暮らしのマネー
2019年7月23日 16:00
「年金だけでは暮らせない」「今から2000万円も貯められるだろうか」──6月に公表された金融庁の報告書が、国民の不安を煽り続けている。しかし、一般的なサラリーマン家庭であれば、それほど心配する必要はない。標準的なサラリーマン夫婦がもらう厚生年金は月22万円(妻が専業主婦の場合)ほど。さらに大企業なら2000万円超、中小企業でも1000万円超の退職金がもらえるため、老後資金を確保する余裕が出てくるのだ。
サラリーマン家庭と比べ、老後の心配が大きいのは自営業者だ。『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)の著者で、久留米大学商学部教授の塚崎公義さんが語る。
「自営業者の国民年金は夫婦で最大約13万円しかなく、退職金もありません。老後の収入は金融庁が試算した平均金額よりもぐっと少なく、老後に不足する金額は2000万円どころではないはずです。元気なうちはできるだけ長く働くこと、若い頃から貯金しておくことが求められます」
だが現実には、国民年金のみで平穏に暮らす高齢夫婦もいる。大阪府守口市の公団団地に暮らす野澤寿美子さん(86才・仮名)は、夫の正男さん(90才・仮名)とともに、10年前まで酒店を営んできた。
「夫の兄が大阪の旭区で米屋さんを営んでいた縁で、小さな酒屋を始めました。大きな儲けはありませんでしたが地道に商売を続けてきて、娘2人を育てあげました」(寿美子さん)
成人した娘たちはそれぞれ結婚して家を離れていった。その後も野澤さん夫婦は細々と店を続けた。
そして正男さんが80才になったのを機に、「そろそろ潮時や」と酒店を閉めて、次女夫婦の近所である守口市の公団団地に移り住んだ。
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