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【注目トピックス 日本株】カルナバイオ Research Memo(4):15/12期の売上高は過去最高を大きく更新、利益は創業来初の黒字化

2016年3月29日 16:29

■業績動向

(1) 2015年12月期連結業績

カルナバイオサイエンス<4572>の2015年12月期の連結業績は、売上高で前期比156.5%増の1,569百万円、営業利益は472百万円(前期は634百万円の損失)、経常利益は492百万円(同607百万円の損失)、当期純利益は456百万円(同846百万円の損失)となった。売上高は過去最高を大きく更新し、利益面では創業来初の黒字化を達成した。

収益が大幅増益となった要因は、創薬事業において初めてのライセンスアウトを行い、契約一時金を獲得したことにより、売上高が614百万円となったことに加えて、創薬支援事業も小野薬品工業との大規模委受託契約によってスクリーニングサービスが大きく伸びるなど好調に推移したことが挙げられる。なお、会社計画に対しても売上高、利益ともに上回って着地したが、これは創薬支援事業における国内および北米で売上が好調に推移したことと、受託サービスにおける生産性向上の効果によるものとなっている。

(2)事業別動向

○創薬支援事業
創薬支援事業の売上高は前期比56.0%増の954百万円、営業利益は同720.4%増の412百万円と大幅増収増益となった。売上高の内訳を見ると、スクリーニング・プロファイリング受託サービスが前期比136.5%増の457百万円と大幅に増加した。2015年2月に小野薬品工業と大規模委受託契約を締結したことで、小野薬品工業向けの売上高が317百万円となり、前期の180百万円から急増したことが増収要因となった。また、キナーゼタンパク質も同36.3%増の324百万円と好調に推移した。同社のキナーゼの品質の高さが評価され、北米のバイオベンチャーなどからの引き合いが好調に推移したのが要因だ。営業利益の増益要因は、増収効果に加えて受託サービスの生産性が大幅に向上したことによる。

地域別売上動向を見ると、国内向けは前期比90.3%増の584百万円、北米向けは同33.8%増の258百万円、欧州向けは同11.2%減の86百万円、その他向けは同76.4%増の24百万円となった。国内向けの増収要因は、上述の小野薬品工業向けのスクリーニングサービスの売上増による。また、北米地域向けはキナーゼタンパク質の販売増とプロファイリング・スクリーニングサービスが好調だったことによる。プロファイリング・スクリーニングサービスについては米ギリアド社を中心に引き合いが増加した。

(2)創薬事業

創薬事業の売上高は614百万円(前期は計上なし)、営業利益は60百万円(前期は685百万円の損失)と初めて黒字を計上した。2015年6月にヤンセン・バイオテック社に対して、リウマチを対象疾患とした医薬品候補化合物の導出に成功し、契約一時金を獲得した。同契約は全世界の独占的な開発・商業化に関する権利を供与するものとなっており、今後、開発のステップを踏むごとにマイルストーン収入が得られるほか、上市後の製品売上高に応じてロイヤルティ収入が得られる内容となっている。臨床試験の開始から上市までは一般的に5~10年程度かかるため、ロイヤルティ収入を安定的に得られるには早くても2020年以降となると見ている。

抗リウマチ治療薬は、抗体医薬品で約2兆円の市場規模となっている。キナーゼ阻害薬としては、米イーライリリー社が第3相臨床試験を行っており、売上高として最低3,000億円程度を見込んでいる。同社が導出に成功したキナーゼ阻害薬についても、動物モデルの試験では良好なデータ結果が得られており、販売承認が得られれば数千億円の売上規模が期待できる。抗体医薬品と同程度の薬効であれば、低価格で副作用が少なく、また、経口薬で通院負担が少ないといったメリットがあることから、抗体医薬品を代替していく可能性は十分あると弊社では見ている。

なお、同事業ではキナーゼ阻害薬を中心に複数の医薬品候補化合物の研究開発を、単独またはアカデミア等と共同で進めており、現在、複数のパイプラインが前臨床試験という開発ステージにある。このため、ライセンス契約やマイルストーン収入などがなければ、研究開発費を中心とした事業費用分だけの損失が計上される格好となっている。これが研究開発に対する先行投資を行うバイオベンチャーの特徴であり、今後も収入の有無により、黒字、赤字の決算を経て、同社の化合物が上市し、導出先の製薬企業からロイヤルティ収入を得られる段階で安定的な収益となる。なお、2015年12月期の研究開発費は417百万円(前期は561百万円)となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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