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【Miniトピック】政治ショーで消費税の引き上げは難しくなった

2016年3月28日 7:08

安倍首相が著名な経済学者などを招き意見交換をする「国際金融経済分析会合」を開き、そこでノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授やジョセフ・スティグリッツ教授が消費増税の来年4月に予定されている消費税の10%への引き上げを先送りする意見を述べた。
 以前の再増税延期の際にもあったデジャヴのような光景だが、やはりこれで予定通りに再増税を実施することは非常に困難になった。
 なぜなら、もしこれで再増税を実施し本当に経済が大きく失速してしまうと、「経済が失速する懸念があり、著名な経済学者が警告していたにもかかわらず愚かにも消費増税を実施してしまった」という責任を安倍首相が負ってしまうことになるからだ。橋本龍太郎内閣は景気回復の途上で消費税を引き上げ景気の腰を折ってしまった内閣として歴史に名を刻んでしまったが、安倍首相は同じ轍を踏んだと非難されることになるだろう。
 安倍首相は「リーマンショックのようなことが起こらない限り再増税を予定通り実施する」としていたが、「再増税して経済が失速すれば元も子もない」などと微妙に発言を修正してきている。確かに、再増税したことで景気が失速し、税収がかえって減少するような事態となれば、なんのための増税だったのか、ということになるのでこの発言は一定の説得力を持つ。
 安倍首相の本音は完全に再増税延期に傾いているとみるのが妥当だ。上記の「国際金融経済分析会合」という公開の場をわざわざ設けて、著名な経済学者に再増税延期を述べさせたのも、世論やマスコミに再増税延期やむなしの雰囲気を醸成するための政治ショーとみることができる。
 自民党内部も参議院選挙を控えて再増税延期に反対する空気は作りにくい情勢である。
 現下の情勢で世論調査をすれば再増税反対が多数派となることは必至である。今回の「国際金融経済分析会合」によって再増税延期への外堀は完全に埋められたと言えよう。再増税を主導する財務省や強硬に再増税実施を主張する麻生財務相は反撃できるだろうか。
 現在、官邸VS財務省・党内財政規律派の間で暗闘が繰りひろげられていると思われるが、世論にアピールする有効な反撃がなければ、安倍首相による「重大な決断」は近いとみる。

<YU>

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