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【注目トピックス 経済総合】NYの視点:ドル・円は当面、調整局面か

2016年4月12日 7:12

ドル・円相場は心理的節目である110円をあっさり割り込み107円台半ばまで下落し、約1年半ぶりのドル安円高相場となった。日本銀行が量的・質的緩和(QQE)第2弾を実施した2014年10月31日時のドル・円相場109.18⇒112.32も割り込んだ。100円割れの可能性も指摘されている。

円高、ドル安が加速した理由としては、1)米国連邦公開市場委員会(FOMC)が世界経済の見通し悪化を受けて利上げに一段と慎重な方針に転換したこと、2)日米の実質金利差が縮小したこと、3)日本銀行が歴史的なマイナス金利を導入したことを受けて日銀の手段に限界が見られるとの懐疑的見方が広がり、アベノミクストレードの手仕舞いが目立つこと、4)G20でのドル安誘導の密約に対する思惑、5)米大統領選挙の年で利上げが実施しにくいこと、6)世界的なリスクの上昇、などが挙げられる。

また、リスクとしては、1)パナマ文書、2)世界の地政学的リスクの上昇、3)英国の欧州連合(EU)離脱、4)欧州中央銀行(ECB)が追加利下げに踏み切った場合の金融市場の混乱の可能性、5)米大統領選の不透明感、などが挙げられる。

円高の動きを受けて、日銀の黒田総裁は「投資家がリスクを避ける姿勢を強め、不安定な動きが続いている」「必要とあれば追加緩和も辞さない」と述べ、日銀の介入警戒感もくすぶる。一方で、米国財務省のルー長官は11日、ワシントンでの講演において、「為替介入による競争的な通貨切り下げは容認できない」と述べ「輸出増を狙った通貨安競争を慎むべき」と介入に否定的な方針を再確認。また、国際通貨基金(IMF)の改革をさらに進め、為替相場に関する調査権限を強化すべきだと提言した。14-15日にワシントンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、同様の見解を示すとみられる。同会合での主要議題は租税回避の防止策を協議するとされている。しかし、先に中国上海で行われたG20ではドル安誘導策などの密約の思惑もひろがったことなどから、為替に関する言及も見逃せない。

ルー米財務長官の見解や、G20、日本が議長国を務める主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控えて日本の当局が円高是正介入に踏み切る可能性は少ないと市場は見ている。このため、再び円安の流れに転じるのは当面困難とみる。米国のインフレ率上昇の兆しが見えることは米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ観測につながる。しかし、FOMCが世界経済を懸念して利上げを躊躇していることなどから米国の実質金利は低下。当初2.5%成長が予想されていた1-3月期国内総生産(GDP)も現状では0.1%成長まで引き下げられた。世界経済を最優先課題としている連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げに慎重な姿勢を転換しない限り、ドルも上昇が限定的となる。ドル・円は当面、105円から110円のレンジ内で調整が継続する可能性がある。

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