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【注目トピックス 日本株】宇徳 Research Memo(7):商船三井が他5社と新しいアライアンスを編成へ

2016年6月7日 17:20

■業績動向

○商船三井のコンテナ船事業の動向
宇徳<9358>港湾事業の主要顧客である商船三井は、2012年3月よりアジア/欧州航路で6社アライアンス(G6)を開始するなどアライアンスの拡充、運航効率の改善やコスト削減を推進してきた。2015年3月期までの3期間にコンテナ船事業売上高を毎期2ケタ成長させたものの、経常損失が拡大傾向にあった。2016年3月期の同事業の期初計画は、売上高が前期比5.8%増の8,330億円、経常損益は前期の241億円の損失から50億円の黒字化を目指していた。北米航路は荷動きが総じて堅調に推移したものの、船腹供給増により運賃市況は大きく悪化した。欧州航路は、アジアからの荷動きが大きく低迷し、減便などの措置を採ったものの、需給ギャップは縮まらず、運賃市況は記録的な安値水準で推移した。売上高は、四半期決算が発表されるたびに通期予想が下方修正され、実績は前期比8.6%減の7,211億円に終わり、経常損失も298億円に拡大した。

2016年3月に、2016年3月期第4四半期における構造改革の実施並びに特別損失の計上を発表した。同四半期の特別損失が1,793億円に上ったことから、通期の当期純利益は、前期の423億円の黒字から1,704億円の損失へと赤字に転落した。コンテナ船事業は、多くの主要航路において運賃が歴史的低水準にあり、低迷が長期化していることから、グループで保有する全船舶の帳簿価格を将来回収可能な水準まで減損し、余剰船舶を一部売船することを決定した。コンテナ船事業に関する減損処理は619億円になった。2016年4月以降には、コンテナ船の売却損12億円を計上する。

2017年3月期のコンテナ船事業の期初計画は、売上高を前期比10.3%減の6,450億円とし、320億円の経常損失を予想している。北米航路は、荷動きが堅調な米国経済に支えられているものの、スポット運賃の低迷と、年間契約更改による賃料低下を想定している。欧州航路は、アジア発の荷動きに回復の兆しが見えず、賃率も低迷するとの前提で、更なる合理化による需給ギャップの縮小を検討する。

商船三井を含む海運会社6社は、新しいアライアンスの設立を発表した。海運業界では、コンテナ定期船のグローバル・ネットワークの維持と巨額の投資をシェアする海運アライアンスが進んでいる。商船三井は、これまで定期コンテナ船共同運航組織である「G6アライアンス」に属していた。2012年3月よりサービスを開始した「G6アライアンス」は、Hapag-Lloyd、OOCL、日本郵船<9101>、American President Lines、現代商船と商船三井により編成されていた。北欧州5、地中海2の合計7ループで共同配船していた。そのうち、Loop1が日本に寄港するが、北米欧州での寄港数の減少等が重なり、同社が拠点とする京浜港への配船が減少した。2016年3月期に、同社の港湾事業の業績が悪化した主要な要因となった。

新たに編成される「ザ・アライアンス“The Alliance”」は、商船三井、日本郵船、川崎汽船<9107>、韓進海運、Hapag-Lloyd、陽明海運の6社がメンバーとなる。2016年5月に基本合意に達した。最初の合意期間は5年になる。6社が運航する船体は合計620隻以上、船腹量350万TEU(20フィート・コンテナ換算)が世界シェア約18%に相当する、世界を代表するアライアンスになる。今後竣工予定の最新鋭の大型コンテナ船を順次投入し、より広範なネットワークを形成し、高いスケジュールの順守性を実現する。また、アジア、北米、欧州、地中海、中東の寄港地を増やし、直行サービスを充実させることで高頻度かつ競争力のあるトランジットタイムを実現し、多様化する顧客ニーズに応える。サービス開始は、来年4月頃を予定しており、関係当局からの承認取得を始め、必要な手続きを行う。

b)プラント・物流事業
当期の業績悪化のもう1つの要因は、タイにおける石油化学プラントの収益悪化である。子会社が手掛け、今夏で終了したプロジェクトは、最終段階で追加工事が発生した。相手方がローカル企業であり、国際的な商慣習に沿って決済が行われず、予算よりも利益が約5億円ショートした。同プロジェクトの収益への影響は当期限りであり、2017年3月期には繰り返されない。

国内物流は、昨年春先まで荷動きが活発で、上期の営業収入は伸びた。橋梁の架替工事などは堅調に推移している。電力関連工事は、重量物輸送等の工事が順延したほか、各種工事において同社が保有する特殊機材を使用した案件が想定を下回った。

○貸借対照表
2016年3月期の総資産は36,359百万円と前期末比1,601百万円減少した。関連会社短期貸付金が2,494百万円増加したものの、受取手形及び営業未収入金が3,648百万円減少したことによる。一方、負債は10,155百万円と2,601百万円減少した。支払手形及び営業未払金が958百万円減少したことによる。有利子負債は1,026百万円へと減少した。自己資本比率は、71.9%と高い。

○キャッシュ・フローの状況
当期末の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末比231百万円増加し、2,817百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、4,921百万円のプラスとなった。主な要因は、税金等調整前純利益の増加3,292百万円と減価償却費1,545百万円である。投資活動によるキャッシュ・フローは、貸付けによる支出などにより、3,922百万円のマイナスであった。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済などにより699百万円のマイナスとなった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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