マネーポストWEB「マネーポスト」公式サイト

FiscoNews

【注目トピックス 日本株】カイオム Research Memo(1):戦略的アライアンスにより創薬基盤技術強化と開発パイプラインの拡充に注力

2016年3月25日 16:00

カイオム・バイオサイエンス<4583>は、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)発の創薬基盤技術型バイオベンチャーである。独自の創薬基盤技術であるADLib®システムを核とした抗体医薬品の研究開発支援や研究開発等を行っている。ADLib®システムの特徴は、従来の抗体作製技術と比較して「多様性」「迅速性」「困難抗原への対応」に優れていることにあり、従来方式では作製が困難な抗体を中心に研究開発を進めている。

2月12日付で発表された2015年12月期の業績は売上高で280百万円、営業損失で1,269百万円となった。売上高は、中外製薬<4519>グループを中心とした国内外製薬企業や、アカデミアとのADLib®システムを用いた創薬支援プロジェクトの収入や、オリジナルADLib®システムの技術導出先である、みらかホールディングス<4544>グループの富士レビオ(株)からのロイヤルティ収入などが寄与したが、利益面では、完全ヒトADLib®システムの技術導出活動やリード抗体の開発に向けた研究開発負担が重く、損失が続く格好となった。なお、当期のトピックスとしては、がん幹細胞を標的とした抗体「LIV-1205」に関して、スイスのADC Therapeutics社(以下、ADCT社)とAntibody Drug Conjugate(ADC:抗体薬物複合体※)での全世界における独占的開発・販売権に関するオプションライセンス契約を締結したこと、感染症領域での完全ヒト化抗体の開発実績を持つイーベック社に資本参加したことが挙げられる。

※ADC(抗体薬物複合体)は抗体と薬物を結合させ、抗体の抗原特異性を利用して薬物を疾患部位に効率的に行き届かせることを目的とした抗体薬のこと。次世代のがん治療法としても注目されている技術である。

今後の成長戦略として、戦略的アライアンスの推進による創薬基盤技術の強化と、医薬品候補となりうる開発パイプラインの拡充に注力していく方針だ。完全ヒトADLib®システムについては、パイプラインとして取り扱えるPOC確立済みのターゲットでの開発実績を蓄積し、抗体作製機能の検証を進めていくことで、導出につなげていく考えだ。また、パイプラインとしては旧(株)リブテックが開発したがん疾患を対象とする抗体(LIV-1205※1、LIV-2008※2)や、抗セマフォリン3A抗体の導出活動を継続していくほか、新規パイプラインの拡充も進めていく予定となっている。

※1 LIV-1205:肝臓がんを中心とする固形がんの細胞表面に発現する抗原(標的分子)「DLK-1」に結合し、がんの増殖活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体
※2 LIV-2008:乳がん、肺がん、膵臓がん、大腸がんを中心とする固形がんの細胞表面に発現する抗原(標的分子)「TROP-2」に結合し、がんの増殖活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体

なお、同社の事業セグメントは2015年12月期まで創薬アライアンス事業、リード抗体ライセンスアウト事業および基盤技術ライセンス事業と定義されていた。今期2016年12月期より事業セグメントを変更し、創薬事業および創薬支援事業の2つのセグメントとしている。これは、事業展開や経営変化に即応した迅速な意思決定と効率的な業務の執行を目的としたためである。

2016年12月期の業績見通しは、創薬事業での合理的な業績予想の算定が困難なことから非開示となっているが、創薬支援事業の売上高は227百万円と前期比で若干の減収を見込んでいる。今期は収益体質を筋肉質なものとするため、希望退職による社員数の適正化を実施するほか、研究開発費もプロジェクトの選択と集中を行い抑制していく計画となっている。このため、営業損失額は前期から縮小することが予想される。

■Check Point
・ヒト化抗体「LIV-1205」に関してスイスADCT社と独占的開発・販売に関する契約
・潤沢な手元キャッシュにより事業資金は確保
・戦略的アライアンスによりADLib(R)システムと他の創薬技術の融合を図る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

<HN>

fisco

「マネーポストFX」の注目記事

半年の最大損失が約6万円なのに、取引全自動で稼ぎは50万円以上のFX
取引全自動のFXシストレ 5万円元手に1か月で8万円稼いだ実力
忙しくてもFX自動売買で1000万円儲けたトレーダー
40代投資家 「守り」を意識した売買で5000万円突破
相場観ゼロでもFXで1000万円稼ぐ方法とは
  • 約1年で140万円の儲け 暴れ馬ポンドで稼いだFXシストレ
  • 年間利回り10%以上も可能 海外銘柄で配当投資を始める方法
  • 2017年夏号(6月1日発売号)

    大特集は〈ただならぬ大化け株 総力発掘50〉。藤野英人氏が見出した「次世代テーマ株」や、戸松信博氏、藤井英敏氏らが注目する爆騰期待の個別株をランキング形式で紹介。橘玲氏、森永卓郎氏らによる連載も充実。定価620円。お早めにお求めください。

    当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

     日頃、雑誌『マネーポスト』をご愛読いただきまして誠にありがとうございます。このたび、『マネーポスト』は2017年夏号(2017年6月1日発売号)をもって、当サイトに完全移行・統合することとなりました。
     これまでのご愛顧に心から感謝いたしますとともに、「マネーポストWEB」も同様にお引き立ていただければ幸いです。

    2017年夏号(6月1日発売号)

    大特集は〈ただならぬ大化け株 総力発掘50〉。藤野英人氏が見出した「次世代テーマ株」や、戸松信博氏、藤井英敏氏らが注目する爆騰期待の個別株をランキング形式で紹介。橘玲氏、森永卓郎氏らによる連載も充実。定価620円。お早めにお求めください。

    当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

    小学館雑誌定期購読小学館のプライバシーステートメント問い合わせ広告掲載について

    © Shogakukan Inc. 2017 . All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. 掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。