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裁判官が被告に伝えた「死んでほしいと思っている」発言の真意

【事件データ2】
・福岡地裁 岡部豪裁判長(2013年9月13日)……家庭内暴力を繰り返していた男が、妻をかくまった友人を殺害。懲役24年の判決を言い渡した時の発言。

『遺族は死刑を求めた。私たちも死んでほしいと思っている』

 この事件が報じられた時は賛否両論を巻き起こした。

「直後に岡部裁判長は《生物学的な意味ではなく、人格的な意味で、もう一度生まれ変わってほしいという意味です》とつけ加えています」

 被告人に対する求刑は30年だったのに対し、言い渡された懲役は24年。判決とともに先の言葉を言い渡した。

「妻に対して暴力を繰り返していた男が、妻を気の毒に思いかくまっていた友人を殺害するという、非情で身勝手な男の心に響くような言葉を発したのだと思いました」

 岡部裁判長は人情派としても知られる。昨年3月、千葉県柏市で起きた、妻(当時30才)を殺害し、家の敷地内に埋めた男(当時37才)の公判で語った、独自の夫婦論も話題を呼んでいる。

 男は「妻から繰り返し暴力を振るわれ、精神的に追い詰められていた」と主張。これに対し、岡部裁判長は《精神的に追い詰められて苦しかった気持ちは理解できるが、いちばん苦しかったのは奥さんでしょう。あなたに攻撃的になったのは、愛していたあなたへのSOSだったのではないか…》と諭し、《夫婦はひとりで背負いきれないものを分かち合うもの。妻との最初の出会いから最後まで、楽しい記憶を思い出してください》と語ったという。

※女性セブン2019年9月12日号

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