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【注目トピックス 日本株】ピクスタ Research Memo(2):デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA」の運営を行う

2016年3月25日 16:26

■会社概要

(1)沿革

ピクスタ<3416>は2005年に、現社長の古俣大介(こまただいすけ)氏により、デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA」の運営を目的として、株式会社オンボードとして設立された。2006年5月に「PIXTA」がリリースされ、事業がスタートした。PIXTAの取扱商材は、写真素材からスタートしたのち、2007年にイラスト素材、2010年に動画素材がそれぞれ追加された。2009年に現社名に商号変更し、2015年9月に東証マザーズ市場に上場して、現在に至っている。

同社が取り扱う写真・動画・イラストは、本質的に言語や国家、文化といった障壁が低い。したがって同社自身も海外市場を意識した事業展開を行ってきた。2013年7月に英語版サイトを、同年12月に中国語(簡体字、繁体字)サイトを、2016年2月にはタイ語版サイトを開設し、それぞれの言語使用者による素材の投稿(提供)を促す体制を構築した。また、事業拠点としても2013年にシンガポール、2015年に台湾に進出したほか、2016年にはベトナムに開発拠点を設立する予定だ。

(2)事業モデル

a)事業の概要
同社の事業は“デジタル素材マーケットプレイス『PIXTA』の運営”だ。PIXTAというインターネット上に開設された市場に、クリエイター(素材提供者)から多くのデジタル素材(写真、動画、イラスト)を集め、それらを必要としているユーザー(法人・個人)に販売するというものだ。同社は投稿されたデジタル素材のうち、実際に販売された素材について、クリエイターに報酬を支払う。すなわち素材の売上が同社の売上高であり、クリエイターに対する報酬(コミッション)が原価という関係だ。

同社は現時点では写真、イラスト及び動画を取り扱っている。中でも現在の中心は写真だ。写真市場は大きく2つある。1つは、雑誌の表紙やカレンダーなど、特定の目的のためにプロが撮影を行う、撮り下ろし市場だ。言わば注文撮影市場と言える。もう1つは目的を限定しないで撮影された写真素材の流通市場だ。こうした写真素材のことを“ストックフォト”と呼ぶこともある。市場規模としては撮り下ろし市場がストックフォト市場よりも大きいとみられるが、徐々にストックフォト市場が撮り下ろし市場を代替していっているとみられる。

弊社では、PIXTAをより良く理解する最大のキーワードは「アマチュア」であると考えている。この意味には、アマチュアのクリエイターと、購入者における個人や一般企業という、売り買い双方が含まれている。わかりやすく言えば、本来であればプロ限定であるはずの魚市場に、個人の釣り人が釣った魚を持ち込むことができるようにしたというイメージだ。このアマチュアの存在が同社の事業モデルの特徴であると同時に強みでもあり、また、成長ポテンシャルの高さにつながっていると弊社では考えている。

b)PIXTA事業が成り立つ社会的背景
PIXTAはマーケットプレイス(市場)であるので、商材であるデジタル素材を売りたい人とそれを買いたい人の両サイドの人間が集まってくることが必要だ。そして、同社はそこに「アマチュア」を取り込んだ。こうしたPIXTAの事業機会を生み出す社会的背景は以下のようになっている。

i)デジタル素材が集まる背景
PIXTAにおける典型的クリエイター像は、プロフェッショナルは別とすると、デジタル一眼レフカメラ(ミラーレス一眼を含む)を趣味とする写真(カメラ)愛好家だ。カメラの機種でくくっているのは、商用印刷に使用されることを想定して、一定水準以上の画質を確保するためだ。

デジタル一眼レフカメラ(統計上はデジタルスチルカメラの“レンズ交換式”で集計)の出荷台数は、単年では2013年に出荷台数のピークを迎えたものの、同社の事業環境として大事な値は、実際に使用されているカメラの台数だ。カメラの使用サイクルなども考えて直近5年間の累計出荷台数で見ると、2015年末の段階で907万台となった(日本向け出荷台数)。カメラの高性能化で、誰もがクリエイターになれる状況が出来上がっており、マーケットプレイスを用意さえすれば自ずとストックフォトが集まるような状況にあるということだ。

同社が現在取り扱っているデジタル素材の点数は2016年2月の時点で1,600万点を超え、日々増加している状況だ。同社に素材を提供するクリエイターの総数は2015年の段階で約18万人、そのうちアマチュアが約90%を占めており、同社の狙いどおりの展開になっている。

ii)デジタル素材が売れる背景
写真やイラストなどのビジュアル素材に対するニーズは古くから存在していたが、インターネットやモバイル端末の普及でそのニーズが飛躍的に増大してきている。メディアにおいては伝統的なテレビや書籍・雑誌などに対して、インターネットメディアが台頭してきている。また、アナログ媒体のデジタル化も急速に進んでいる。こうした変化がストックフォトや動画に対するニーズを飛躍的に高めることとなった。

デジタル素材の利用頻度が高い代表例としてインターネット広告がある。インターネット広告市場は媒体費と制作費の合計が2014年に1兆519億円に達した。そのなかでデジタル素材の利用に直接関係するインターネット広告制作費は2,274億円となっている。また、足元では動画広告が急成長中だ。2014年段階では動画市場規模は300億円程度と小さいものの、2020年までの6年間の年平均成長率が36%という調査結果も報告されている。こうしたインターネット広告の現状は、同社にとって追い風であることは疑いない。

弊社では“アマチュア”の台頭も要注目だと考えている。従来であればプロフェッショナルに依頼していた事項(印刷、出版、広告など)に関して、“自分(あるいは自社)でやる”式の動きが急速に広まっている。PCはもちろんソフトウエアも進歩した今日では、アマチュアでもプロ顔負けのものを制作することが可能になっている。その際にデジタル素材をPIXTAなどから購入する動きは、これから本格的に拡大していくものとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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