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【注目トピックス 日本株】白鳩 Research Memo(2):PB・コラボ商品の拡充を図る

2016年5月11日 17:12

■成長加速への取組み

白鳩<3192>は目下、今後の成長加速のための取組みを強化している。その背景には2015年8月期の期中下方修正という苦い経験があると弊社ではみている。下方修正の原因は外部要因に加えて、広告戦略の施策の遅れ、新規顧客獲得の伸び悩み、季節商品のサイトへの掲載の遅れなど、社内事情によるところも多かった。同社は同年下期からその対策に乗り出し、これまでのそれらの問題点をほぼ解消した。その効果は業績面に表れており、2015年8月期下期の営業利益は91百万円(前年同期比16.2%増、上期比33.1%増)、営業利益率4.2%と上期から急回復を示した。

同社は“2015年8月期からの回復”にとどまることを潔しとせず、さらに成長を加速させることを目指していると弊社では推察している。2016年8月期の諸施策は明らかにそれを意識したものだと思われる。以下では重要な施策について詳述する。

(i)販売サイトの分散化の強化
同社はEC企業として、本店(自社)サイトを始め、楽天店(2店舗)、Yahoo!ショッピング店、Amazon店など国内7店、海外3店を展開している。

販路別売上の状況は、かつては楽天サイトが60%近くを占めた時期もあったが、ここ数年は楽天の構成比は低下してきている。本店サイト以外はECモールへの出店ということになり、モール自体の集客力によって各店舗への集客が影響を受ける構造となっている。この点で同社は、今期は楽天市場よりもAmazonやYahoo!ショッピングの方に集客力の勢いがあるとの認識を抱いており、それに応じた対応を行っている。

具体例の一つとして、AmazonのFBA(フルフィルメント by Amazonの略称。Amazonが白鳩等出品者に代わって受注・出荷するプログラム。白鳩はAmazon側に事前に納品しておく)対応の商品数を拡大させたことがある。消費者はFBA対応商品を購入すると即日配送等Amazon独自のサービスを受けることができる。従って、対応商品拡大は販売増に明確に反映され、2016年8月期第2四半期のAmazon店売上高は前年同期比96%増となった。同社は今後もこの分野の強化を続ける方針だ。

2016年8月期第2四半期の販路別構成比は、Tmallグローバル店、Amazon店、Yahoo!ショッピング店が売り上げを伸ばした結果、構成比も順調に拡大した。楽天店が圧倒的なトップという状況は変わらないが、分散が着実に進展している状況だ。

(ii)本店サイトのリニューアル
上記の(i)とも関連するが、同社は本店サイトのリニューアルを行い、2016年4月にローンチした。リニューアルのポイントは、1)消費者の利便性向上と2)スマホ対応の2つだ。1)の利便性向上についてはさらに以下のような改善が加えられた。

検索機能向上:目的別とアイテム別に詳細に条件設定が可能となった。特に“カラー”を条件設定できる機能は本店サイトだけの特徴で、利用者の使い勝手を最も顕著に改善した部分といえる。

決済機能向上:ドコモID決済、LINE Pay、楽天ID決済、Amazonログイン&ペイメントを新たに加え、従来からのクレジットカード決済などと合わせて選択肢が10種類となった。これら新規追加の決済方法を選択すれば、各社のポイントを決済で利用できる点も消費者にとってはメリットとなっている。

スマホ対応自体は従来からなされていたが、サイトの作りがPCからのアクセスを前提としていたこともあって、実際の購買はPC経由がスマホ経由を大きく上回っている状況であった。最近の消費者の購買行動がスマホ経由主体へと劇的に変化してきていることを踏まえて、今回のリニューアルではスマホでの使い勝手を改善した。その結果、リニューアル後2週間のデータでは、スマホ経由の購買が過半を占めてPC経由を逆転した状況となっている。この現象が、これまでの非PCユーザーに対する機会損失を回復した結果であるとするならば、本店サイトのリニューアルは大成功と言えよう。

