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【注目トピックス 日本株】アウトソシング Research Memo(9):米軍基地向けは沖縄の各施設の運営等に関するアウトソーシング事業を受注

2016年4月25日 15:59

■成長戦略

(1)中期経営計画

アウトソーシング<2427>は、2017年12月期を最終年度とする中期経営計画を推進している。国内メーカーによる生産拠点の海外移管(国内生産の縮小)や国内人口の減少、産業構造のパラダイムシフト(鉱工業からIT及び土木建築分野へ)などの環境変化に対応するとともに、景気変動の影響を受けやすい事業構造からの脱却を図ることで、持続的な成長を実現する内容となっている。

具体的には、IT及び土木建築分野を中心とした「技術系アウトソーシング事業」とアジアから欧州及び環太平洋地域へと展開する「海外事業」の伸びが同社の中期的な成長をけん引するシナリオとなっており、2017年12月期の目標として、売上高1,300億円、営業利益85億円(営業利益率6.5%)を掲げている。

また、利益面では、売上総利益率を20%の高い水準で維持するとともに、M&Aによる重複コストの削減や増収による固定費吸収等により販管費率の低下を図ることで、営業利益率の上昇を実現する想定となっている。

(2)主要事業の戦略と進捗

a)国内製造系アウトソーシング事業
国内市場が縮小する想定のもと、PEOスキームを活用した事業モデルにより、景気変動による影響の少ない新たな長期領域での市場創出により持続的な成長を目指す計画である。前期は労働者派遣法改正に伴ってメーカー直接雇用の期間社員から派遣活用への転換ニーズが顕在化し、PEOスキームが軌道に乗り始めた。PEOスキームにより新たに参入する領域(メーカーが直接雇用してきた期間社員のゾーン)は約20万人(同社推定)の潜在的な市場があるとみられる。2018年には、5年ルールを定めた2013年の労働契約法改正から5年が経過するため、それに向けた準備を含めてPEOスキームへの参画企業が加速度的に拡大していくことが予想されており、今後の進捗に注目したい。

b)国内技術系アウトソーシング事業
成長性や付加価値が高く、人材ニーズも大きいIT及び土木建築分野を中心に事業拡大を目指す計画である。IT分野においては、様々なモノのインターネット接続が進むIoTやビッグデータビジネス、クラウド化といった新たな需要を取り込むとともに、土木建築分野においても、道路・鉄道の拡充やオリンピック・震災復興の大型需要を見込んでいる。特に、成功のカギを握る技術者の確保については、人材育成カリキュラムによるキャリアチェンジを活用して差別化を図っていく戦略である。また、IT及び土木建築分野に加え、新たに機械・電機や医薬分野の顧客ニーズを反映した最新の技術研修も開始するようだ。

c)国内サービス系アウトソーシング事業
コンビニ業界向けは、大手コンビニ本部が進める全店舗一括管理において、その一部を受託するとともに、コンビニ業界の課題である店舗間の人材流動化や新規採用者の研修不足による早期退職の抑制に同社ノウハウを生かす方針である。既に、大手コンビニ本部から首都圏全店舗で、店舗ごとに使っている派遣会社の一括管理を受託しており、今後は全国へ展開していく。また、新規採用店員の即戦力化に向けた新人研修プログラムを大手コンビニ本部の協力を得て構築完了した。

一方、米軍基地向けは、既に沖縄の各基地から各施設の運営等に関するアウトソーシング事業の受注を獲得しているうえ、新たに岩国の米軍基地からも受注した。今後は、他基地(横田、横須賀、座間)からの受注も見込んでいるが、さらには環太平洋の主要米軍基地として、米国(カリフォルニア、アラスカ、ハワイ、グアム)、オーストラリア、韓国へ事業を拡大する方針である。

d)海外事業
海外事業は、グループシナジーの創出を追求しながら、各地域でのM&Aを強化する方針である。特に、先行して進出している東南アジアは、経済成長が著しいものの、同時にローカルリスクも高いことから安定した大きな市場がある欧米への進出を加速していくようだ。前期は、相次ぐM&Aによりアジア及びオセアニアにおける事業拡大のほか、新たに欧州や南米にも進出した。ノウハウ、サービスモデル、顧客リスト等の経営資源の相互活用や、グローバルに技術者を調達・育成・供給する仕組みの確立、アジアをオフショア拠点とするソフトウェア開発等のサポートなどに加えて、景気変動の影響を受けない公共事業の民間委託が進む国で各種事業の請負にも注力する構えである。

同社は4月1日付で英国Hamsard 3393 Limited及びHamsard 3394 Limitedの株式の取得を通じて、公的債権回収代行大手をJ.B.W. GROUP LIMITED(JBW)及びCASE DYNAMICS LIMITEDを同社のグループ傘下に入れている。JBWは英国において、中央政府並びに地方公共団体の公的債権の回収代行サービスを展開し、同国で実質業界3位のシェアを誇る。英国内の未回収債権は年を追うごとに金額も増え続けており、今後も外部委託領域が拡大する見通しだ。

また、同日オーストラリアBeddisonグループの子会社5社の株式及び4つのユニットトラストの持分の約80%を取得し、子会社化している。Beddisonグループは同国6州に拠点展開する地場資本の大手人材会社である。同社はこの子会社化により、成長が見込まれるIT系及び金融系分野での事業強化をはかるとともに、重要戦略である景気の影響を受けにくい政府機関への人材ビジネスへ進出する。英国及びオーストラリアでの相次ぐM&Aにより、オーストラリアをはじめ、シンガポールや香港など英国から独立した各国・地域の早期展開と、カナダなど関連する各国へもグローバル展開を図り、同社グループの事業安定化と拡大の両立を加速させていく考えだ。

弊社では、今回の労働者派遣法改正により事業拡大が見込めるPEOスキームのほか、重点施策である「技術系アウトソーシング事業」及び「海外事業」の進展に注目している。特に「海外事業」は、M&Aを含め、金融システムIT分野におけるグループシナジーの創出や米軍基地向けの環太平洋展開のほか、公共事業の民間委託における各種事業の請負など、潜在的な成長余地は大きいものとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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