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【注目トピックス 経済総合】【フィスコ・コラム】為替介入のポイントは?

2016年6月5日 8:06

仙台G7から伊勢志摩サミット、そして通常国会閉幕と重要イベントは続いたものの、円高対策に関しては特に進展がみられないまま波乱含みの6月を迎えました。「米利上げ観測」という実体のない材料でドル・円は5月末に111円台まで回復しましたが、いつ急落してもおかしくない地合いであることに変わりはありません。

5月18日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録(4月26-27日開催分)で6月利上げに前向きな意見が大勢を占めたことが明らかになり、後退していた期待が再燃してドル買い・円売り基調が強まりました。5月27日のイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長による発言は、ドルをさらに押し上げました。この地合いが6月14-15日のFOMCまで続くかと思いきや、6月1、2日の2日間では3円近く下落。ある外為ディーラーは短時間での下落に「足場がないような恐怖感を覚えた」と言い、目先の一段安に警戒を強めています。

6月は円高が進みやすいイベントが目白押しです。2日にウィーンで開かれた石油輸出国機構(OPEC)総会では、主要産油国間で増産の凍結は見送られました。2月には1バレル=26ドル台だった原油価格は50ドル台まで持ち直したものの、再び下落基調となればドルを押し下げる要因になります。

23日の英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を控え、FRBは14-15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で6月利上げ決定に踏み切るのかが目下の焦点でしょう。3日時点で、先の外為ディーラーは「利上げ実施」とみています。筆者の話した市場筋がたまたまそうだったのかもしれませんが、別の邦銀関係者も同様の見解でした。ただ、あまり前のめりになっていると、見送られた場合は強い失望売りにつながるでしょう。

英国の国民投票については、最近まではEU残留支持の方がやや上回っていましたし、どちらかといえば保守的な英国の国民性を考慮すると残留予想の方が現実的だと思う人が多いのではないでしょうか。しかし、直近の世論調査では、離脱支持が残留支持を上回る結果が出始めたため、市場に警戒する動きが広がっています。目先はこうした世論調査に敏感に反応し、選挙直前に離脱支持優勢となればリスク回避的な円買いが強まり、ドルは100円を割り込むかもしれません。

こうした強い円買い圧力に日本はどのように対応するのでしょうか。仙台G7では日米間の為替に対する認識は平行線をたどり、伊勢志摩サミットでも安倍政権は有効な対策を打ち出すことはできず、日本は為替介入できないとの見方を変えるには至りませんでした。今年に入ってずっと悩まされている円高に、「答え」はあるでしょうか。

トヨタをはじめ日本の大手メーカーは2016年度通期の想定為替レートを1ドル=105円としているので、この水準に接近すると政府要人が口先介入を強めると市場関係者はみています。105円を割り込むと実弾投入への期待が高まりますが、実際に為替介入に踏み切るレベルは100円を割り込んでから、と見ている人が多いように思えます。一方、短期間での急速な円高に対してのみ、為替介入を実施するとの声もあります。

現在のように日米間で為替に関する認識にギャップがあるなかで日本が為替介入に踏み切った場合、日本側は介入ポイント以上の円高は許容できないという意思表示になります。同時に、米国にとって現時点ではドル安を止めても許容できる水準との解釈も成り立ちます。そう考えれば、介入効果は期待できるのではないでしょうか。

(吉池 威)

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