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【注目トピックス 日本株】宇徳 Research Memo(5):国内のみならず海外も視野に入れてM&Aなどを検討

2016年6月7日 17:15

■事業戦略

○宇徳ビジョン2020
宇徳<9358>は、2010年度(2011年3月期)から2019年度(2020年3月期)までの10年間を新たな成長機会に挑戦する期間と位置付け、質量ともに飛躍的に発展・拡大すべく、新成長戦略「宇徳ビジョン2020」のメインテーマを「ハマの宇徳から世界のUTOCへ」とした。従来からの事業展開の延長線上や現在の事業領域の深耕だけでなく、新たな事業領域へ挑戦する。

数値目標としては、2020年3月期に連結営業収入が1,000億円、経常利益50億円超を掲げている。2016年3月期の実績比では、営業収入が2.1倍、経常利益が1.6倍の規模になる。目標達成のためには、既存の事業のオーガニックな成長では達成が困難であり、国内のみならず海外も視野に入れたM&Aなどを検討している。経常利益目標は、2015年3月期に達成されてしまったが、プラント・物流事業で想定外の好条件が重なったことに起因しており、経営計画では通常の環境下での実現を目指している。設定数値は50億円超としているが、仮に50億円とすると営業収支経常利益率が5.0%と前期実績の6.2%から低下してしまう。投資家などからの意見にも耳を傾けて、利益目標は維持しても、いたずらに営業収入の規模を追うことで収益性低下を招くことを避ける方向にあるようだ。

a)港湾事業
2011年4月の国際コンテナターミナルとの合併が、新成長戦略実行の第1弾となった。コンテナターミナル事業は、飛躍的に拡大した。更なる取り組みにより、総合港運事業会社として一層の業容の拡大を図る。また、海外では、顧客船社が展開する海運周辺事業、特に新興国であるタイ、ベトナム、インド等でのコンテナデポ、自動車ターミナル、倉庫等に積極的に参加するため全社的に取り組む。

b)プラント・物流事業
プラント事業は、国内では電力関係を中心に重量物輸送と建設主体に事業を行ってきた。今後は、石油化学・製鉄関係等の多様な分野の顧客の獲得を目指し、重量物輸送と建設のみならずメンテナンス・定期修繕等のサービスを拡充する。海外では、EPC(Engineering Procurement and Construction)の一括請負への展開を図りつつ、事業を拡大しているシンガポールを拠点に東南アジアで重点的に事業を拡大する。

物流事業は、物流システムの高度化を図り、サービス品質の向上と業務の効率化により競争力を強化する。パートナーを含めた海外拠点を再整備し、新興国を中心に新規市場での事業の拡大を図る。また、3PL等、未開拓の事業分野へ進出する。

同社の物流センターは湾岸地域に限られてきたが、新しい試みとして内陸型の物流センターを開設した。東名高速道路の横浜町田インターから至近にある「町田物流センター」は、多層階建物のワンフロアー15,696平米(4,748坪)を借り受けた。すでに、スペースの3分の2以上は埋まっている。今後の進展を見て、内陸型物流センターの複数拠点展開を検討する。

2016年2月に、同社は(株)ジャパンエキスプレス(以下、JEX)から海外引越事業を除く物流事業を譲受する検討を開始し、5月に合意した。統合は10月を予定している。JEXは、商船三井の連結子会社であり、MOLグループ内の物流事業を同社にまとめることになる。現在のJEXの株主は、商船三井(持株比率:84.04%)、同社(同12.95%)、国際コンテナ輸送(同3.01%)と商船三井グループ企業が株主リストに名を連ねている。JEXの2015年3月期の業績は、売上高が前期比1.3%増の5,038百万円、経常利益が同46.0%増の92百万円であった。売上規模が同社の10分の1程度となる。今後のより大きなM&Aのための良い経験とする。規模に違いがあるものの、JEXのオペレーションに優れたものがあれば、それを積極的に取り入れる意向だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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