品事業
医薬品事業では、樹状細胞ワクチンの膵臓がんを適用領域とした承認取得に向けた開発を進めており、2016年内に治験届の提出を目指している。当初は細胞培養の再現性に課題があり治験届の提出が当初想定の2015年から遅れたが、一定の品質、安定性をほぼクリアしたことで、今回は予定どおり治験届を提出できるものと弊社では考えている。また、同時並行で複数のアライアンス候補先企業との交渉も行っている。アライアンス先に関しては1社もしくは複数社の可能性もあるとしている。治験費用に関しては、治験の症例数やライセンス契約締結の有無、契約時期やその内容によって同社の負担額も変動することになる。再生医療等製品として条件付き(早期)承認制度を活用する予定で、症例数にもよるが、治験開始後順調に進めば3〜4年程度で条件付き承認が得られる可能性がある。

なお、前期より製造販売を開始した凍結保存溶液は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を用いず細胞をより安全に冷凍保存することを可能にしたもので、解凍後の細胞の機能や生存率も高いといった特徴を持っている。同保存溶液を用いることで、樹状細胞ワクチンの機能を維持したまま搬送し、長期保存が可能となるほか、従来は必要であったDMSOを除去するための特別な設備や作業が不要となるため、搬送先医療機関での作業プロセスの大幅な短縮と治療行為の簡素化に寄与するものとなる。連携医療機関への樹状細胞ワクチンの搬送用として今後の需要増が見込まれるほか、樹状細胞ワクチンが医薬品化されれば、付随する商品として更なる販売増が期待できる商品となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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