(iii)PB・コラボ商品の拡充・強化
同社にとって、利益率向上のキーポイントとしてPB・コラボ商品の拡充がある。コラボ商品とはメーカーとの協力体制のもと、同社が保有する顧客ニーズや売れ筋などの情報を反映させて開発した商品で、メーカーと同社のダブルネームで販売する商品だ。利益率はPB商品同様の高さとみられ、同社の利益率向上策のうちの重要な一つだ。

同社は売上高に占めるPB・コラボ商品売上構成比について、適正水準を30%に設定しており、早期にそこまで引き上げるべく注力している。コラボ商品の売れ行きが全般に好調で、メーカーからのアプローチも増えている状況にある。2016年8月期第2四半期のPB・コラボ商品売上構成比は21.7%であった。今通期では25%に達すると見込んでいる。

弊社ではPB・コラボ商品比率30%達成は比較的スムーズに進捗するとみている。インナーウェア専業EC企業である同社が有する情報はメーカーにとっても非常に有用であり、コラボ商品を出すメリットがメーカー側にも明確に存在するからだ。むしろ、同社が適正水準と設定している30%に到達したあとどうするのか、について興味を持って見守りたいと考えている。

(iv)越境EC対応の強化
越境ECの拡大は同社の中長期的成長の大きな原動力と期待される。同社は越境ECには4年前から本格的に取り組んでいる。これまでにアリババグループの天猫国際(Tmall)や楽天の海外モールなどに出店してきた。その後、楽天の海外展開見直しなどもあって、現状はTmallグローバル店と本店グローバル店、及びQoo10シンガポール店の3店が越境ECの窓口となっている。3つの販路の中ではTmallグローバル店が圧倒的で約90%を占めており、現状は中国が越境ECのメイン市場となっていることがわかる。

越境EC売上高は順調に拡大しており、2016年8月期第2四半期は、前年同期比50%超伸びて約180百万円に達した模様だ。売上構成比は7.8%に達した(前年同期の構成比は5.8%)。今第2四半期はシングルデー(独身の日)(毎年11月11日、「W11」)商戦を含む11月において約89百万円を売り上げ、当初の想定以上に新規顧客と売上高を獲得できた模様だ。

今後同社は、商品ラインナップの拡充と量の確保に努めるのはもちろん、質の面でもバイヤーの勘に頼らない商品選定を進める計画だ。また、他の中国大手インターネットモールへの出店も検討している。英語圏対応については、2016年3月に楽天シンガポール店、同インドネシア店を閉鎖したため仕切り直しとなる。当面は中国市場対応が優先されるのではないかと弊社ではみている。

越境ECに関する注意点としては、中国財政部による越境ECに関する税制度改革が挙げられる。これは、現行の越境ECに関する税金である行郵税を廃止し、免税範囲をなくす一方、増値税を課すというものだ。制度改革の詳細は複雑で、一概に増税なのか減税なのかを判断することは難しい。越境ECに対して逆風だと理解する向きも多いが、活況を呈する越境ECからの徴税強化策に過ぎないという見方も存在している。今後の推移を見守る必要があるが、4月後半の時点では何ら従来と変わりはない、というのが同社の実感のようだ。

同社は越境ECのデリバリーにEMS(Express Mail Service、国際スピード郵便)を利用している。今後もEMS利用を継続する方針だが、上記の税制度改革後の状況変化によっては、保税区を活用した商品発送スキームの利用なども検討していくとしている。

(v)物流センター用地の取得
同社は2016年2月、将来の物流センター用地として本社隣接の土地(約5,067平方メートル)を877百万円で取得した。購入代金は銀行借入れにより賄った。

この件について過大投資と懸念する向きもあろうが、弊社では懸念する必要はないと考えている。今回の物件は同社の本社に隣接しているというところがポイントだ。現状は本社の物流センターで発送業務に十分なキャパシテイがあるが、数年後には拡張ニーズが生じると見込んでいた。たまたまこのタイミングで本社隣接地が売却に出されたので、その機を逃さず購入したということだ。購入地には倉庫が建設されているが、当面は、在庫の保管にこの倉庫を活用することとし、追加の設備投資は計画していない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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