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【注目トピックス 経済総合】【フィスコ・コラム】エスタブリッシュメント・メディアの今後

2016年5月4日 10:46

新年度入りした金融市場では再び年初のような混乱がみられ、株安・円高基調が続いています。一部の海外メディアは「アベノミクスの終焉」と安倍晋三首相の経済政策を批判していますが、国内の大手メディアからは読者や視聴者の溜飲を下げるような指摘がまったく聞こえてきません。日本経済は正念場を迎えているのに、なぜ厳しく追及しないのでしょうか。

それを知る前に、大手新聞社やテレビ局の記者のキャリアの積み方をみてみましょう。例えば新聞社を例に挙げると、一般的に大卒で記者になるとまず社会部に配属され、地方の警察を担当します。その後、希望や適性によって政治部や経済部などに担当が替わります。大体30歳代後半から編集と専門、つまり管理部門と現場に振るいにかけられます。管理部門に残れないと40歳代から順次、「片道切符」で子会社に出向していきます。この場合、年収のベースは下がるものの、安定雇用の下で定年を待つことができ、その後年金生活に入ります。志が高かろうが、正義感が強かろうが、一律年齢で決められてしまいます。

何かの組織に似ていませんか?そう、役所と同じなのです。保守もリベラルも関係なく社歴によって年収は毎年増加し、一部の経営難の会社を除けば40歳で1000万円はゆうに超えます。独自の年金が積み立てられ、老後は安心・安全な生活が待っています。株式上場していないので、会社が乗っ取られる心配もありません。会社から問題人物とにらまれなければ、あとは「天下り」に似た出向で定年を待つだけです。他人に頭を下げずにこんな安定した生活していられる仕事は、他に見当たりません。

志の高い人が自分でメディアを起ち上げる、あるいは英語の得意な人が海外メディアに移るといったケースはあります。しかし、そういう人が少ないことは想像に難くありません。ぬるま湯のような世界で年齢を重ねれば、20歳代には強かった志や正義感など溶けてなくなり、恵まれた生活を守ることが最優先になるでしょう。厳しくて鋭い政権批判など起ころうはずがありません。2012年12月に発足した第2次安倍政権の「アベノミクス」で円安・株高の流れとなったことに、将来の年金生活者でもある記者は大歓迎でした。

政権の政策運営の拙さのみならず企業のブラック化、年金制度の実質破たん、子供の貧困・・・弱者が虐待される社会システムを糾弾できる立場なのに、メディアはほとんど押し黙ったままです。政権批判はあったとしても、メディア自体が政治や行政と並ぶエスタブリッシュメント(支配階級)になってしまっているので、非エスタブリッシュメントの目線が決定的に欠落しています。「メディアは報じない」といわれる所以です。

ところで、米大統領選を伝える米国メディアをみると、日本のメディアの数年後を予感させられることがあります。現在予備選の最中ですが、エスタブリッシュメント・メディアは民主党の指名争いではクリントン氏に肩入れしています。一方、ネットを主戦場とする新興メディアはサンダース氏支持が目立ちます。同氏の健闘について、非エスタブリッシュメント・メディアの興隆が背景にあります。当然ながら、この点を指摘するエスタブリッシュメント・メディアは皆無です。有力メディアが一般市民の目線を持てないのは米国も同じで、一見巨大でも恐竜のように絶滅しつつあることが見て取れます。

<MT>

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